東京マルイ 電動ガン P-90 バージョン・レン
東京マルイからアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」(以下GGO)とのコラボレーションモデル「P-90 バージョン・レン」が、完全限定生産で発売される。今回はその製品版を発売前にメーカーよりお借りできたので、40mでの実射レビューも含めて紹介しよう。
アニメの中では、仮想空間内でスクワッド・ジャムと呼ばれる戦闘が繰り広げられる。主人公アバターの少女、レンの愛銃がピンクのP-90で、レンは「ピーちゃん」と愛称で呼んでいる。
このピーちゃんを東京マルイが完全再現、しかも原作・時雨沢恵一先生と銃器設定協力・秋本こうじ先生監修によるこだわりぶりだ。
これまでも海外製のピンクっぽいP-90や、ショップレベルのペイントカスタムは存在したが、あくまでそれは既存品ベースであり、カラーが異なるものだったが、東京マルイはアニメとの完全コラボによるファクトリーモデルということで、これぞ真の「ピーちゃん」といった仕上がりとなっている。
東京マルイのP-90は2001年4月に発売され、2002年4月に三面レールとサイレンサー標準装備のTRが発売、2006年9月にはベーシックモデルのP-90が各部リファインされてリニューアル。2012年6月にはハイサイクル電動ガンのPS90 HCが発売されラインアップを構築している。
今回発売のP-90 バージョン・レンはスタンダード電動ガンのP-90がベースとなる。
レシーバーは専用ピンクカラーの成型色と塗装により劇中の質感を再現している。
パッケージはこの製品の為に特別に描き下ろされたイラストが使用されている。
パッケージ内部もピンク迷彩が敷かれていてスペシャルな雰囲気。これはテンション上がる。
さらに説明書下には時雨沢先生書き下ろしの小説も同梱する。
スペック & 初速データ | |||||||||||||||||||||||
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ベルギーの銃器メーカーFN社の開発したP-90は機関部がトリガー後方にレイアウトされたブルパップ式を採用。全長をコンパクトに抑えながら長いバレルを装備できるというメリットがある。
P-90の弾薬は5.7mmx28という独自の小型弾薬を使用する。FN社のオートマチック拳銃のFive-seveNと共通の弾薬で、パーソナルディフェンスウエポン(PDW)用として開発された。
キャリングハンドル上部にはドットサイトが標準装備。
ドットサイトは付属のレンチで上下左右に調整可能。またキャリングハンドル右側にはマウントレールも備えるのでライトモジュールなどを装着できる。
ドットサイトの輝度は2段階調整。キャリングハンドル下のスイッチでオン/オフを切り替える。
ドットサイトは炎天下の屋外でも十分識別できる。ただ、レンズ径が小さいのでドットを見失わないように注意。ドットサイト左右のキャリングハンドルにはアイアンサイトも備える。
ドットサイトは単四電池を2本使用する。前面の矢印部分を押してバッテリーボックスの蓋を開ける。
独特の形状のグリップ。トリガーガードはサポートハンドでホールドするフォアグリップの役目もする。
セミオートでのトリガープルは約1.65kg。フルオートだと2kgを超え、少々重く感じる。
スラントカットされた金属製のフラッシュハイダーを装備。コッキングハンドルはダミーながら可動する。
フラッシュハイダーの底面のイモネジを緩めればハイダーを取り外すことができる。M14逆ネジ仕様になっているので、各種対応サイレンサーを装着可能だ。ただし、上面に切り欠きのある特殊なネジ形状なので、真っすぐ正しく装着するように気を付けよう。
P-90といえば、このサイレンサー(トレーサー)を装着したスタイルも魅力的。サイレンサーもピンクに塗装したいところだ。
セレクターはトリガーのすぐ下。トリガーフィンガーで操作できるので便利だ。
また、Aのフルオートポジションでは浅く引けばセミオート、長く引くとフルオート射撃できるようになっている。P-90は左利きでも同じように操作できるよう設計されているのも特徴だ。
ストック底部には実銃で言うところのエジェクションポートがある。電動ガンなのでもちろんダミー。
マガジンも薄いピンク色で、アニメを忠実に再現している。
しかもハーフシースルーで内部の5.7mmx28弾ダミーカートは弾頭先端部が黒く塗られたSS190のAP(アーマーピアシング)弾仕様、いわゆるブラックチップの徹甲弾だ。
マガジン装弾数は68発。裏側からもダミーカートが見える。チャンバー上部の円柱部には90度回転途中のダミーカートも再現されていて芸が細かい。また、このバージョン・レンのピンクマガジンは従来モデルに比べ装填されているBB弾を視認しやすくなっているのも嬉しい。
マガジンをレシーバー上部にセットする構造上、チャンバー給弾口も上向きになっている。
マガジンを取り外すには矢印のボタンを両側から押す。
パッケージにはマガジン2本と、ピンクのBBローダーも同梱される。
チャンバー前にあるロックボタンを押すと、レシーバーを分解できる。メンテナンスやコンパクトに持ち運ぶのに便利だ。
レシーバー底部のふたを開ければ可変ホップアップの調節ダイヤルにアクセスできる。
ブルパップ式なのでストック内にメカユニットが内蔵される。ストック下部にはスリングホールがある。
バットプレート下部のロックボタンを押してプレートをスライドしながら取り外す。ストック内にミニSバッテリーを収納する。今回はマルイ純正のニッケル水素バッテリー8.4Vを使用して実射テストを行った。
構えた印象は非常にコンパクト。重量も2.2kgと軽量で、小柄な女性にも無理なく扱えるだろう。
実射テスト
今回もビレッジ2のシューティングレンジにて30m、40mの実射を行った。弾は東京マルイ製ベアリングバイオ0.2gと0.25g弾だ。
実射してみると、純正バッテリーでもスタッスタッと非常に切れが良い射撃感。
スタンダード電動ガンながら、初速は87m/s、回転数は1057rpmと非常に高性能かつ安定している。
弾道性能も0.2g、0.25gいずれも30mでA3プレート必中、40mでもマンターゲット上半身にビシバシ当てられるほどの命中精度を見せた。
そのコンパクトさを活かしてサバゲのアタッカーウエポンとして十分活躍できる性能と言えよう。
また、ブルパップモデルにありがちなトリガーロック現象は本テスト中一度も発生しなかった。
P-90使いとして押さえておきたい3つのポイント
P-90は未来感あふれるその独特のスタイルから、初心者層を中心に人気を誇るモデルだ。
しかし、そのデザインがゆえ、扱いに慣れが必要なモデルでもあるので真のP-90使いになるなら知っておく必要があるだろう。
まず第一にブルパップであるため、フロントが軽く重心がストック側にあり、またグリップアングルも寝ているので、素早く構えた時に銃口が上へ向きやすいという点が挙げられる。
初心者ゲーマーのP-90使いで戦闘の緊張から思いっきり敵の頭上を撃ち上げてしまっている光景をよく見かけるので、狙った位置にビシッと照準を合わせられるように練習しておきたい。
第二に、他の電動ガンに比べてトリガーがやや重いことが挙げられる。コンベンショナルなアサルトライフルとは異なり、ストレートプルのトリガーなので、慣れないと引きづらく感じるかもしれない。
やはりこれも練習射撃を繰り返して、どの位置でトリガーが切れるかをつかんでおくのが良いだろう。
第三に、マガジン交換に手間がかかるという点。細長いマガジンをレシーバー上部へセットする方式、マグキャッチの位置など、もともとの銃がパーソナルディフェンスを想定して設計されているため、マガジンチェンジに重きを置かれていない。しかし、電動ガンでは装弾数300連のオプションマガジンがあるので、本気で勝ちに行くならばこのオプションマガジンを使うのが良いだろう。
これらの点についてあらかじめ知っておけばP-90使いとして、どのような戦況においてもスクワッド・ジャムを制することができるだろう。
軽量、コンパクトさを活かして機敏に動き回り、敵の側面や背後をついて一撃を浴びせる。まさにレンになりきってフルダイブするには必須の一丁だ。
原作者監修による正確なカラーで再現された決定版、「P-90 バージョン・レン」は完全限定モデル。フィールドでも注目を浴びることは間違いない。
撮影協力:東京マルイ、ビレッジ2
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