SYSTEMA 電動ガン PTW89

SYSTEMA 電動ガン PTW89

以前レビューしたシステマのPTW89が2019年7月、遂に発売となった。
今回、システマ社より市販バージョンのPTW89をお借りできたので、実射テストを交えてレビューしよう。

パッケージ
艶消しの白を基調とし、89の文字と日の丸をイメージした美しいパッケージデザイン。パッケージサイズは110.5 x 33 x 11cm。

パッケージ内容
パッケージを開けると、ラッピングシートに包まれたPTW89が現れる。パッケージ内容はPTW89本体、マガジン、BBローダー、ホップアップ調整ツール、価格表やパーツリストのPDFが入ったデータディスクとBB弾少々。

重量感と剛性感
取り出して構えてみると、そのずっしりとした重量感と剛性感に驚く。バッテリーを除く実測重量は4,160gだった。

ダークグレー仕上げ
全体的に黒味の強いダークグレー仕上げ。アッパーレシーバーには89と日の丸のプリントが入る。

アッパーレシーバーはアルミ製
アッパーレシーバーはアルミ製、ロアレシーバーはスチールプレス加工によるもの。

セレクター
セレクターは左右から操作できるアンビタイプ。クリック感も明確で節度がある。電子制御の3バースト射撃も可能だ。
また残弾が0になると自動的にユニットが停止するオートストップ機構がある。ストップの解除操作は必要なく、弾の入ったマガジンを再装填すれば再び撃てるようになる仕組み。

アルミ製ハンドガード
M-LOKに対応したアルミ製ハンドガードが標準装備される。トップレイルはレシーバー上面まで続いていて光学照準器を搭載するのに便利。

M-LOKのスロット
ハンドガード下面にもM-LOKのスロットがある。また、前後には短いレイルがある。

ガスチューブ
ハンドガードを取り外すと、ガスチューブもリアルに再現されている。
このレイルハンドガードは左右、トップレイル、ボトムレイル2個のパーツによる5ピース構造になっている。アウターバレル、ガスブロック&フロントサイトベースはスチール製。
ちなみに、マルイの89式GBB用ハンドガードが取り付けられるか試したが、フロント内側の固定爪が上手く勘合せず、そのままでは取り付けられなかった。マルイの89式の二脚は取り付けできた。

薬莢受け固定ベース
レシーバートップには薬莢受け固定ベースも再現されている。

スコープを搭載
スコープを搭載してみる。照門が干渉しない高さのマウントを選択するのがポイント。

消炎制退器
消炎制退器はスチール製。ダブルナット方式で固定されており、取り外すとM14逆ネジ仕様となる。

規整子
規整子もスチール製だが、位置を示す小穴は再現されていない。

照門
照門は実銃同様に左ダイヤルを回してエレベーション、右ダイヤルでウインデージ調整できる。

槓桿
槓桿は写真の位置まで引くことができる。ただし、マガジンを挿していると引くことはできない。

ダストカバー
ダストカバーも可動する。

握把
握把はマルイのGBBに比べるとわずかに薄く、前後に長く感じる。電動ガンなので内部には専用の7511型KUMIモーターが内蔵される。

引金
引金はダイキャスト製で、PTW M4に比べるとわずかにストロークが長く、トリガープルは900g程度と重めのセッティング。もちろん電子制御トリガーなので、連射は容易だ。

固定銃床
樹脂製の固定銃床。バットプレートはゴム製。左側にのみスリングスイベルがある。

キャストオフ
実銃同様にキャストオフした右構えに特化した形状。

バットプレート
バットプレートをぐりぐりっと取り外して内部にバッテリーをセットする。

バッテリー
バッテリーは11.1v 1400mAh 25Cのリポバッテリー。コネクターはミニT字。

マガジン
マガジン装弾数は120発。スチールプレスのアウターシェル。底部にはSYSTEMAの刻印。サイズ的にはM4系と互換性があるが、PTW89専用品は給弾を確実にするためにスプリングテンションが強めに設定されている。

可変ホップアップの調節ネジ
可変ホップアップの調節ネジはM4系同様にチャンバーの下にあり、付属のレンチで調整する。微妙にマガジンハウジングに隠れているのでレンチがまっすぐ差し込めず調整しにくいのだが、0.25g弾しか使わないので、一度調整してしまえばあまり使用する頻度は少ないだろう。

テイクダウンラッチ
アッパーレシーバーのテイクダウンラッチを押し込めば実銃同様にテイクダウン可能。

分解
こんな感じに分解できる。テイクダウンした状態ではボルトキャッチのスプリングが飛びやすいので、この状態で操作しないよう注意が必要だ。

シリンダー
シリンダーは簡単に抜ける。チャンバーはホップの突起がレシーバーにあたり、そのまま真っ直ぐには抜けなかった。槓桿を引きつつ、チャンバーを回転させながら突起を避けて抜くそうだ。

シリンダーノズル
シリンダーノズルはオフセットしている。

実射テスト

実射テスト
実射テスト。0.25g弾が推奨とのことなので、今回は東京マルイのベアリングバイオ0.25g弾のみでテストを行った。
完全箱出し状態から2マグほど撃ち、少し慣らしつつホップ調整する。
最初は若干ホップが不安定だったが、その後徐々に安定していく。
初速は0.25g弾で平均81m/sほど。0.2g弾でも初速測定したが、概ね平均90m/sに設定されている。

ビレッジ1のシューティングレンジで30m、40m、50mのマンターゲットを撃つ。
30mではヘッドショット可能なほどにまとまり、40mでもマンターゲット上半身に余裕でヒット、50mでもマンターゲット上半身を積極的に狙っていける精度がある。

動画だと40~50mを一画面に圧縮しているので、わずかな弾道の浮き沈みが強調されて写るが、肉眼やスコープを通して見ていると驚くべき低進弾道でターゲットに到達する。これぞトレポンの真骨頂といったところだ。

3バーストやフルオートでありがちな上下の弾道の乱れもなく、安定した弾筋となって同じように飛んでいく。これがショップカスタムでもなんでもなく、メーカー出荷のノーマル電動ガンだというのだから驚きだ。



総評

総評
PTWらしい素晴らしい弾道性能と、安定した動作。M-LOKレイルハンドガードにより拡張性も高い。もし89式小銃が改修されたらこんなスタイルになるのだろうというワクワクした気持ちにさせられる。
非の打ち所がないほどに完成度の高いPTW89だが、あえて気になる点を言うならば4.2kgとちょっと重いことくらいだろうか。あとはマガジンの抜き差しがとても渋かったが、これは給弾を確実にするためで、使っているうちにある程度は馴染んでくるだろう。値段がお高いので誰もが気軽に購入できるというものではないが、この撃ち心地や弾道性能をみれば納得。
多くの自衛隊ファンのみならず、現役や予備自の方達にも一度は撃ってもらいたい国産電動ガンだ。

スペック


全長 918mm
重量 4,200g
銃身長 -mm(インナーバレル長)
装弾数 120発
価格 289,000円(税別)
PTW89用 120連マガジン 6,100円(税別)
発売日 2019年7月
動力源 11.1v / 1400mAh 25C リポバッテリー
初速 最高:81.03m/s
平均:80.64m/s
最低:80.26m/s
ジュール:0.813J

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.25g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温32.1度、湿度52%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。

パーツリスト.PDF (1.4MB)

協力:SYSTEMA、ビレッジ1

2019/08/22


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