Carbon8 ガスガン Cz75 2ndバージョン
レポート:戸井 源太郎
新ブランドのCarbon8(カーボネイト)から高い命中精度でプロから絶大な評価を得ているCz75 2nd.versionのCO2ガスブローバックガンが2017年12月に発売されました。
CO2はトイガン業界内でも意見が割れるパワーソースですが、このCz75は安全対策を施し日本の銃刀法規制に準拠、国内の業界団体であるSTGA(全日本トイガン安全協会)の認証を取得している商品です。
今回、サンプルをお借りすることができましたので、低気温下での実射性能はどうなのか? 早速、レビューしたいと思います。
Cz75はチェコスロバキアのチェスカー・ズブロヨフカ国営会社で1975年に製造されました。
使用弾は9mmパラベラム、作動方式はショートリコイルのダブルアクションで、セフティはコック&ロック方式です。特徴はフレームがスライドを包み込むようになっており、ガタつきが少なく、命中精度が高いとされています。しかし、そのためスライド高は低く、引きにくいです。
そしてCz75には1stと2ndのバリエーションが存在します。1stはコスト度外視で、最高品質かつ、強度のあるスチールによる削り出しで、非常に薄く作られています。以上のことから当時、アメリカで最高のコンバット・オートと評されました。
2ndはCz75がヒットしたことから生産性を上げるために、スライドとフレームを削り出しから精密鋳造へと変更されました。この変更で強度が低下したため、スライドとフレームの形状が若干変更されました。それぞれのバージョンはスライド前部の薄くなっている部分の長さで見分けがつきます。
1stではトリガーガードのすぐ先からスライドが薄くなっていますが、2ndはフレームの先から薄くなっています。
Cz75はチェコを中心に東欧諸国の法執行機関で使用されていました。元々、輸出を目的に作られたので、少数はアメリカにも輸入されていました。しかし共産圏の銃ということで数も少なく、当時からプレミアム価格で非常に高価なコレクターズアイテムとなっています。
西側諸国でもイスラエル IMI社のジェリコや、ブレン・テンなどCz75の影響を受けたものや、コルトとCz社の共同開発によるZ40というのもありました。
Carbon8のCz75は、2nd.versionをモデルアップしています。
銃本体は台湾製ですが、フレーム、スライドのどちらもABS樹脂製となっています。
Cz75の複雑な曲線を完全に再現しつつ、エッジも立っており、リアルな質感を実現しています。
STGA(全日本トイガン安全協会)の認証を受けているだけでなく、東京マルイに同モデルがないこと、KSCのCz75のマガジンとも互換性がないように配慮されています。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
パッケージは実銃についての解説と諸元が書いてあります。中は発泡スチロールで保護されています。サイズは317 x 175 x 60mmです。
パッケージには、CO2ガスガンの安全基準適合品の証、STGA(全日本トイガン安全協会)の認定シールが貼られています。
付属品として取説の他に小型炭酸ガス(CO2)ボンベの取り扱い注意事項、CO2カートリッジ装填時の注意事項、保証書などの書類にCO2カートリッジ装填用の六角レンチ、BB弾などが入っています。
特にCO2取り扱いについてはマガジンにCO2カートリッジを装填する前に必ず読んでください。
スライド左面にはフレームにはロゴ、モデル名、生産国の刻印が入っています。
エジェクションポートはシルバーです。エキストラクターはダミーですが、別パーツになっています。
優雅な曲線でスマートに構成され、なんともいえない美しさがあるマズルフェイスです。
アウターバレルはシルバーでよいアクセントになっています。またCzの特徴であるフレームがスライドを包み込む構造がわかりやすいでしょう。
トリガーガード周りも複雑なカーブでデザインされており、ダブルカラムの太いグリップでも握りやすくなっています。トリガーはシルバーで、非常に薄いです。
ハンマーはシンプルで質実剛健です。ハンマースパーのセレーションもシンプルですが、指にしっかり引っかかります。
左面にセフティがあります。赤丸が見えている状態で「FIRE」です。レバーを上に押し上げて「SAFE」になります。ただしセフティはコック&ロックで、ハンマーを起こした時にのみ掛かります。Cz75はダブルアクションでも撃てますので注意してください。
フロント、リアサイト共にシンプルなものです。
グリップパネルのモールドもリアルに再現されています。グロック Gen.4のようなワッフルテクスチャが1975年には、すでにあったということに驚きです。またCO2カートリッジをマガジン内に装填するため、大型マグダンパーが付いています。
グリップにはCzのロゴの刻印が入っています。
通常分解はまず、マガジンを抜いて、スライドとフレーム後端にある溝を合わせます。この状態でセフティレバー前にあるスライドストップレバーを抜きます。
このように工具無しで簡単に通常分解ができます。
チェンバー下部にあるネジが可変ホップアップのダイヤルになります。時計回りでホップ強になります。ダイヤルは手で操作するにはちょっと固すぎでした。調整にはマイナスドライバーを使用した方がよいでしょう。
CO2の強烈なリコイルを吸収するためにリコイルスプリングガイドの先端部は樹脂製となっています。
マガジンは亜鉛ダイキャスト製で、両サイドにスリッドがあります。このなかにCO2カートリッジが入ります。装弾数はダブルカラムで24発です。
放出バルブには分解防止用のピンが打ち込まれており、安全対策が施されています。
他にもハンマースプリング交換できないよう対策されています。
CO2カートリッジの装填はまず、マガジンバンパー底部にある突起を押して、バンパーを外します。
バンパーを外すとCO2カートリッジ用のボトムスクリューが現れます。これを付属の六角レンチで外します。
CO2カートリッジのボトルネックの方からマガジンに入れます。あとはボトムスクリューを締めていきますが、ここで注意! ボトムスクリューを力いっぱい締めるとマガジン内部が破損してガス漏れの原因になります。装填する前に付属のリーフレットを必ず読んでおいてください。
これでCO2カートリッジの装填完了です。サイドのスリットはCO2カートリッジの視認用だけでなく、万一破損した場合、ここからガスを漏らすためのようです。ガス込みでマガジン重量は417gです。
実射テスト
テストでの使用BB弾は、いつもと同様、東京マルイのベアリングバイオBB0.2gと0.25gを用意。距離は20と30mで行いました。
ターゲットは直径18cmの丸プレートとA3サイズ(29.7cmx42cm)でヘッドとボディを模したスチールプレートになります。
ホップを調整してまずは0.2g弾で20mから射撃してみました。何回か撃ちましたが、撃ち始めの2、3発はドロップが多い感じです。それ以降は弾道は安定し、ほぼ全弾命中します。
0.25g弾では0.2g弾より格段に安定感が増し、全弾命中させることができました。これは素晴らしいと精度だと思います。
30mでの射撃では、0.2g弾でA3のターゲットにほぼ命中しましたが、こちらも撃ち始めが安定しませんでした。やはり0.25g弾の方が安定しており、全弾命中することができました。
総合的には距離20~30mで、0.2g弾、0.25g弾のどちらのBB弾でも充分、というか大変、素晴らしい性能を有していると思います。
最後に注意事項です。この季節、寒くとも常温で充分作動しますので、マガジンを絶対、ヒーターなどで温めないでください。また炎天下の車内に長時間の放置も避けてください。フロンより圧力が高いので破裂する危険があります。
Carbon8 Cz75の驚きは、命中精度だけではありません。実は燃費がめちゃくちゃ良いのです。このCz75は「まだ撃てる、まだ撃てる」で、マガジン5本分、120発以上も撃てました!
もちろんブローバックも快調で、千葉の冬の野外でも全く問題なく撃てました。速射してもブローバックが徐々に弱くなるようなことはなく、ガス切れ直前まで快調に動きます。
総評
冬の野外でも完璧に作動し、30mでもボディに必中させるポテンシャルがあり、しかも低燃費でサイクルコストも低いと、いいことばかりです。
しかもモデルアップされているのがCz75というのも渋くていいです。
実射性能だけでなく、外観もリアルに美しく仕上がっています。ABS製フレーム、スライドでも実銃の質感をよく再現しています。
そしてSTGA(全日本トイガン安全協会)の認証を受けているので、安心して遊べます。はっきり言って、非の打ち所がありません。価格も税込で2万円ちょっとと、妥当なところでしょう。
協力:ハッチ、ビレッジ2
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