KJ WORKS ガスガン GLOCK 19 TYPE-H
レポート:戸井源太郎
グロックについては、もうみなさんもご存じだと思いますが、オーストリアの銃器メーカーで、元々は軍用ナイフやスコップ製造していた会社でした。そんな会社が一念発起して拳銃を作ろうとしたのは、1980年から始まったオーストリア軍の制式拳銃のトライアルがきっかけだったようです。
元々、銃器の専門外だったことから、当時画期的だったポリマーフレームを採用したり、積極的に新機構を組み込み、シンプルで扱いやすい拳銃が完成しました。そんな簡単に銃器が作れるのがスゴイですね。
この拳銃が「Pi80」の名称で、1983年にめでたくオーストリア軍に採用されました。
その後、民間にも販売され、すぐに全世界で大ベストセラーになったのは周知の事実ですよね。
もちろん世界各国の軍、法執行機関でも広く採用され、我が日本でもSATやSSTでも導入されているといわれています。
もちろんサバゲーマーにもグロックファンはたくさんいますし、MGC、KSC、タナカ、東京マルイ、マルシンと日本の主要メーカーのほとんどが一度はガスブローバックをラインナップしています。そして海外メーカーからもグロックはたくさん発売されています。
またスタンダードのグロック17だけでなく、バリエーションも数多くラインナップしています。
今回は、その中からKJ WORKSのGLOCK 19 TYPE-Hをリポートします。
グロック19は9mmパラを使用するコンパクトサイズ。グロック17の弟分で、実銃では、手頃なサイズということから人気の高いモデルです。
KJ WORKSは台湾のメーカーであるため、日本代理店のハッチがプラ素材で新規にスライドを製作した他、各所に手を加えた日本仕様となります。
TYPE-HとはヘビーウエイトのHで、スライドはヘビーウエイト樹脂製です。手にするとズッシリときます。
フレームは強化ナイロンポリマーとなっています。
形状、重量感ともリアルなのですが、残念なことに、スライド、フレームともに、刻印はまったくない「のっぺらぼう」なのが、物足りなく非常に寂しいところです。
しかし刻印については、後述致しますが、実は変わったオマケが同封されています。
1911やグロック17ですと常時携帯するにはちょっと大きくて重く、また周囲にも銃を携帯していることを悟られにくくするという意味もあるそうです。
そこで、コンパクトなのに装弾数が多く、信頼性も高く、扱いも容易ということでバックアップ用、コンシールドキャリー用としてグロック19を愛用している人が多いそうです。
以前、専門誌でアメリカのカスタムガンメーカーのオーナーや有名インストラクターたちのカスタムグロックが紹介されていたので興味が沸きました。
ホルスターの上からシャツを羽織った場合、コンパクトなグロック19では、目立ちにくいのです。
グロック17などをホルスターに入れた場合、スライドの後部やグリップの形がシャツの上から出てしまい、腰になにか着けているとわかる場合があります。
この微妙な差がグロック19の特徴であり、プロぽっいところです。
パーッケージは完全に日本語表記になっています。 「GLOCK 19」の商品名はステッカーになっています。
最近は版権も厳しく、刻印はもちろん、箱の表記も台湾から輸出する際にはNGだそうです。今は「G」表記もダメらしいです。
取り説、カタログ、保証書、ロゴステッカーが同封されています。すべて日本語表記です。また保証書があるのも安心できますね。
スライドだけでなく、フレームも一切の刻印はなし。少し寂しい感じはしますが、変なオリジナルロゴが付いているよりは潔いです。
グリップエンドまで含めた全長は187mmと実銃と同じサイズです。スライド長は174mmとなります。
KJ WORKS ガスガン GLOCK 19 TYPE-H スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
グリップにサムレスト、フィンガーチャンネルがついた3rd genをモデルアップ。握ってみると、右小指がギリ、ハミ出る感じですが違和感はないです。
トリガーは実銃同様にトリガーセフティを搭載しております。しかしトリガーのコッキングインジケーターはオミットされているのが少し残念です。
グロックでは、通常はハンマー(ストライカー)がコックされていれば、トリガーが前方に突き出ます。ハンマーダウン状態ではトリガーは引ききった状態になり、一目で発射状態かが確認できます。
しかしKJ WORKSのグロック19はハンマーダウンした場合でもトリガー位置はコック状態から変わりません。
エキストラクターは別パーツではなく、モールドによる一体成型で再現されています。
フレーム前方にはレイルを装備しています。下面のシリアルナンバープレートはマニュアルセフティになっています。
アンダーマウントレールはピカティニー規格でライトなどが装着できます。コンパクトモデルのため、ライト部分が銃口より前に飛び出ます。実銃だと発砲炎や火薬カスが付きそうですね。
フロント、リアサイトはシンプルなホワイトドットでサイティングしやすいです。
ドット部はプラ棒のようです。
実銃同様にトリガー上にある両側にあるレバーを引きながらスライドを前方へ引き抜き、工具なしで通常分解が可能です。
可変ホップアップの調節ダイヤルはスライドを外したチェンバー下にあります。
マガジンの装弾数は、箱には21発とプリントされていますが、実際にBB弾を込めてみると17発しか入りませんでした。
マガジンリップはプラ製の別パーツになっています。もちろんスライドストップもかかります。バルブも東京マルイのものと似ていますね。
東京マルイのグロック18Cと比べてみました。並べてみると意外にグロック19は大きくみえるというか、思ったほどコンパクトにみえません。ちなみにグロック18Cの全長は202mmとなります。
グロック19のグリップは指1本分くらい短い感じです。微妙に湾曲のシェイプも違うため、幅が広い(太い)ようにみえます。
左の東京マルイ グロック18Cのスライド長は186mm、右、KJ WORKS グロック19のスライド長は174mmで12mm差になります。ちなみに実銃のスライド幅は25.8mmで、東京マルイ、KJ WORKSともに26mmでした。東京マルイのG17が実銃用のホルスターに対応していないことはご存じだと思いますが、たった0.2mmの差しかなかったのですね。
スライド内部の写真は左が東京マルイ グロック18Cで、右がKJ WORKS グロック19です。
チェンバー、HOPダイヤル、シリンダーなどよく似ています。シリンダーのガス流入口はグロック19のほうが若干大きくみえます。
マガジンを並べて比較してみました。左の東京マルイ グロック用で、右がKJ WORKS グロック19です。よく似ていますが、バンパーの角度が微妙に違いますね。
グロック19に東京マルイのグロック用マガジンを入れてみました。
多少キツかったのですが入りました。また、この東京マルイのマガジンでも射撃は可能です。
東京マルイのマガジンがキツかったのは、マガジンの後部になぜか突起があるからです。
左が東京マルイ グロック用で、右がKJ WORKS グロック19用のマガジンです。
そのマガジンの突起のために東京マルイのグロックのグリップ内は、スリットが入っています。
ネットで、KJ WORKSのグロック19のグリップ内側を突起が干渉しないように削りるとよいと見かけましたが、私の場合はちょっとキツい程度で、問題なく挿入できました。
KJ WORKSのグロック19はよく出来ているのですが、やはり無刻印というのは殺風景すぎます。
グロックファンは、これでは納得できないでしょう。
しかしご安心を!
そんな方のために日本仕様のみ、グロックの刻印ステッカーが付属します。
スライドからグリップまで、全部で9ヵ所のステッカーが付いてきます。一番下のグロックのロゴ2点はオマケです。スマホなどに貼るとよいと思います。
まず接着面の埃、油分を充分にとっておきます。
付属の説明書に従って、該当部分を切って、ステッカーを貼っていきます。まずは粘着シートをはがして、該当部に貼ります。
貼ったあとに密着させるために、硬いもので、こすってロゴ部分を圧着させていきます。充分に圧着したら最後にシートを取り除けば完了です。
ただし、曲がってしまったりしたら貼り直しができません。慎重に貼りましょう。
付属の刻印ステッカーを貼ってみました。
本来なら刻印は彫りなのですが、ステッカーは凸型なので、近くでみると違和感があるかもしれませんが、遠くからみると彫りのようにみえないこともないです。ないよりは、ぜんぜんマシです。
グリップにグロックのロゴがついただけでグッと締まった感じがします。 グリップのロゴやパテントナンバーなど細かいところもステッカーで補完してくれます。
実際にグロック19を撃ってみました。
当日は、気温は28度で日差しもあり、梅雨とはいえ、すでに夏といった状況です。
ガスブローバックには最適な季節なので、快調に作動します!
データでは初速が60前後と低いのですが、撃った感じでは初速の低さは気になりませんでした。
HOP未調整の箱出しで距離5mと10mで15cmプレートに撃ったところ問題なく当たりました。
箱出し状態で、この精度に嬉しくなりました。
HOPも適正に調整すると30mはまっすぐに飛びます。その距離でもボディには纏まりそうな感じです。
軽く5~600発ほど撃ちましたが、トラブルは起こりませんでした。
あえて2、3つ、気になった点を挙げるとしたら、ヘビーウエイトスライドにしては、ブローバック時のキック力が少し物足りなく、いまいち、手に“ガツン!”ときません。
比較用に東京マルイのグロック18Cと撃ち比べてみましたが、グロック18Cのほうが鋭く、キック力もあるように感じました。
トリガーに指をしっかり掛けないと、引き方によってはセフティが引っかかる感触があり少々気になりました。あと、ガス注入時、しっかり入ってくれているようですが生ガスが溢れます。
最後に30発に1発くらいの割合でフライヤーが出たのが、ちょっと気になりましたが、ガン自体のポテンシャルとしては、許容範囲で欠点というほどではありません。海外製のガスブローバックハンドガンでは、かなりレベルが高いと思います。
さらに大人の事情で無刻印とマイナスポイントとなりがちのところを、ロゴステッカーで対応するなどユーザーへの配慮が好印象です。
それでいて、定価9,500円(税別)というのは驚きです。この価格で、上記のような成績ならコストパフォーマンスは優秀だと思います。 インドアフィールドのゲームでメインウエポンとして使いましたし、KJ WORKSのGLOCK 19 TYPE-Hは、お気に入りの1丁です。
協力:田村装備開発
2015/07/02
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