実銃レポート撮って出し! GLOCK 17 Gen5
Photo by Takahiro Soyama / Text by Takeo Ishii
最新!! グロックの第5世代モデル
2017年秋、グロックの第5世代モデル「Gen5」のG17とG19がまさしく「電撃的に」リリースされました。
結果的にはSIG SAUER P320の勝利に終わった「米陸軍次期制式拳銃=U.S.M-17トライアル」でしたが、そのSIG と最後まで“がっぷり四つ”の大決勝戦を演じたグロックは、つい昨年もFBIに「Mモデル」としてやや仕様変更を加えたG17が採用されるなど、その実績・実力は誰もが認めるところでしたので、いずれトライアルで加えられた様々な改良や工夫が反映された次世代モデルが登場するだろう、とは誰もが予想しておりましたが、我々が思っていたよりもずっと早いタイミングで市場に登場し、ちょっと焦ってしまった次第です。
グアム島を訪れる日本からの観光客数こそバブル最盛期の「115万人/年」から約半分の「65万人/年」にまで落ち込んだとはいえ、私共CQB GUAMのような実弾射撃ビジネスは熱心なファンの皆様に支えられ、他のビジネスよりはずっと好調な、そして安定した業績を上げさせて頂いております。
<雨の中でG19 Gen2を撃つ>
私共CQB GUAMは“ただ実銃を数多く揃えている”というだけでなく、どう撃って頂くのがその銃を一番輝かせるのか? どう遊んで頂くのが一番楽しいのか? という「エキサイティングな実弾射撃体験」にこそ最も重きを置いており、またそれゆえに大勢のお客様からのご支持を頂いている、という自負があります。
グロックにしてもG17、G19、G26、G34の「主要4サイズ」と、9mm、.40SW、.45ACPのメイン3弾薬をコンプリート。さらに従来の「Gen3」だけでなく「Gen4」についてもグアムの観光射撃場としては最速で導入して来た実績があります。
そしてこの「G17 Gen5」についても一般市場向けリリースされた瞬間に注文を入れ、もちろん「グアム最速の入荷」を果たしました♪
それではさっそく、Taka撮影の精細な写真でご覧頂きましょう。全体の仕様としては「基本的にGen4の仕様を踏襲」とされているようですが、細かく見て行くとだいぶ違います。
<DATA>
全長: | 202mm |
全幅: | 34mm |
全高: | 156mm |
銃身長: | 114mm(4.49インチ) |
使用弾薬: | 9×19mm |
装弾数: | 17+1発 |
重量: | 716g(フル装填時911g) |
スライド前方の銃口付近は「G26」や「G34」のようにベヴェル(角)を多めに取ることで丸くされました。特にポリスワークでは意外によくある状況だというリホルスター(=抜いた銃をホルスターに戻す)動作がラクになりそうですね。
銃身はライフリングが大幅に変更された「グロック・マークスマンバレル(GMB)」へと換装され、命中精度がより高くなっているそうです。また発射後の銃弾に残るライフルマーク(=旋状痕)による銃の特定を敢えてし易くした、という説もあるようです。
スライドリリースレバーのアンビデクストラウス(=左右両利き)化はU.S.M-17トライアルの要求仕様を受けての変更でしょう。ただしGen3やGen4用に購入した樹脂製ホルスターの互換性がなくなる、という不満の声もチラホラあるようです。
トリガーやマグリリースの形状、そして左右入れ替え可能な機能などはGen4のままです。ロックピンがトリガーに通っている1つだけになったのだけで随分とスッキリした印象がありますね。
Gen3から導入されて以来、あまり評判が良いとは言えなかったグリップのフィンガーグルーブは除去され、スッキリしました。細かいブロック状の滑り止めテクスチャーパターンはGen4と同じです。またマグウェルがフレア状に拡大され弾倉交換が容易になりました。マガジンベースも改良され、叩き込む際に手の平の肉を挟んで痛い思いをする「事故」も起きにくくなっているようです。
樹脂製のマガジンフォロアーがオレンジの成型色となり、空になった際の視認性が向上しています。エクストラクターもやや大型化されて耐久性が上がっていると同時に、チェンバー・ローディング・インジケーターとしても「より明確に判るようになった」との事です。
「ぶつけても変形しないよう金属化」がここ10年ほど、世界中のユーザーから要望されているサイトですが、Gen5になってからも樹脂製のままです。少しでも価格を抑えて販売するためには仕方のない事なのでしょうか。
スライドを外す手順は従来通りで、とても簡単です。
銃身、及びスライド表面の仕上げが「nDLCフィニッシュ」と呼ばれる新コーティングに変更されたそうですが、外観上はGen4とほぼ変化ありません。Gen3と比べるとやや明るい色に見える気もします。2重になったリコイルスプリングはGen4と同じで、強装弾にも耐える仕様です。
上から「Gen4/G34」、「Gen3/G17」、そして「Gen5/G17」の順で並んだスライドです。グロックを長く使っている上で定期交換が必要になるのがリコイルスプリングとファイヤリング・ピン・ブロック(Gen3とGen4では円く見えます)なのですが、Gen3→Gen4→Gen5と世代を経る毎に改良されているようです。
上が「Gen4/G34」で、下が「Gen5/G17」のフレーム側です。バレル基部ブロックの形状や大きさのほか、スライドと噛み合うレールの位置や形状、アンビのスライドスリリースレバー、そしてテイクダウンレバーを押し上げている板バネがコイルスプリングに変更されている等、かなり多岐にわたる仕様変更がなされています。
テイクダウンレバーとトリガーピンの位置関係がGen4とGen5では異なっています。Gen5からは内部パーツの多くがG19と共用になっているようで、これもU.S.M-17トライアルに盛り込まれていた要求仕様と思われます。因みにFBIに採用された「Gen4 G17M」もこのようになっていました。
<ちょっとカスタムしたG34 Gen3を撃つ>
■2017/11/18 射撃動画追加
G17 Gen5第2弾として、野外レンジでの取り扱いや実射シーンも含めたTakaの実射インプレッションをお届けします。
制作協力:CQBグアム
石井 健夫(いしい たけお) CQB GUA/ジャパンサービス部 代表 1967年12月、東京都生まれ。 |
ソヤマ タカヒロ CQB GUAM/WEBマーケティング担当 兼 実弾射撃サブコーディネーター 1964年9月、神奈川県生まれ。 |
■関連リンク
グアム実弾射撃 2017
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ハワイから実銃レビュー マークワン