タナカワークス エアガン M40A1 AIR
実銃のM40A1はアメリカ海兵隊が採用するボルトアクション式の狙撃銃で、米レミントン社が製造する M700がベースとなっている。口径は最もベーシックな7.62mm×51弾をはじめ、様々なバリエーションが存在する。
グアム野外射撃場ワールドガン所有のM700。.308Win(7.62mm×51)弾を使用する。装弾数は5発。
M700は米陸軍でもM24という制式名で採用され、陸上自衛隊でも対人狙撃銃として採用されている。
また、SWATなどの警察特殊部隊などでも採用実績が多く、ボルトアクションライフルのベストセラーだ。
タナカワークス エアガン M40A1 AIR スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
このM700ベースの海兵隊モデルM40A1を日本のトイガンメーカー、タナカワークスがモデルアップ。
モーゼル98k AIRに続くAIRシリーズの第2弾として発売されたM40A1 AIRは新システムを組み込んでの登場となる。それでは実際に各部をみていこう。
レシーバーは金属製。左側面にはModel 700、タナカ、ASGKなどの刻印が入る。
レシーバートップにはピカティニー規格のマウントレールを標準装備。やはりスコープは必須なので便利。
新システムの導入により従来のボルトアクションに比べて格段にボルト後退ストロークが短くなった。
ラックギアを内蔵して短く、非常にスムーズな引きを実現している。
ボルト操作の引きの重さを重量計で測定したところ、参考値ではあるが4.1kg程度。ちなみにマルイのVSR-10は5kg強なのでかなり軽く引けることがわかる。
ボルトハンドルを上げた際のアングルもスコープに干渉しにくいように設計されている。
ボルトストロークは実測で約62.5mm。7.62mm×51弾の全長が約69.9mmなのでそれよりも短い。
特筆すべきなのがマガジンの位置。トリガーガード前にある金属製の蓋がボックスマガジンになっている。実銃はボックスマガジンではないが、このようなマガジンフォロアープレートがあり、形状もリアルに再現されている。また、さらにその先にホップアップの調整ネジがある。
ホップの調整は細身のマイナスドライバーで行う。カチカチとクリック感があり調整はしやすい。反時計回りでホップが強くかかるのだが、目印がないので最初は戸惑った。
トリガーガード内側にマガジンリリースボタンがある。これを押せばボックスマガジンが取り出せる。
マガジンの着脱はとてもスムーズ。マガジン装弾数は27発。スペアマガジンは2,500円(税別)で販売されている。
マガジンへの装填は付属の専用ローダーで行う。M40A1 AIRのマガジンリップは形状的にこのローダーでの装填を前提にしているので、ローダーを紛失しないように注意したい。マルイのBBローダーXLでも試したがかなり装填に引っかかりがあり固かった。
このマガジンは小さいサイズに装弾数27発を実現するためダブルカラム仕様になっており、リップ部分で確実にBB弾を保持するために給弾が少しキツくなっているようだ。
樹脂製のストック。バット部はゴム製で固定されている。ストック表面処理はマット仕上げだが、つるっとしていている。もう少しザラついた質感のほうが好み。
マズル部分。
ストックはアウターバレルとは接しておらずフローティング構造となっている。
トリガーガード前後のネジを外せばレシーバーとストックを分解できる。ネジは六角レンチで取り外し可能。前が3mmで後が4mmとレンチのサイズが違う。六角レンチはパッケージに付属する。トリガーガードは亜鉛ダイキャスト製。
ショートストローク&リアルマガジン位置を実現した新機構。
ボルトを引くとラックギアがギアを回し、連動してマガジン側のラックギアが前進しBB弾をチャンバーへ送る仕組み。
トリガーの調整が可能。Aのネジはトリガーの前方可動距離を調整する。Bのネジはトリガー・スプリングの強弱調整。Cのネジはトリガーとシアー・バーの掛かりを調整する。あまりシアの掛かりを少なくすると少しの衝撃で滑ってしまうので注意。
今回搭載したスコープはサイトロンジャパンのTR-Xコマンダー。3-10倍ズーム、対物レンズ径は42mm、サイドフォーカスダイヤルという仕様。今ではなかなか入手がしにくくなっているようだ。
M700といえばやはりハリスのバイポッドが似合う。写真はノーブランドのレプリカで4,000円程度で入手。実物ならば2万円ちょっとで購入できる。取り付けはスイベルスタッドの穴に金具を挟み込みダイヤル式のネジを締めて固定するだけ。アンダーマウントレール取り付け用のオプションパーツも付属。
実測重量は2,770g。
スコープを搭載することを考えれば程よい重さと言えるだろう。
それでは実射した感想を。
今回は70mまで測定できるヤネックスの屋外シューティングレンジでテストファイアを行った。弾はG&G製のバイオBB弾0.25gを使用。小雨がパラつく環境ではあったものの、かなりの命中精度を見せた。
下の動画を見てもらうとわかるが、30mならばヘッドショット可能なほどに良く、40mのマンターゲットならば上半身に集弾。50mでも狙点を上にとって、銃を傾けないようにすれば無風状態でマンターゲットにヒットできそうな感触だった。まあ、50mだとさすがに威力が低下して弾道もドロップするのでヒットしても気づかれないかもしれないが。
初速は0.2g弾で87m/sと上下差も少なく非常に安定している。
あえて気になる所を言うならばマガジンへのBB弾の装填が専用ローダーで面倒くさいのと、ストックの質感がつるっとし過ぎているので、もう少しザラついた質感でもよかったかなというところか。
とにかくコッキングが楽でスコープを覗いたままでも操作できるのが良いし、なんといっても箱出しノーマルの性能としてはトップクラスの命中精度。おススメのボルトアクションライフルだ。
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