東京マルイ ガスガン グロック34 【エアガン レビュー】
2015年9月に開催された東京マルイフェスティバルにて発表されたガスブロのグロックシリーズ最新作をレビュー。グロックと言えばオーストリアのグロック社が開発したポリマーフレームオートの先駆者的モデル。最初のモデルは1982年に9mm×19ルガー弾を使用するグロック17が発表された。
現在までにグロックシリーズは、その口径バリエーションも.380ACP、.40S&W、10mmオート、.357SIG、.45GAP、.45ACPなどの各種口径で展開されている。
また、スタンダードなモデル以外にもコンパクト、サブコンパクト、コンペティションモデルなどの長短さまざまなバリエーションが存在する。
今回紹介するグロック34は、9mm×19弾を使用するモデルでかつ、シューティングマッチなどのコンペティション用に開発されたロングスライドモデル。ロングスライドモデルはグロック17Lが以前にラインアップされていたが、IDPA(International Defensive Pistol Association)射撃競技のレギュレーションに適合したグロック34がそれに置き換えられた。
東京マルイ ガスガン グロック34 スペック & 初速データ | |||||||||||||||||||||
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※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温21.1度、湿度41.0%、10発、X3200にて測定。 |
パッケージデザインは白を基調としたもの。パッケージサイズは31.5cm × 19cm × 5.5cm。
パッケージ内容は本体、マガジン、保護キャップ、サイト調整用ドライバー、フォロアーストッパー×2、クリーニングロッド、取説とBB弾少々。
スライドが長くなり、全体的にスマートなスタイルのグロック34。スライド先端が面取りされ、絞り込まれたデザイン。
ホールドオープン。スライドはプラ製ながら、塗装の質感が従来から変更されており、ザラツキの強い仕上がりとなっていて、実銃の持つ雰囲気に近くなっている。
軽量化のためにスライド上部に開けられたホール。スライドアッシーの重量は174g。フロントサイトはホワイトドットのプリントで少々チープ。フロントサイトはスライド内側からネジ一本で固定されており、各種カスタムサイトが社外品で販売されているので交換するのも良いだろう。
対して豪華なアジャスタブル可能なリアサイト。付属の精密ドライバーで上下左右に調節できる。
マズル。インナーバレル長は102mmでスタンダードなグロック17より5mmほど長い。アウターバレルはグロック17に比べて18mmは長いのでもう少し長く出来そうだが、パワー調整の都合だろうか。
インナーバレルは奥まっていて見えないので、ある意味ではリアルとも言える。
チャンバーの刻印。リアルな造形。番号はグロック17とは異なる。
実銃のグロックはマニュアルセフティが無いが、マルイのガスブロはレール下のシリアルナンバープレートをスライドさせて安全装置を掛けることができる。
SUREFIRE製のX300ウエポンライトを装着。スライドの長さとライト長があっていて美しいスタイル。
トリガーセフティを備えたトリガー。スライドを引いて内臓のハンマーを起こすとトリガーは前進して左写真の位置になる。トリガーを引くと右写真のようにトリガーが後退したままになり、いわばコッキング・インジケーターの役割をしている。トリガープルは僅かに引きずる感触はあるが、粘るような癖はなく、節度もあり引きやすい。
グロック34の特徴のひとつ、ロングスライドストップと、ロングマグキャッチ。従来の形状に比べてわずかな違いではあるものの、より素早く確実に操作できるのは嬉しい。
グリップ。形状はいわゆるジェネレーション3。フィンガーチャンネルが手に馴染む。
またグリップ背面下には小さい丸い穴が開いており、ランヤードリングとなっている。
通常分解。分解方法、内部構造は基本的にグロック17と同様。スライドアッシーごとグロック17へスワップすることも可能だ(18Cは不可)。またリコイルスプリングも17と互換性がある。ただ、トリガーバーの肉厚が増していたり、マガジンキャッチに18C同様、金属がインサートされていたりと、これまでのグロック17からマイナーチェンジされている個所も見られた。
可変ホップアップの調節ダイヤルはいつものチャンバー下。
亜鉛ダイキャスト製のマガジンは6mmBB弾を25発装填できる。もちろん従来のグロック17や18Cと互換性があり、サブコンパクトの26にも使用できるスタンダードマガジン。リップ部分は弾力のあるプラ製で給弾不良などは一切ない。これ以外に50連のロングマガジンも使用できる。
実測重量は711g。重くもなく、軽くもなくちょうど良い感じ。
上から東京マルイのエアコッキングガン、グロック17L、ガスブロのグロック34、ガスフルオートのグロック18C。
3モデルのスライド長比較。グロック34は17Lと18Cの中間サイズ。18Cは17に同じ。
フリーダムアートのアキュコンプDを組み込んだグロック17と比較。さすがにコンペンセイターを付けたほうが長く、幅もあり迫力はあるが、グロック34のシャープさもまたよい。
実射。12月の寒い季節、暖冬とはいえ、外気温は14度ほどで、ほとんどのガスブロが動かなくなってしまうのをよそ目に、グロック34はバシバシと軽快に作動。さすがにタタタタンと連射すると作動がトロくなってしまうものの、それでも全弾撃ちきってガッとホールドオープン。弾道性能も抜群に良く、30m先のマンターゲットにビシバシ当たる。熟成を極めた完成度の高いシステムだ。
初速もバレルが長くなったからか、それとも個体差なのか、室温21度で平均78m/sと、これまでのグロックシリーズ中、最高値を記録した。
フレーム幅が少し厚いのはマルイのグロックフレームの短所。BLACKHAWK! CQCシェルパホルスターは実銃の20/21用がベストフィット。ロングスライドなので少し銃口がはみ出す。
シューティング用のAIP製マルチアングル・スピードホルスターに収めてみる。何ら問題なく使用できる。
実射性能はもはや言うに及ばす。トップクラスの高性能。さすが10年の歴史を持つベストセラーだ。サバゲー、シューティングにガンガン使えるガスブロと言えよう。とはいえ、グロック17とどちらを選んでも大きな差はないとも言える。どちらを買うかは好みの問題だろう。
このタイミングでのグロック34 Gen3の発売、マルイのデカ広報の話だと、なにやら今後流行る確証があるみたいだけど、実銃の世界ではすでにフレームはGen4に移行しており、2015年のショットショーではMOS(Modular Optic System)というスライド上部にミニドットサイトを搭載できる仕組みも発表された。
どうせならばこういった最新モデルをモデルアップしてもらいたかった。
また、グロックのカスタムメーカーであるZEVやSalient Arms International(SAI)のカスタムガンは日本でも人気。安易に海外製のアルミ製スライドに手を出すユーザーも多い中、マルイ自らプラ製スライドでこういったモデルをリリースしてもよかったのではと思う。
そしてなんといってもグロックシリーズの人気モデル、グロック19。これのGen4モデルなどは多くのファンが待ち望んでいる実用性の高いモデルだろう。このモデルに限ってはKSCの独壇場が長らく続いており、東京マルイはなぜこのコンパクトモデルを作らないのか不思議なくらい。
2006年11月にグロック17のガスブロが発売されてから今年で10年の節目を迎える。ぜひ、ガスブロ グロックのラインアップにこれらモデルも加えてもらいたいものだ。そしてその際はフレームもリアルサイズに改修していただきたいところ。
2016/01/05
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