IWA 2019 in ニュルンベルク パート8
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2019年3月8〜11日まで、ドイツのニュルンベルクで開催されたIWAアウトドアクラシックス(以下IWA)を取材してきたのでレポート。IWAは毎年開催ドイツでされるヨーロッパ最大級の銃器トレードショーだ。
IWAとは ドイツ語でInternationale Waffen Ausstellung (国際武器展示会)を意味する。
Grey Ghost Precision | BUL ARMORY | FMK Firearms | PAUKATTI | YAZICILARAV | SAVAGE | Anschütz | Browning | KORTH | SARSILMAZ | Zastava Arms
Grey Ghost Precision
アメリカの銃器カスタムメーカー、Grey Ghost Precision (GGP)。
本ブースでは米国のいくつかの銃器カスタムメーカーが集まって展示を行っていた。
GGP Combat Pistol。フルサイズとコンパクトサイズがあり写真はグロック19に相当するコンパクトモデル。グロックベースのカスタムガンで、カスタムスライドや、最近流行のレーザーによるスティップリング加工されたオリジナルフレームなどが特徴。
肉抜きされた軽量化スライド、DP ProとRMRに対応したダイレクトオプティクスマウントにはG10素材のプレートカバー。NIGHT FISIONのトリチウム・ナイトサイト付。
KILLER INOVATIONSのグロック コンプリートカスタムガン。VELOCITY GLOCK SLIDEやスレッデッドバレルを組み込んでいる。
Rainier Armsのロゴが入ったスティップリングが施されたフレーム。前後サイトはNIGHT FISION。トリガーやマグウェルも同社のVELOCITY GLOCK TRIGGER、VELOCITY MAGWELLが組み込まれている。
極限まで肉抜きされたスライドはデザインもカッコ良い。カバープレートやチャンバー部分も連続したデザインとなっていて統一性がある。
スライドを後退させるとフルーテッドバレルが良く見える。
L2D COMBAT 17 CATALYST GEN3。CATALYSTスライドやPrecision Matchのスレッデッドバレルを組み込んだグロック17ベースのカスタムグロックだ。
L2D COMBAT 19 CATALYST GEN3。こちらはグロック19ベース。
RAINIER ARMSのコーナーに展示されていた激カッコいいカスタムAR。
ASCEND ARMORY 7075 AR15 Light Weight Match Billet Receiverに、MAXIM DEFENSEのCQBブレイス、HERA Arms H15G AR15 Pistol Grip、ODIN WORKS O2 Lite M-LOK Forend 9.5"、Airborne Arms AAZ5 Warthog Linear Compensator、Elftmann Tacticalストレートトリガーでドレスアップ。オプティクスはVORTEX Razor AMG UH-1ホロサイト。
傷だらけのレシーバーとストック。もちろん意図的にこのように仕上げている。
BLK LBL Bipod - AR 15 - 14"。
レイルハンドガードとバイポッドが一体となっている。ボールマウントしてあるので、脚のアングル調整も可能。
BUL ARMORY
イスラエルの銃器カスタムメーカー、BUL ARMORY。
AXE FST。口径9mm、装弾数15発。
AXE
CX / C。グロッククローンと言うような9mm口径のピストルは多くのメーカーで見かけるようになった。
カスタムARも展示されていた。同じイスラエルメーカーのFABのストック、グリップ、マガジン、フォアグリップに、中国メーカーのVector Opticsのカーボン調ポリマーハンドガード10"が装着されていた。
FMK Firearms
アメリカの銃器メーカー、FMK Firearms。
FMK ELITE。9mm口径のシングルアクションストライカーポリマーフレームオート。
PAUKATTI
フィンランドの銃器パーツメーカー、PAUKATTI。
PAUTAC PRECISION ALLOY CHASSIS for SAKO TRG 22/42。
7075合金の削り出し加工で作られている。
YAZICILARAV
トルコの銃器メーカー、YAZICILARAV。
COSMOS。5.56mmx45、7.62mmx51弾に対応したマルチキャリバーボルトアクションライフル。
Savage Arms
アメリカの銃器メーカー、Savage Arms。
上からMSR 10 COMPETITION HD(口径.308Win)、MSR 15 VALKYRIE(口径.224VALKYRIE)、MSR 15 PATROL(口径.223Rem)。
Anschütz
ドイツの銃器メーカー、Anschütz。
ハンティング、バイアスロン、ターゲットシューティング用などのスポーツライフルが展示してあった。
こちらはバイアスロン用.22LR口径の1827 F ANSCHÜTZ COMFORT。マガジンがストック前に8本収納できる。
1761 D HB Classic, 515 mm barrel。
弾薬は.17HMRを使用する。
Browning
ベルギーの銃器メーカー、Browning。
X-BOLT SF CHASSIS HS3 BLACK。口径.308WIN。アルミ製シャーシ、拡張できるピカティニーレール、HOGUEのグリップとエルゴノミックストック装備。
X-BOLT PRO LONG RANGE GRS。口径.308WIN/6.5mm Creedmoor。
上から、X-BOLT PRO HUNTER GRADE 5、X-BOLT SF PRO CARBONE HUNTER、X-BOLT PRO LONG RANGE GRS。
KORTH
ドイツの銃器メーカー、KORTH。
PISTOLE PRS 6 ZOLL。口径は.45ACP/9mm、装弾数7発、6"バレル。NIGHTHAWK社と提携しているためか米国市場では見かけないKORTHのオートマチック。
PISTOLE PRS 4 ZOLL。口径は.45ACP/9mm、装弾数7発、4"バレル。カラーアルミ製のグリップパネルが装着されている。
独自のロッキングメカを備える。
SARSILMAZ
トルコの銃器メーカー、SARSILMAZ。
KILINC 2000 LIGHT。口径9mmx19、装弾数17発。金メッキのエングレーブ仕様。
SR 38 4"。口径.38spl、.357Mag。装弾数6発。こちらもオシャレなエングレーブ入り。
Zastava Arms
セルビアの銃器メーカー、Zastava Arms。
M70A。エングレーブモデル。
口径9mmx19、装弾数8発。
EZ9。口径9mmx19、装弾数10/15発。
.40口径モデルのEZ40もある。
CZ999。エングレーブモデル。口径9mmx19、装弾数10/15発。
Anti-materiel Rifle M12 - Black Spear。
口径は12.7x108mmか、.50BMG。装弾数5発。
まとめ
というわけで、長らく紹介してきたドイツIWA 2019。
ヨーロッパの銃器、エアソフト事情を垣間見れ、とても有意義な取材だった。
IWAは欧州マーケットをターゲットとした展示会なので、ラスベガスSHOT SHOWと雰囲気が異なり、よりハンティングやスポーツシューティングを意識した展示が目立っていたと思う。
ハンティング用品もどちらかというと優雅な雰囲気のデザインが多く、その歴史を感じることができた。
これで台北 MOA、ラスベガス SHOT SHOW、ニュルンベルク IWAと、世界三都市での銃器&エアソフト展示会を取材してきたのだが、欧州で言えばずいぶんとエアソフト市場が拡大していると感じた。とくに米国に比べて、アジアのエアソフトメーカーが数多くIWAに出展していたのには驚かされた。
世界的なエアソフトの傾向で言えば、台湾と香港のメーカーが製造した製品が、北米、欧州の輸入販売業者によって品質管理、正規ライセンスを付与されて販売されるという大きな流れがある。日本のメーカーがこの世界的ビジネスにほとんど関与できていないのは残念だ。反対に今後も日本の輸入エアソフトのシェアは拡大していくだろう。
技術面で言えば、電動ガンの電子化はもとより、メーカーやそれを支えるパーツメーカーまで、様々な側面から、エアソフトを進化させているという情熱が感じられる。経営者の高齢化とともに熱量を失って、製品開発が鈍化した日本メーカーとは対照的だ。
海外ではモデルアップも古今東西の実在する銃器に加え、オリジナルデザインやSFモノまで偏りなく作られている印象だ。
そんな中、日本のトイガンメーカーに対する各国メーカーの尊敬の念も多く感じられた。
なにしろ、現在流通している電動ガン、ガスブローバックなどの基本ユニットは東京マルイをはじめとする日本メーカーが開発したものがベースであるし、互換性すらあるものも多い。
海外のエアソフト関係者はみな日本の新商品の動向を注視しており、特に東京マルイ製品の高性能、高品質なエアソフトは、世界のエアソフトの中でも際立っているという認識がある。
ただ、やはり輸出される数が少ないことや、高価なこと、海外のレギュレーションからすると少しパワーが弱いこと、販促といった認知度の面でも、多くの海外ユーザーは台湾、香港製のエアソフトを購入しているのが現状だ。
一方で日本のエアソフトユーザーの意識の高さは世界の中でも最先端を行っているとも感じた。
これは日本の厳しい銃刀法、これまでの事件や規制のなかで、いかに楽しく遊ぶかということを追求してきた結果なのだと思う。総合的に言えば、まだ日本はエアソフト先進国であるとは言えるが、その差はどんどん縮まっている。
そんな中、日本のエアソフトメディアとして、ハイパー道楽が4度に渡り、多くの皆様にご支持頂きベストエアソフトブログ(言語問わず)を受賞し、今回ドイツでの授賞式に参加できたのは大変光栄なことだ。
今後も単なる製品紹介にとどまることなく、世界のエアソフト事情を紹介し、提案できることはし、国内外のトイガン&サバゲーファン、マーケットがさらに拡大する一助になれるよう邁進していきたいと思うので、皆様ぜひとも引き続きハイパー道楽をご愛顧、ご支援頂ければと願う。
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