TOPジャパン 電動ガン M16 EBB
と、小芝居から始まった今回のレビューは、TOP JAPANの排莢式電動ガン M16 EBB。
40代以上のベテランゲーマーならば、かつてのブームを知っているだろう。
映画「地獄の黙示録(80)」にはじまり「プラトーン(87)」「ハンバーガー・ヒル(87)」「フルメタル・ジャケット(88)」「カジュアリティーズ(90)」などなど、ベトナム戦争を描いた話題作が次々と公開され、ナム戦装備の放出品も入手しやすい時代だったこともあり、日本全国で一気にベトナム戦争コスプレが盛り上がったのだ。
ODのジャングルファティーグにリーフパターンのスチールヘルメット、コットン製のM1956 LBE個人装備で固め、バックパックを背負い、使用する銃はやはり「M16」である。
米コルト社が開発したM16はそれまでの7.62mm弾から、小口径化された5.56mm×45弾を使用するアサルトライフルとしてベトナム戦争に投入された。小型軽量なM16は小柄な南ベトナム兵にも扱いやすかったという。
TOPジャパン 電動ガン M16 EBB スペック & 初速データ |
全長 |
990mm |
重量 |
2,300g |
銃身長 |
-mm(インナーバレル長) |
装弾数 |
6mmBB弾 20発 +1 |
発射サイクル |
780発/分 前後 |
売価 |
54,800円(税別) |
発売日 |
2012年11月中旬予定 |
バッテリー |
11.1V 850mAhリチウムポリマー |
|
最高 |
81.65m/s |
平均 |
81.11m/s |
最低 |
80.39m/s |
ジュール |
0.658J |
※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温23.5度、湿度43.0%、XCORTECH X3200にて10発で測定。
取扱説明書.PDF (3.38MB) |
さて、今回発売前の量産試作をTOPジャパンさんよりお借りできた。製品版とは仕上げが若干異なったりするそうなのでご承知おきを。
TOPジャパンの排莢式電動ガンシリーズは2011年3月に発売された
M4A1カービンに始まり、その後
MK18 MOD1、KNIGHT'S SR-16 URXⅡ、SR-16 KNIGHT'S CQBなどバリエーションを増やしてきた。またGunsmithバトンからは
HK416 EBBコンプリートカスタムも発売。着実にそのファミリーを広げつつある。
そして今回、ヒストリカルゲーマー垂涎のモデル、
M16 EBBが発売となる。
M16といえばやはりベトナム戦争ごっこ!! アホカリプスなどのリエナクトメントには欠かせないモデルだ。
レシーバーはアルミダイキャスト製で剛性が高い。ロアレシーバーはマガジンキャッチまわりとダストカバー下にリブがなく、つるっとした印象。M16A1ではマグキャッチの誤作動防止と開いたダストカバーを閉めやすくするためのリブが追加されているのだが、これはA1以前の初期M16のロアレシーバーの特徴だ。
アッパーレシーバーはケースディフレクターのないA1タイプ。M4カービンに見慣れているとあの大きな三角のこぶがエジェクションポートにないのはある意味新鮮。そしてボルトフォアードアシストノブはL型。
実銃では閉鎖不良時にボルトキャリア側面に刻まれた溝にラチェットを引っかけつつ押し込むことで手動でボルトを前進・閉鎖する機構だ。
空軍はフォアードアシストノブは不要とし、設計者のユージン・ストーナーも閉鎖不良を起こしているボルトを無理矢理閉鎖すれば暴発などのトラブルを誘発するという意見に対し、陸軍はM1やM14のような手動閉鎖の必要性にこだわった結果だ。
左側面を見るとマガジンハウジングに刻印あり。MODEL 02とあるのでこれはコルト社品名で言うところのM602。
つまりこのTOPのM16は最初期のM601から改良された、陸軍向けのボルトフォアードアシスト付きM602といったところ。陸軍はこれを1963年2月に85,000丁を購入決定、仮正式名称 XM16E1として空挺部隊やグリーンベレーに優先的に配備される。XM16E1は1965年12月に68,000丁が追加発注された。ホントはXM16E1の刻印がいいのだけどね。
アッパーとロアレシーバーに少し隙間があるが製品版ではさらに勘合を高めるとのこと。
フラッシュハイダーは三つ叉のいわゆるチューリップハイダー。素材はスチール製。M14正ネジ仕様。逆ネジではなくて正ネジ仕様。まあ、あえてM16にサイレンサーを付ける人はいないと思うけど...。
この三つ叉がジャングルで引っかかって兵士に不評だったため、M16A1(M603)ではバードケージタイプのフラッシュハイダーに変更されたのは有名な話。
ハンドガードは樹脂製で断面が三角のタイプ。左右分割で取り外せる。フロントサイトピンは旧型の断面丸形。
ハンドガードの内側にはアルミの放熱板も再現。
アルミ製のアウターバレルは細身だがレシーバーとの接合はガッチリしており剛性感バツグン。ガスチューブもリアルに再現。
実銃はフロントサイトポストから発射ガスをこのチューブで導き、ボルトキャリアに吹き当てて作動させるリュングマン方式と呼ばれる作動方式を採用する。この方式はM4カービンでも変わっていない。
可変ホップアップ機構を搭載。
調節ダイアルはバレル根元の下側にある。
バレルナットもリアルに再現。
グリップもフィンガーチャンネルのない旧タイプ。モーターが内蔵するだけあってかなり角張っている。特にグリップ前面は角張が大きい。製品版ではトリガーガード底面にASGKの刻印が入るそう。
マガジンはスチールプレス製でリアルカウント20連。このストレートな20連マガジンを待ち望んでいたユーザーも多いのでは。
仕上げの異なる3種のマガジンをお借りしたが、どうやらこのパーカーグレーのマット仕上げが製品版として付属する模様。
なおマガジン7本を収納可能なバンダリアも1200円(税別)で発売する。
実物バンダリアは現在では入手困難なのでこれは嬉しい。
マガジンにカートを込めてヘルメットでコンコンと叩くと気分が盛り上がってくる!!
これは弾がマガジン内で詰まらない様にするための所作。
カート後ろ側をそろえる様にするのが良いみたい。ベトナム戦争映画でもよく見られるシーンだ。チョッパーでの移動中にやるとさらに盛り上がる。
金色のカートが詰まった20連のスチールマガジンをレシーバーに押し込む。
ガシャコンッ!! リアルな金属音が響く。ワイルドだぜ~!!
キャリングハンドルにL型リアサイト。
右側のダイヤルを回せば左右に調整可能だ。
チャージングハンドルを引くとピストンがコッキングされスイッチが入る。そしてトリガーを引くとシアが落ちて弾が発射される。
電池が入っていなくてもこの動作で弾を発射できる仕組み。
ストックはM16A2よりも1.5cmほど短い。バットプレートは黒いゴム製。バッテリー交換はバットプレートのマイナスネジを取り外して行う。
スリングスイベルが旧型ではないのがちょっと残念。
参考までに上が旧型の実物ストック。スリングスイベルが可動する様になっている。
なお、M16もナイロンケース(ウレタンクッション付き!!)が付属する。
バッテリーは従来のシリーズ共通11.1V 850mAh 3セルのリポバッテリーを使用するほか、M16用に11.1V 1000mAh 3Sのリポバッテリーも4,200円(税別)で同時発売する。
空のマガジン、850mAhのバッテリーを含めての実測重量は2,650g。取説記載の公称値よりもずいぶん重量が増している。
マガジンを装填したらチャージングハンドルを引く。
このとき「ロッケンロール!!」と内田裕也張りに叫ぶのが正式なお作法。
エジェクションポートから見える金色のカートがそそる。
そしてカートがチャキリンとチャンバーへ押し込まれ、ボルトがジャキンと前進する音がたまらんのです。
セレクターをセミオートにしてトリガーを静かに引く。シャコンっ! BB弾が発射され同時にカートが排出。
くーっ!! リアル過ぎる。リコイルはほとんど無いが、このアクションによって撃ってる感は非常に高まる。
そして恐ろしいほどにジャムらない。初期のM4A1カービンに比べてかなり作動性が安定している。
男ウエハラヒロシがナム戦コスで解説!! スーパースローによるM16 EBB実射動画をどうぞ。
実射した感想はかなり動作性が向上しており、カートの排出が安定してジャムが少なくなっている。
初速は80m/sちょっと。サバゲーにも使える初速だ。カートへのBB弾の込め方にもよるが10発に1発程度、ドロップ気味に低初速で発射されることがあったが、カート式としてはかなり安定していると言える。
弾道も可変ホップでまずまず安定。
やはり、このM16 EBBはベトナム戦争ごっこを前提としたモデル。
80年代後半、あの頃の思い出に浸りながら部屋撃ちするもよし、リエナクトメントゲームでバリバリ薬莢を排出しまくるもよし、排莢式電動ガンのワンメイクゲームを楽しむのもよし。コレクションにもこの上ない所有感を味わえる。
また、あえてTOPの排莢式でスピードシューティングマッチに参加する強者もいる。ジャムをクリアしながらのコース攻略にギャラリーから拍手と歓声が上がることも。
もちろんオジサマだけでなく、若いユーザーにも楽しんでもらいたいオススメのモデルだ。
2012/10/27
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