カナマル レミントン ダブルデリンジャー
写真&解説 YAS
解説
デリンジャーはもともとパーカッション式のヘンリーデリンジャーをさしたが、その後、護身用の小型拳銃の総称となった。レミントン ダブルデリンジャーは1866年から1935年まで約13万丁が製造されたといわれる。西部劇にも多く登場し、賭博人が隠し持つギャンブラーガンの異名を持つ。
カナマルは錦糸町にあったジョークショップというミリタリーやバラエティグッズのショップで、80年代は自社ブランドのエアガンも販売していた。通販も行っており、雑誌広告に掲載されていた面白グッズを筆者もワクワクしながら眺めていたものだ。1988年頃はレプリカやヨネザワから多くの小型ガスガンがモデルアップされた。これはセミオートガスガンのユニットが技術的にも安定し、小型化されたからだ。カナマルのダブルデリンジャーはレプリカ製よりも少し先にモデルアップされている。
カナマルはコクサイ製のエアーコッキングガバメントのWWIIモデルや、独自設計の固定式リボルバーチャーターアームズ.44ブルドッグを発売していた。
全長126mmの小型拳銃。実銃は41口径で装弾数2発。
バレル、フレームともに樹脂製で、右フレームにはASGKの刻印がある。セーフティ兼テイクダウンレバーはモールドのダミー。
カナマルのダブルデリンジャーはテイクダウンしない固定式。マズルは下側が弾が発射されるバレルで真鍮製のインナーバレルが見える。上は自重落下式のチューブラーマガジンとなっていて装弾数は11発。上のマズルからパチパチと直接弾を入れる。
バレル上部にはレミントン社の刻印。フロント、リアサイトともに固定式。
グリップ底部にガスの注入バルブがある。トリガーも亜鉛ダイキャスト製だ。トリガープルは1.2kgほど。
亜鉛ダイキャスト製のハンマーがバルブを直接叩いてガスを放出する仕組み。インナーバレルは固定式でハンマーに連動したノズルが前進してBB弾をチャンバーへ送る。
ハンマーメカはシングルアクションのみ。ハンマーをハーフコックにするとトリガーとの接続が切れる。さらにエジェクターラッチを後ろに下げるとハンマーがバルブを叩かなくなる二重の安全機構となっている。
付属のBB弾はウルフのライトグレー0.17g弾。10発平均の実測値は0.174g。0.2gのグレー弾と併せて当時使用していたユーザーも多いのではないだろうか。よくみるとバリやゲート痕があり、あまり研磨されていない。
残念ながら本個体はガス漏れで撃てなかったが、11発のファイアパワーはあるものの、自重落下式のマガジンは銃身を下に向けると給弾しないという欠点があり、後に発売されたスプリング給弾式のレプリカ製のほうが人気が高かった。最終的にはテイクダウン機構やリアルなカートリッジ仕様がユーザーに好まれたため、後にマルシン製のライブカート式が発売されている。
パッケージ。金属調のメッキが施されたメタルカスタム、ステンレスカスタムなどのバリエーションも発売された。
DATA
発売年 | 1988年11月25日 |
発売時価格 | ¥2,980 |
全長 | 実測 126mm |
重量 | 実測 112g |
バレル長 | カタログ値 55.3mm 真鍮製 |
発射方式 | リキッドチャージ式ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 11発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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