ファルコントーイ イングラム11
写真&解説 YAS
解説
ファルコントーイのガスガン第二弾となったのが、今回紹介するイングラム11だ。
第一弾のガスガンMP5Kがガスフルオートだったのに対して、こちらはセミオートオンリーのモデルとなっている。その分価格はかなりお安く、3,580円で発売された。
イングラムといえば.45口径のMac10、.380口径のMac11といずれも当時の人気モデルで、マルゼンやJAC、ヨネザワなど、同時期に各社からガスガンが登場した。
そんな中でセミオート射撃のみのファルコントーイ製イングラム11はイマイチ影が薄い存在だった。
ピストルサイズの超小型SMGならフルオートでバラ撒きたいと思うのがユーザー心理だろう。しかも本モデルの発売直後に同社からブレンテンのブローバックガスガンが発売され、このイングラム11は完全に忘却の彼方へと追いやられてしまう。
トリガーに連動してバレルが後退するのは後座式セミオートガスガン同様だが、バルブの開放は独特で、ガスを接続していない状態ではシアが切れる感触がない。
ガスをつなぐとカクっとガス圧が内部で高まる感覚がわずかにあり、その後マガジンをセットしてトリガーを引くと長いストロークの最後にプシュッとガスが放出される。
古いガスガンなのでこれが正しい作動か確証はないが、フルオートガスガンのガスカットシステムのような仕組みなのかもしれない。ということはファルコントーイはこのイングラム11のフルオート版も予定していたのかと想像してしまう。
超小型サブマシンガンのイングラム11、3,580円という価格の割に外観はよくできてはいるが、グリップ後部がガスルートのためか、やや太めになっている。
マズルにはオプションのサプレッサーが取り付け可能。インナーバレルはアルミ製でトリガーを引くと後退する。セミオートガスガンなので、レシーバーのセレクターは機能しないモールドとなっている。
レシーバーはモナカ構造の樹脂製でコッキングノブもサイトも固定されている。
トリガー横にセーフティスイッチがあり、SAFEでトリガーがロックされる。
グリップ背面にマグキャッチがあり実際に機能する。グリップ底部からガスホースが伸びている。
またレシーバー下の小さなボタンはストックリリース用で実際に機能する。レシーバー後部にストックアーム格納用の穴があり、ロック機構も機能しているのでオプションとしてストックを発売する予定だったのかもしれない。
ガスボンベのコネクター。現在これに合うボンベがないのが残念。6mmホースを使用している。
樹脂製のマガジンは装弾数は30発。フォロアーを一番下まで引っ張るとロックされ、マガジンにBB弾を装填後、本体にセットしてマガジンボトムのスイッチを押せばフォロアーが解除される仕組み。
マガジンリップは金属製の鉤爪となっている。取説にはガスを接続してからマガジンを装填せよとあり、先にマガジンをセットしてしまうとBB弾が飛び出して操作不能になる、と怖いことが書いてある。
ガスボンベとセットになったパッケージ。ボンベは紛失している。本体のみの単体パッケージも発売された。
付属のファルコン スーパーBB弾。重量は0.12g。P9SやMP5、ウッズマンにも同梱されていた。
赤い表紙の取説。手榴弾型の緑のBBボトルは「ガメラ」と呼ばれていた。
当時使用されていたフロン12は1996年に全廃となっている。マニュアル.PDF (8.5MB)
DATA
発売年 | 1987年末 |
発売時価格 | ¥3,580 (ガスボンベ入り) |
全長 | 実測 224mm |
重量 | 実測 350g (ホース含む、ボンベ含まず) |
バレル長 | -mm |
発射方式 | 外部ソース式ガスフルオート |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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