NBORDE COLT DEFENSE M4A1 3rd トレポン用 カスタムレシーバー
今回はNBORDEから発売された、トレポン用カスタムレシーバー、COLT DEFENSE M4A1のサードモデルを紹介しよう。
トレポンにお熱
ここ数年、トレポンにお熱である。
サバゲーに行くときには必ずトレポンを持っていくようになった。もっともマルイを使わなくなったというワケではない。
先日のチーム定例会では、森林フィールドだったが、トレポンのHK416D NBORDEレシーバー仕様と、マルイのパトリオットM4ハイサイクルカスタムの二丁をメインウエポンとして持っていった。
朝のスタートゲームではBB弾のローディングが面倒で、1200連ドラムマガジンをパトリオットに装着、バリバリとフルオートで撃ちまくる。
これはこれでとても楽しい。数ゲームこなしてからトレポンに持ち替え、セミオート主体で戦う。すると途端にキル数が向上する。
有効射程が異なるのもあるが、トレポンのセミオートのキレの良さや弾道性能が非常に心地よく、しかもゲームへの集中力も高まる気がする。結局その日は最後のゲームまでトレポンを使い倒した。
すでに手元には、M4A1カービン、HK416D、MP5Kと3丁のトレポンがある。なぜこれほどまでにトレポンが良いのか?
圧倒的なリアリティ
私が感じる魅力の一つは、その外観のリアリティがある。マルイのM4系電動ガンは広く知られているようにメカボックスを内蔵するロアレシーバーが実銃に比べて厚く、グリップも太い。
同じマルイでもガスブローバックを所有しているならばその違いが判るだろう。グリップを握った瞬間グッと引き締まった印象がリアルサイズにはある。またトレポンのノッチ感の強いセレクターの感触も実銃に近く、セレクターをセーフからセミにしたときの緊張感と興奮度の高まりはトレポンユーザーだったら共感してもらえるだろう。
もう一つはその性能。今でこそ電子トリガーは当たり前の装備で海外メーカーの電動ガンにも搭載されるようになったし、プリコック機能やアフター電子パーツを組み込むことで、トレポンを上回るレスポンスを実現することは可能になった。ただ、ほかの電子トリガーの電動ガンを撃ってもトレポンとは何かが違う。
ギヤボックスの構造がマルイのバージョン2系メカボックスとは異なり、またメカボックスを支えるレシーバー剛性の違いがその要因だろう。機械としての密度感の違いとも言うべきだろうか。
そしてオートストップ機能はマルイの次世代電動ガンより前から搭載していたし、実銃同様にテイクダウンしてメンテできるのもメリットだ。なにより0.25g弾でのフラットな弾道はフィールドで遠近どの有効射程距離でもヒットできる安心感がある。これはチャンバーやパッキン構造の違いからくるものと言われている。
車にたとえると?
よく、トイガンを同じ大人の趣味として自動車に例えることがある。
「東京マルイのエアガンはいってみればトヨタのカローラみたいなもの。」これは私が言ったのではなく、マルイの広報から雑談交じりに直接聞いた話だ。たしかにマルイの電動ガンはよく飛ぶし、壊れない。とてもコスパのよいエアガンだ。実用面ではなんら申し分ない。この性能のエアガンを多くの人に供給できるのは世界中でマルイしかない。
一方でトレポンは、趣味性の高いフェラーリやポルシェといったスポーツカーに例えられる。高価で多くは作れないが、性能や感性に訴えかける面でのこだわりを徹底的に追求する。
弾道性能だけで言えば、トレポンはマルイ同等以上だといってよいが、これは適正に組まれたトレポンでのみ言えることだ。これまで何丁ものトレポンを撃たしてもらったが、上手く組まれていないトレポン、メンテが行き届いていないものもあった。さらにトレポンは現在もなお日々研究され、バージョンアップしており、新旧モデルを比較すればやはり性能が異なる。
そういった意味では突出した性能を追求し続けたとき、デリケートな面を持ち合わせるというのもまた、車と似ているのかもしれない。
そしてトレポンのこだわりをさらに一段加速させるカスタムパーツがNBORDEのカスタムレシーバーなのだ。
感性工学
自動車メーカーでは「感性工学」や「感性品質」といった言葉が使われる。
人の感性(情緒や感情)に訴えかける部分を追求したモノ作りを指すが、NBORDEのレシーバーにはこの感性に訴えかけるものがあるのだ。
エアガンやサバゲーは基本的に大人の趣味だ。こだわりがないなら安くて良く当たるエアガンは沢山選択肢がある。しかし趣味だからこそ、こだわりたいモノがあるのも確か。どこにお金をかけるかは自分次第だ。
これはトイガンに限らず、車の趣味なら数百万、数千万というお金をかけてでもこだわりたい、実用性だけでは語れない面がある。
リアルさならガスブロが一番という人がいる。それはそれでよいだろう。しかし、弾を発射するエアガンである限り、ゲームで使える実射性能もまたこだわりたい部分と考える。
手触り、撃ち味、操作の感触...トレポンに限らず、これからのエアガンに求められるものは"感性工学"ではないだろうか。
NBORDEのカスタムレシーバー
NBORDEのトレポン用カスタムレシーバーは、第一弾のCOLT DEFENSE M4A1、第二弾のH&K HK416Dと紹介してきた。
そして今回紹介するのはCOLT DEFENSE M4A1のサードモデルだ。第一弾で事細かく実銃写真と比べながら形状のリアルさをレビューしたが、気になる点もあった。
そうした気になる点を修正したのが今回のサードモデル。3Dデータを一から取り直し、新規設計と言ってよいほどにリアルに進化した。
正直なところ、ファーストや、セカンドモデルでも十分だと感じたが、NBORDEのこだわりは留まることを知らず、これぞ究極の趣味だといえる。
実銃のARレシーバーは一般的にインゴットと呼ばれるアルミニウム合金を冷間鍛造しマシニングセンタで削り出して作られる。NBORDEではこのインゴットを取材、3Dスキャンしたデータをもとに、3Dデータ上で形を整えていくという工程で作られている。さすがに玩具の範疇なので、強度的にあえて鍛造ではないが、まさに実銃の製造工程をデータ製作上でおこなっているといってよいだろう。
このインゴットは同じコルト製のレシーバーでも下請けのメーカーが各社あり、微妙に形状が異なる。それらを写真や資料で綿密に調査したうえで再現している。NBORDEのM4レシーバーは米軍に2002年から2013年までに納入された軍用銃器を専門に製造したCOLT DEFENSE社製、鍛造メーカーはCerro Forge社のレシーバーだ。その後、米軍の調達契約はFNアメリカ社も獲得したが、今でもM4カービンの軍用モデルと言えばコルト製レシーバーという根強い人気を誇る。
全体的にバランスの取れたフォルム。ハードアノダイズド仕上げで色調もミリタリーモデルのフレーム色を再現。刻印はもちろん打刻、フォントにもこだわりを持って再現される。
このカスタムレシーバーは航空機などでも使われる超々ジュラルミンのブロックから5軸のマシニングセンタで削り出されている。アッパー右面にはCerro Forgeのキーホールマークのエンボスと、コルトのC打刻がある。
このパーツでアッパーとロアの嵌合を見るとピッタリと噛み合う。この剛性と精度の高さがギアボックスを組み込んだ時の安定感につながり、引き締まった作動音や、高い命中精度につながっている。
事実、M4やHK416はフィールドで「NBORDE入れると静かっすね」とよく言われる。純正レシーバーから確実に雑味が消えた感触になる。
レシーバートップのレイル刻印はレーザーで処理した後にわざわざホワイトを入れている。フォントもいくつかある実銃のフォントタイプを模したものだ。
さらに凄いのはピカティニーレールの底角面に実銃同様に角がアールになった切削を施しているということ。
レシーバー前面にはM4の刻印。ピボットピン、テイクダウンピン部のレシーバー嵌合も素晴らしい。
バレルナットの仕様は1-1/4(1.250inch) x 18tpiとなっている。
ファーストVer.で気になったセレクターストップの突起形状もほぼ実銃同様の形状に修正された。
HRTFORD. CONN.の刻印フォントは上のCOLT DEFENSEよりもう少し長体が掛かっているのが実銃の刻印。例えばDEFENSEのDとHARTFORDのDを比べてみると、同じ縦横比ではなく、わずかに2行目のほうが全体的に長体となっているのがわかる。
マガジンハウジングの刻印はかなり正確。文字数によって長体を使い分けていて、シリアルナンバーの級数も少し小さくしてある。打刻による文字周囲の盛り上がりもリアリティの極みだ。
実銃の刻印はわずかだが、文字間が広く取っている。これは打刻による文字潰れ回避のため。
とくにCARBINEのBIN付近の文字間をみると窮屈さがない。またシリアルナンバーのベースラインに揺らぎがあるのも実銃刻印の特徴。
トリガーガードのa部の形状はファーストVer.に比べてかなりリアルになった。ここは軍用と民間モデルで形状の違いが出やすい部分。b部の段差はもう少し厚みがあっても良いと思う。
こちらが実銃のトリガーガード周り。a部とb部の比較にはレンズや被写体との距離が異なるが、形状の参考にはなるだろう。
トリガーまわりでもうひとつ特筆なのがこの鋳造時の型を色濃く残した部分。バリというか、荒く残ったこの凸凹は一つ一つ職人が手作業で形作っている。なのでNBORDEのM4レシーバー3rdでは一丁ごとにこの模様が異なる。
グリップ上部分のアールも絶妙に成形されている。ここは面取りされているが少し出っ張りが残ったような雰囲気を残す。しかもこの出っ張りは左右で高さが異なる。鋳型から抜きやすいように傾斜が付けられているところまでをも再現しているのには驚いた。
アッパー右側にはコルトのCマーク、Cerro Forgeのキーホールマークのエンボスがある。この2つのマークの間隔はロットによってけっこうバラつきがあり、下の写真のようにCがもう少し後の場合もある。
ロアレシーバーテイクダウンピン横のプランジャー出っ張りは実銃はもう少しダルな感じ。
内部は電動ユニットが入るので、リアルな雰囲気ではあるが実銃とは異なる形状だ。
しかしながらアッパーの筒状構造はマイルのバージョン2系レシーバーより格段に剛性が高く、ロアレシーバーとガッチリ噛み合いつつもテイクダウンできるのでメンテナンス性も高い。
このNBORDE M4A1 カスタムレシーバーの価格は税込み¥146,880円で販売される。価格に見合った性能を有している。
現在流通するトイガン用M4レシーバーとしてはあらゆる面で究極の出来栄えであり、そのM4レシーバー再現にこだわり続けるNBORDEの意欲には畏敬の念さえ抱く。
「神は細部に宿る」とはドイツの建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの言葉だが、まさにこのNBORDEのカスタムレシーバーにも言えるだろう。
NBORDE 公式サイト
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