東京マルイ ガスガン グロック17 Gen.4

東京マルイ ガスガン グロック17 Gen.4

東京マルイから2020年5月に発売されたガスブローバックハンドガン、グロック17 Gen.4をレビュー。

実銃のグロック17はオーストリアのグロック社が開発したポリマーフレームピストルだ。1982年に9mm × 19弾を使用する最初のモデル、グロック17が発表された。この17という数字の意味は17発の装弾数と、グロック社の17つパテントから由来すると言われている。

当時としては先進的なエンジニアリングプラスチックをフレームに採用し、軽量かつ耐熱性にも優れ、9mm以外にも.40口径、.45口径、.380ACP、.22LRなど、様々な口径・サイズを展開、多くの国の警察、軍隊で使用されているほか、射撃競技、セルフディフェンスにも幅広く使用され、ポリマーフレームオートピストルの先駆けともなったハンドガンがグロック17だ。

日本でも自衛隊の新拳銃候補としてトライアルされており、惜しくも新9mm拳銃の座はドイツH&K社のSFP9に譲ったものの、その武骨でシンプルなデザインは世界中で人気のベストセラーモデルと言っていいだろう。

実銃カッタウェイ

グロックは世代(以下Genと略す)という概念でバージョンアップを繰り返しており、1982年のGen1から始まり、Gen2(1988)、Gen3(1998)と進化して、2009年にはGen4が発表される。そして2017年には最新世代のGen5、2018年には米軍トライアルの19XやダイレクトオプティックマウントシステムのMOSなど、進化を続けている。ちなみにGen4は「ジェンフォー」と米国では発音する。

サイドビュー左
東京マルイはこれまでもガスブローバックガンでグロックを発売してきた。最初のモデルは2000年発売のグロック26で、フルサイズの17、フルオートモデルの18C、ロングスライドの34、.40口径モデルの22、コンパクトの19と、数多くのグロックを展開している。

サイドビュー右
今回マルイが今回モデルアップしたのはフルサイズのグロック17 Gen.4。マルイのグロックは長らくGen.3形状をモデルアップしていたが、ついに世代が一つ進み、Gen.4となった。これまでのグロックとの違いも含めてレビューしていこう。


パッケージ。ブラックで統一され、特徴的なスクエアドットのテクスチャをモチーフにしている。パッケージサイズは横33 x 縦20 x 厚6cm。

パッケージ内容
パッケージ内容。本体、マガジン、バックストラップショート(M/L)、バックストラップロング(M/L)、バックストラップ用治具、バックストラップ用バックストラップピン、保護キャップ、取扱い注意・説明書、注文書、クリーニングロッド、BB弾少々。

サイズ比較
左からサブコンパクトの26、コンパクトの19、フルサイズの17 Gen.4、.40口径の22、コンペティションの34、フルオートの18C。これすべてマルイのガスブロ。他にもウチには外観の原型をとどめなくなったグロック17カスタムやレースガンなどもある。

実銃採寸
実銃採寸となったことで、フロント周りがややスリムになった印象のグロック17 Gen.4。リアルサイズとなったことで、各種実銃用ホルスターにピッタリと収まるようになった。

グロック19 Gen.3と同系列のユニット
基本構造は直近に発売されたグロック19 Gen.3と同系列のユニットを採用している。直径15mm径のシリンダー採用でスピード感のあるブローバックが楽しめる。

フロントサイト
フロントサイトはG19でも採用された新型タイプ。ホワイトドットは爪で少し擦ってみたが、19のものより強固になっていて改善されたようだ。スライドカバープレートは樹脂製の別パーツ。

チャンバー横のエキストラクター
チャンバー横のエキストラクターは金属製の別パーツ。チャンバー側面のナンバリングはグロック19とは異なる。

リコイルスプリングガイド
リコイルスプリングガイドがGen.3に比べて大型化している。

ホールドオープン
ホールドオープン。アウターバレルはグレーに塗装処理されていてリアルな雰囲気。

可変ホップアップの調節
可変ホップアップの調節はスライドを引いてチャンバー横のダイヤルで出来るようになっている。またスライドを取り外しても調節可能だ。

トリガー
セフティ機能を備えた樹脂製トリガー。従来よりも少しトリガープルが軽くなって、切れも向上したように感じた。トリガーはコッキングインジケーターも兼ねており、コックされているとトリガーが前進した位置で停止する。マガジンキャッチは大型化され押しやすくなっており、また左右入れ替えて左利きにも対応できるようになっている。

アンダーマウントレイル
アンダーマウントレイル下のシリアルナンバープレートがマニュアルセフティとなっている。コッキング時のみオンにでき、ライトなどを取り付けると操作できなくなるので、サバゲー時のセーフティなどではマガジンを抜いてチャンバークリアし、ハンマーを落としておけば安全だろう。

グリップ
見た目で大きく変わったグリップ。まず滑り止めが細かい四角いドットのテクスチャに変更された。グリップ背面に付属のバックストラップを装着できるようになり、グリップサイズを好みで変更できるようになった。

Gen.3のグロック22と比較
Gen.3のグロック22とのグリップ比較。握り心地は好みもあるが、個人的にはよりグリップが効いて握り易くなったと感じる。

グリップ前面
グリップ前面のテクスチャも同様に変更。マグウェル部の半円状の切り欠きはなくなった。

トリガーガード前面
トリガーガード前面のテクスチャも変更。トリガーガード下には正方形のわずかな窪みまで再現されている。

バックストラップ
バックストラップはビーバーテイル有り無し、各M/Lの4種類が付属する。ランヤード用の穴もすべてある。

バックストラップの取り付け
バックストラップの取り付けはマガジンを抜き、付属の工具を使ってグリップのピンを抜く。しかし、このピンが非常に硬く、付属工具がプラ製で柔らかいので難儀する。

矢印のボタンを押しながら
続いて矢印のボタンを押しながら好みのバックストラップ下側を引っ掛ける。

バックストラップ
バックストラップの上側をピッタリ押し付けて、付属の長いピンで留めれば完成。ただ、やはりピンの挿入が固く、金属製ピンポンチやプラハンマーがあったほうが良いだろう。実銃がそうなので仕方ないが、他のポリマーフレームピストルのバックストラップ交換に比べてかなり面倒くさい。

スライドを分解
スライドを分解。スライドストップのノッチには金属製のインナーパーツで補強されている。ちなみにグロック19のスライド&フレームと互換性はない。無理くり付けようとすると外れなくなるので注意。

アウターバレルは樹脂製
アウターバレルは樹脂製、グレーの塗装仕上げ、リコイルスプリングは実銃のGen.4でも採用されるダブルスプリング方式を再現するなど内部パーツにもこだわりが感じられる。

マガジン
マガジンは亜鉛ダイキャスト製で装弾数25発。グロック22から新しくなった両側にキャッチの切り欠きがあるタイプだ。

マガジン単体の重量は284g
マガジン単体の重量は284g。なお、従来のグロック17用マガジンや50連マガジンも使用できる。

実測重量は712g
本体+マガジンの実測重量は712gだ。

リアサイトを固定しているネジ
スライドを取り外し、リアサイトを固定しているネジを取り外すと、別売のマイクロプロサイト用のマウントを搭載できる。

マイクロプロサイト
ダイレクトマウント
これでマルイのマイクロプロサイトを載せることができるのだが、後ろ側がハミ出して実にカッコ悪い。実銃のMOSのようにダイレクトマウントを再現して欲しいところだが、内部ユニットを圧迫するので難しいのかも。

SUREFIREのX300を装着
アンダーマウントレイルにはウエポンライトなどが装着可能。SUREFIREのX300を装着してみた。

実射テスト

30度を超える夏日の発売日、千葉県の東京サバゲパークにて実射テストを行った。
東京マルイの0.2gバイオ弾を使用して、距離20mなら超絶フラットな弾道で、Eタイプ シルエットの10インチサークルに余裕で集弾、30mでは最後にやや落ち気味に着弾するが、マンシルエットに確実に当てられる性能を見せた。
初速は気温が高いこともあって、約80m/sと高めの測定。後日室内で別の個体を計ってみたところ、室温24℃で74m/s程度だった。
従来のグロック22の性能も十分だと思っていたが、撃ち比べた感触は、同じマガジンを使用してもGen.4のほうが確実にリコイルがより鋭く、より重くなっていることが体感できる。これは凄い!!

全体的にリアルサイズになったことで、実銃ホルスターに対応し、グリップの握り心地、フィット感も抜群。内部ユニットも進化してリコイルも切れとスピードが増した。命中精度、弾道性能も申し分なく、ハッキリ言ってガスブローバックハンドガンに悩んだら、このグロック17 Gen.4を買っておけば間違いない。
文句なく最高性能のベストスタンダード グロックだと言える。Gen.3を使っているユーザーも買い換えて損はない。マルイのグロック全部買っている筆者が言うのも説得力ないが、とにかくこれは絶対買いの一丁!!

スペック & 初速


全長 202mm
重量 709g
銃身長 97mm(インナーバレル長)
装弾数 25発
価格 16,800円(税別)
発売日 2020年5月28日
動力源 リキッドチャージ式ガス
初速 最高:80.64m/s
平均:79.59m/s
最低:77.92m/s
ジュール:0.633J

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、屋外10発での測定、気温32.9度、湿度40%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。

協力:フライングスクワッド、FIRST、東京サバゲパーク

2020/06/05

■関連リンク

東京マルイ ガスガン グロック19 東京マルイ ガスガン グロック19

東京マルイ ガスガン グロック34 東京マルイ ガスガン グロック34

グロック17 Gen5 実銃レポート グロック17 Gen5 実銃レポート

東京マルイ ガスガン V10 ウルトラコンパクト 東京マルイ ガスガン V10 ウルトラコンパクト