タナカ ベレッタ M1934
写真&解説 YAS
解説
タナカはもともとは田中木工所として実銃やエアガン用の木製ストック、モデルガンも製造しており80年代にはエアガン製造もはじめたメーカーだ。
80年代半ばにガスガンが登場し、固定スライドタイプのガスガンが普及すると、各社はよりリアルな作動のガスブローバックガン開発に着手し始める。先陣を切ったのは東京マルイのM-59だったが、その構造はガスの力でスライドを前進させるという現在のガスブローバックとは逆の仕組みだった。
タナカは1989年にコルトガバメントM1911A1のガスブローバックモデルを発売、これが本格的なガスブローバックの幕開けと言っても良いだろう。翌年にはブローバックモデル第二弾として今回紹介するベレッタM1934をリリース。モデルガンでは数社から発売されていたが、M1934がエアガンとしてモデルアップされたのは本製品が初となる。
構造はガバメントで発射用とブローバック用の2バルブ2WAY式だったのを1バルブに変更し、トリガーの切れも燃費も向上した。トリガーを引くとバルブが解放され、ガスがスライド後部の気室に充填、スライドが最後まで後退しきると気室内のガスが発射方向に解放され弾が発射されるロータリーバルブと呼ばれる1WAYアフターシュート方式だ。
ベレッタM1934は第二次世界大戦でイタリア軍の制式拳銃として使用された。その優美なスタイルは日本においても根強い人気がある。映画『007/ドクター・ノオ』ではジェームス・ボンドがPPK(プロップはPP)に換えるまで使っていた銃でもある。
スライド右にはASGKやメーカー刻印がある。
ベレッタの拳銃と言えばこの大きくカットされたスライド上部。M84やM92にも引き継がれていくベレッタ社の特徴となった。フロント、リアサイトはスライド一体の固定式だ。ハンマーは射撃のたびにコックされるがバルブを叩いているわけではなく、トリガー側でバルブを開放している。
トリガーはガバメントのようなストレートプル式シングルアクション。その上のセーフティレバーも180度回転して機能するが、スライド後退量が少ないので、スライドロックはできない。トリガープルは1.7kg程でストロークが短くキレが良い。
ガスの注入口はグリップ底部のマガジンキャッチレバーにある。マガジンキャッチも機能する。
マガジンはダイキャスト製の割り箸タイプ。背面に金属鉤爪のマガジンリップもあり、装弾数は11発。グリップパネルはミリタリーモデルに付属したフランスクルミ製の木製グリップでシルバーのPBメダリオンが入る。
グリップパネルを取り外すとディスコネクターや内蔵式のガスタンクが見える。ノーマルのプラ製グリップパネルにもPBのロゴマークが入る。
初期のブローバックモデルなのでスライドを引くとチャンバーには内部ユニットが露出する。
スライド後退量は21mmほど。実銃もストレートブローバックなので、アウターバレルは固定されており、スライド後退に伴い真鍮製のインナーバレルが後退してチャンバーへ装弾される仕組み。そのためマガジンを装填し、初弾を送るためにスライドを引く必要はなく、そのまま初弾が発射可能だ。
作動は小さいながら思いのほか小気味よくブローバックする。ガスを多く入れると生ガスを吹きやすいのでほんのわずかで作動させた。初速は0.2g弾で45m/s程度、命中精度は5mで15cmに集弾するかどうかといったところ。パッキンレスのアフターシュート式ブローバックなので、固定スライドガスガンに比べると精度は落ちるが、当時の技術としては悪くないし、なにより作動性が高いのが好感触。
パッケージ。まだベレッタのトレードマーク騒動の前なのでBerettaのメーカー名がそのまま使用されている。側面にはASGKの認証シールが貼られている。
当時の雑誌広告では、ハーフシルバーモデルがクラッチバッグと真珠のジュエリーとともにレイアウト。ご婦人のセルフディフェンスピストルといったエレガントなイメージで描かれている。
スペックや新機構解説も書かれた取説。マニュアル.PDF (3.7MB)
DATA
発売年 | 1990年4月 |
発売時価格 | ¥7,800 (ブラック) ¥11,500 (ハーフシルバー) ¥11,000 (ミリタリー) |
全長 | 実測 149mm |
重量 | 実測 400g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | ガスブローバック |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 11発 |
平均初速 | 44.75m/s (0.2J、0.2g、26℃) |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
■関連リンク
ビンテージ エアガン レビュー TOP
トイガン史 1963 ~ 1993 - あるガンマニアの追憶 -
モデルガン&エアガンとトイガン業界の歴史
考察 ブローバック・ガスガン