東京マルイ ガスガン グロック19
ついに東京マルイから待望のガスブローバックハンドガン、グロック19が発売された。
この日をどれだけ楽しみに待ったことだろうか。思えば…いや、私の思い入れはさておき、その魅力を早速レビューしていこう。
このグロック19が発売されたのは2018年10月25日、レビューの公開まで少し遅れたのは、発売日の週にグアムで実弾射撃の取材をしていたから。実銃の最新グロック19をバシバシ撃って、その感触も冷めやらぬうちにガスブロのレビュー、なにか新たな発見があるかもしれない。
東京マルイのグロックの系譜
まずあらかじめ整理しておきたいのは、東京マルイのグロックシリーズの変遷。
マルイ初のグロックは、2000年11月に発売されたサブコンパクトのグロック26だ。これがいわば第一世代となる。
続いて2006年11月に発売されたフルサイズのグロック17。これが第二世代のグロックメカだ。トリガーのコッキングインジケーターが再現された。
この第二世代メカをベースにピストン形状をアレンジして2010年に発売されたのが、フルオートモデルのグロック18C。これが2.5世代といえるだろう。
2015年12月にはアウターバレル形状や内部メカのフリクションを低減させたグロック34が登場。続くグロック22も同じメカを採用する第三世代へと進化。
そして今回のグロック19では、シリンダーサイズを拡大し、外装パーツの別体化、チェンバー周りやマガジンも新規となったフルモデルチェンジ版といえる。
グアムからの帰国後、すぐにフライングスクワッドで予約してあった商品をゲット。艶消しブラックのパッケージ、渋いじゃないですか。パッケージサイズは横310 x 縦190 x 厚55 mm。
箱の中身はいたってシンプル。本体とマガジンのみだが、しっかりとデザインされたこの配置がワクワク感を高めてくれる。
パッケージ内容は、本体、マガジン、保護キャップ、取扱説明書、パーツリスト、クリーニングロッド、フォロアストッパー×2、BB弾少々。
スペック & 初速データ | |||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
サイドシルエット。コンパクトサイズなので、フルサイズに比べてスライドとグリップが短い。
このコンパクトさが携帯するのに便利でハンドルもしやすい。
樹脂製のスライドながら艶消しの美しい仕上げ。そして19の刻印が燦然と輝く。
ホールドオープン。コンパクトでもしっかりショートリコイルは再現され、バレルがティルトする。
ホップアップ調整はエジェクションポートから直接操作できるようになった。
全長は187mm。フルサイズのグロック17は201mmなので14mm短い。
これまでのグロックはエキストラクターはスライド一体のモールドだったが、グロック19では金属パーツとなった。ただ、このパーツ、箱から取り出してみると、染ムラのスポットがあり、せっかくの別パーツなのになんだか残念...。
フロントサイトは実銃同様に樹脂製で、上面に穴が開いている。ホワイトドットなのだが、このドットのプリントが弱く、すでに剥がれかかっている。爪で軽く擦っただけですぐに取れてしまった。この現象は秋のホビーショーの展示個体でもみられ、その際に開発スタッフには伝えたのだが、大きな問題とは思われなかったようだ。
参考までに、実銃のグロック19 Gen5のフロントサイト。実銃もフロントサイトはプラ製、ホワイトドットはプリント。
リアサイトも樹脂製。これまでのグロック同様にサイトピクチャーも良好。スライドカバープレートは樹脂製の別パーツになったのも嬉しい。今後、サードパーティからこのカスタムパーツが発売されるだろう。
グロック独自のトリガーセーフティも、もちろん再現。箱出し当初、トリガーセフティ―が引っかかっていたが、数マガジン撃っているうちに馴染んできたのか、スムーズに引けるようになった。トリガープルは約820gと実銃に比べて軽い。
グロック26を除くグロックシリーズ同様にハンマーコックしている状態では左のようにトリガーが前進、ハンマーダウンしている状態では右のようにトリガーが後退した位置で止まるコッキングインジケータの機能も健在。
ダストカバーには従来同様にシリアルナンバープレートがトイガンオリジナルのマニュアルセフティとなる。ハンマーをコックしなければセフティをオンに出来ない仕様もこれまで通り。
アンダーマウントレールには対応するウエポンライトを装着可能。実物SUREFIREがガタつくことなく、ガッチリとロックできた。ライトもできればコンパクトなSUREFIRE XC1あたりが良いかも。
グリップはフルサイズより短いが大人でもギリギリ小指までグリップできる絶妙サイズ。
そしてなんといっても今回のグロック19は実銃採寸のリアルサイズが売りのひとつ。手持ちのBLACKHAWK! CQCシェルパホルスターにシャコンとドンピシャで収まる。この快感!!
マガジンは亜鉛ダイキャスト製で、装弾数22発。容量を稼ぐためボトムパーツがサイドピンによる固定方式になった。それでもコンパクトサイズの容量なので、フルサイズに比べると連射時の冷えによるパワーダウンはより大きく感じた。
実測重量は643g。コンパクトなのでそこそこの重量感がある。
通常分解。手順はいつも通り、マガジンを抜き、スライドを一旦後退させてハンマーコック。スライドロックを押し下げて、スライドアッシーを前方へ引き抜く。ただ、箱出し直後だからか、やけにスライドが引っかかって、取り外すのが大変だった。
チェンバー横にはホップアップのダイヤルがあるが、分解しなくてもエジェクションポートからホップ調整できるようになった。ダイヤルはトルクがあってずれにくく、クリック感などはない無段階に調整できるタイプ。
インナーフレームやハンマー形状も従来とは異なり、従来のグロックシリーズとは互換性がない。
ブローバックユニットには15mm径の大口径シリンダーを採用し従来に比べリコイルが強くなっている。
またリコイルが強くなった分、グロックの弱点とされていた銃口側のスライド破断を防ぐため、金属製の補強パーツが入っている。スライドストップの勘合部にも金属パーツで補強されているのは従来通り。
フロントサイトとリアサイトは内側からネジ止めされているので交換は容易。
リアサイトを取り外し、グロック専用マウントベースとマイクロプロサイトを取り付けた状態。
コンパクトモデルなので、ドットサイトがスライド後方にはみ出すのが微妙にダサく、リアサイトの前にマイクロドットを取り付けたくなる。今後Gen4以降を発売するのならMOS対応モデルを出してほしい。
なお、マガジンは短いグロック26以外、過去モデルと互換性がある。写真は22のマガジン。
マルイの各種グロックとの大きさ比較。左からサブコンパクト、コンパクト、フルサイズ、コンペティション。とりあえず9mmは全サイズそろった。あとはG42系の.380シングルスタック・サブコンパクトが出れば完璧か。
グロック19のインナーバレル長は87mm、G22が97mm、G34が102mm、G26が73mm。大きさに比例して長くなる。
実射!!
今回もビレッジ2のシューティングレンジにて、20m、30mの射撃テストを実施した。
ガスはHFC134a、弾はベアリングバイオ0.2gを使用した。
まず実射で気になった点がある。それはスライドを引いて装弾したときの感触。
スライドが閉鎖する際、なにかこう歯切れの悪い、ボコっとした鈍い感触があり「んっ?」となった。これは新型のブローバックメカによるリコイル吸収材なのかもしれない。スライドの閉塞する感触ってガスブロにとってはとても大事な要素なので、このあたりも上手く再現して欲しいと感じた。
でもって実射、そのリコイルは強烈!!
ドカッ、ドカッと、これまでのどのグロックよりも押し出しの強い反動が手首を襲う。これは凄い!!
20mではA3プレートに必中、
30mでもマンターゲット上半身に集弾する。コンパクトだからといって、フルサイズのガスガンに何ら引けを取らない命中精度だ。
試しに40mでも撃ってみたが、流石にずいぶん上を狙わないと届かない感じ。まあ40mを狙う銃ではないけどね。
続いて初速を計測、マガジンの表面温度29度で、0.2g弾を使用して平均69m/s程度。だいたい70m/sから始まって10発撃つと67m/sくらいになった。
同環境でグロック22を撃ってみたが、平均70m/s程度だったので、リコイルが強いにもかかわらず、フルサイズに匹敵する初速を有していることになる。
さらに50連マガジンで初速を計測してみたが、大きな初速変化は見られなかった。ただし、より多くの弾を安定して発射するのであれば、50連マガジンは圧倒的に有利。コンパクトさは失うが、グロック19をメインアームにしてゲームで立ち回るならこの組み合わせもありだ。
総評
コンパクトガンとして実銃でも非常に人気の高いグロック19。世界各国の軍隊や法執行機関で採用される超メジャーモデルが東京マルイの最新技術を投入してリアルサイズでフルモデルチェンジしたのだから、もはやエアソフトユーザーとして絶対に今年買うべき一丁!!
しかもこの内容で価格は15,800円。これは「お値段以上、マルイ!」と叫ばざるを得ないコストパフォーマンスだ。二丁買って、一丁はノーマルで、もう一丁はゴリゴリのフルカスタムをしたくなる衝動が抑えきれない。
ただ、気になる点もいくつかある。
細かく言えば前述したフロントサイトや金属パーツの仕上げ・品質管理だし、なにより実銃ではすでにGen4、Gen5、19Xと最新版へアップデートしている中、「いまさらGen3かよ!」という声も多く聞く。
とはいえ、このグロック19のメカを採用した最新モデルが発売されるであろうことは想像に難しくないので、今後のバリエーション展開にも期待が高まる。
とにかく今は、ようやく発売されたこのグロック19を最大限に楽しんでおこう。
撮影協力: ビレッジ2
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