東京マルイ ガスガン グロック17 カスタム 【エアガン レビュー】
実銃のグロック17はオーストリアのグロック社が開発したポリマーフレームオートマチックピストルだ。最初のモデルは1982年に9mm×19ルガー弾を使用するグロック17が発表された。この17という数字の意味は17発の装弾数と、グロック社の17つパテントから由来すると言われている。
当時としては先進的なエンジニアリングプラスチックをフレームに使用し、軽量かつ耐熱性にも優れたオートマチックとなっている。スライド形状は直線的な面構成で、無骨でそっけないデザインは多くの人々を驚かせた。しかし、その後、その性能のよさから多くの国の警察、軍隊で使用されることとなったのは周知の事実だ。そして今日のポリマーフレームオート全盛時代の先駆けともなったハンドガンがグロック17なのだ。
現在までにグロックシリーズは、そのバリエーションも多く展開され、.380ACP、.40S&W、10mmオート、.357SIG、.45GAP、.45ACPなど、さまざまな口径モデルが存在する。
トイガンのグロックというと、1991年8月にMGCから発売されたグロック17のガスブローバックガンを思い出す。キレの良い作動はフィクスドガスガンが主流だった当時としては画期的だった。
グロックは映画にもよく登場する。
私の印象に深く残っているのはふたつ。ひとつはブルース・ウィリス主演の「
ダイ・ハード2」でテロリストがグロックを使用。空港での撃ち合いシーンは必見。
もうひとつはハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズ出演の「
逃亡者」。妻殺人の疑惑で追われる主人公が、刑事に追い詰められる排水溝での駆け引きにグロックが登場。
さて、話を東京マルイのグロックに戻す。マルイのグロックシリーズは2000年11月の
グロック26が最初。2002年12月にはグロック26をベースとした
グロック26 アドヴァンスを発売。2006年11月にはフルサイズの
グロック17を発売した。そして2009年10月、グロック17をベースとした
グロック17 カスタムが発売された。
東京マルイ ガスガン グロック17 カスタム スペック & 初速データ |
全長 |
186mm(スライド長) |
重量 |
735g |
銃身長 |
97mm(インナーバレル長) |
装弾数 |
6mmBB弾 25+1発 |
定価 |
16,800円(税別) |
発売日 |
2009年10月13日 |
|
最高 |
74.22m/s |
平均 |
72.81m/s |
最低 |
71.03m/s |
ジュール |
0.53J |
※エクセル バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温24.0度、湿度48.0%
パーツリスト |
グロック17カスタムのパッケージデザイン。
ブラックとグレーのツートンデザインはFN 5-7からのもので、最近のマルイのガスブローバックはこのデザインに統一されたようだ。
パッケージ内容。
本体、マガジン、保護キャップ、フォロアストッパー、取扱説明書とBB弾少々。
フラットダークアースと呼ばれるタンカラーフレームがカッコいい。もうひとつフォリッジ・グリーンというACUにぴったりのグリーン系フレームカラーもラインアップする。
東京マルイのグロック17は私のサバイバルゲームのサイドアームでもある。なぜマルイのグロック17か? 理由は3つある。
まず1つ目はその弾道性能と作動性・信頼性の高さ。2つ目にシンプルでスリムな扱いやすいデザイン。そして3つ目は、冬場は電動ハンドガンのG18Cと切り替えるのでホルスターの互換性があるということ。あと雰囲気だが、メインアームがMP5SDなので9mmルガー弾の互換性があるという...設定w。
スライド上部に設けられた5つのクーリングホール。いかにも軽やかなムードを漂わす。
実際にマルイのグロック17シリーズは軽快なブローバックが楽しめる。
実銃では冷却効果とスライド軽量化の目的がある。ガスガンでも数グラム程度の軽量化となるが、もともとマルイのグロック17は作動性が良いのでほとんどその恩恵はないだろう。
グリップ底部にはマグウェルを装備する。
これにより、素早くスムーズにマガジンチェンジできる。
フレーム後部に設けられた大きなエクステンディド・サムレストを装備。フレームにしっかり固定されていてグラつくこともない。サイドに張り出した部分を親指で押さえつけることで、マズルジャンプを低減することが可能。左右どちらでも操作できるアンビタイプとなっている。
エクステンディド・サムレストにはThumb Rest PROと表記がある。
サムレストによってグリップが太くなり握りにくくなるかと思いきやそうでもなく、むしろ握りやすくなったといっても良いくらいだ。
実際に親指を乗せてみると確かに1911のようなしっくりした感触がある。さらに実際の射撃では両手で構え、左手の親指付け根のふくらみを右手の親指に沿わせてホールドする。
ホールドオープン。アウターバレルにパーティングラインが残るのがちょっと残念。気になるようであればサンドペーパーで磨いてサテンシルバーにでも塗装しても良い。さらにカスタムモデルの雰囲気が出るかも。
実銃のセーフアクションを再現したようなトリガーメカニズム。空撃ちでトリガーを引くと左の写真のようにトリガーが後退したままになる。スライドを1.5cmほど引いて内臓のハンマーを起こすとトリガーは前進して右写真の位置になる。
サードジェネレーションフレームなので、アンダーマウントレールを備える。ハンドガン用の各種ウエポンライトが装着可能だ。
シリアルナンバープレート部分がマニュアルセフティになっており、後方にスライドさせるとセフティオンとなる。
CQCシェルパホルスターに入れているとごく稀に勝手にセフティオンになっていることがあった。固定処理しておくのが良い。
東京マルイの
プロライトを装着。インドアゲームや夜戦にはやはりウエポンライトは必須アイテムだ。
矢印のテイクダウンラッチを押し下げてスライドを前方へスライドして分解する。基本メカニズムはグロック17を踏襲している。
矢印の位置に可変ホップアップの調節ダイアルがある。工場出荷状態で適正ホップとなっている。
また、スライドストップがかかる切り欠き部分には削れ防止策として、金属パーツが埋め込まれているのも従来のグロック17と同じ。
マガジンは亜鉛ダイキャスト製で6mmBB弾を25発装填できる。
プラ製の大型マガジンバンパーが特徴で、これをスライドさせてガスを充填する。
グロック17のマガジンと互換性があり、共有できる。また、グロック26にもこのマガジンを使用することができる。
パッケージには新アイテム「フォロアストッパー」が2個付属する。マガジンフォロアーに挟み込んでフォロアーの上昇を固定し、スライドがホールドオープンしないようにできる。室内での空撃ちに便利。
マルイの全ガスブロマガジンに適合。
実測重量は734g。メーカー公称値とほぼ同じ。
最近のマルイはとくに重量表記は正確になっている印象だ。
程よい重さで、ゲームフィールドで一日中腰にぶら下げていても苦にならない。
マルイのグロック17は
CQCシェルパホルスターのグロック17用に挿入することができない。実銃とはわずかだが寸法が異なるのだ。したがって、グロック20/21用を使用する。
矢印の部分がサムレストに少々干渉するがホルスターの弾力で使用上は特に問題はない。
これから発売になるマルイのハンドガンは実銃を実際に米国で購入して採寸しているのでホルスターに入らないといったことはないはずだ。
さて、実射性能だが、もうもはや言うことのない作動の安定性。初速も安定しているし、弾道性能も抜群に良い。
とくにマルイのグロック17シリーズはハイキャパシリーズの次にブローバックの切れが良く、リコイルが強く、そして鋭く感じる。マガジンも連射時の冷えにそこそこ強い。装弾数も25発と十分だ。
グロック17は私自身が長らく愛用していることもあり、サバイバルゲームのサイドアームには、かなりおススメできるガスブロだ。ゲームでのサイドアームは緊急時に使用することも多い。メインウエポンが弾切れした時や、至近で敵と遭遇したときなど、こういったシチュエーションでホルスターから抜いてすぐに撃てるということは非常に重要で、その点グロックはスパッと抜けてトリガーを引くだけというシンプルな操作がとても良いのだ。
グロック17カスタムはもちろんスピードシューターにも十分おススメできる。カスタム要素満載なのでコレクションとしても、また部屋撃ち用にも最適だ。
ここからは要望なのだが、今後東京マルイにはぜひコンパクトバリエーションである
グロック19をモデルアップして欲しい。
MGCもKSCも早期にグロック19をモデルアップしてきた。コンパクトガンはフルサイズにはない魅力がある。サブコンパクトのグロック26では小さすぎ、グロック17では大きすぎる、そんなワガママなユーザーの夢をぜひ叶えて欲しい。
金型は作り直すだろうから、その際はもちろん実銃採寸のリアルサイズでCQCホルスターにもぴったり収まり、アウターバレルは亜鉛ダイキャストや真鍮などの重量系メタル素材でスライド前進時にブリーチと当たってチャキーンというサウンドを味わいたいところ。フロント、リアサイトのカスタムパーツなんかを取り付けできるような互換性もあってほしい。
むむむ、いつの間にか要望が妄想になってきてしまったので、これくらいにしておこう。
2009/10/18
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