マルシン ガスガン マテバ リボルバー Xカートリッジ 木製グリップ
レポート:戸井源太郎
アニメ「攻殻機動隊」でトグサの愛銃であることから、日本でも知名度が高いマテバ リボルバー。そのマテバのエアソフトガンは唯一マルシンのみがモデルアップしています。発売は2008年で、その名も「トグサの銃 M-2007M」と超ストレートでした(笑)。最初は8mmBB弾でしたが、現在は6mmBB弾のみで、マテバ リボルバーとして発売されています。しかもリボルバーファンには堪らないライブカートリッジです。早速、レビューしていきたいと思います。
マルシン製のマテバは「攻殻機動隊」用にデザインされたモデルで、M-2007M自体は架空のモデルとなっていますが、シリンダーの一番下の位置にバレルを配したベースとなる銃自体は実在します。1990年にイタリアのマテバ社が開発したマテバ2006Mがそれです。マテバ社は以前から競技用の拳銃の開発を手掛けており、銃身の跳ね上がりを抑えるために、極力銃身を低く配置するコンセプトを持っていました。コンセプトはよかったのですが、反動が消えるわけでなく、跳ね上がる代わりに真後ろに来るようになり、格別効果があったわけでもなかったようです。さらに通常のリボルバーに慣れた人には、操作法についても不評で、コストが高いということもあり、鳴かず飛ばずで2004年には生産終了してしまいました。ちなみに実銃の口径は.357マグナムで、アニメ「攻殻機動隊」のM-2007Mは9mmの設定となっています。
マルシンがマテバを忠実に再現したモデル、かつ世界唯一のエアソフトガンのみならず、リアルなXカートリッジ仕様となっています。
現在、マルシンからはマテバのバリエーションとして3〜6インチまで4種が揃っています。いずれもHWで木製グリップを標準装備しています。バレル長の違いでかなりイメージが違ってみえますね。
Mateba Revolver 5インチ
ブラックヘビーウェイト・木製グリップ付
Mateba Revolver 4インチ
ブラックヘビーウェイト・木製グリップ付
Mateba Revolver 3インチ
ブラックヘビーウェイト・木製グリップ付
スムースタイプのシリンダー、そのシリンダー下半分ま達するハイグリップを可能にするグリップを採用しています。
フレーム左面に「MA・TE・BA PAVIA ITALY」、右面にはシリアルナンバーと「STGA=トイガン安全協会」の刻印が入っています。
トリガーは幅広でがっちりした作りです。ダブル、シングルアクションのどちらでも射撃可能です。ダブルアクションでもトリガープルはそれほど重くはありません。
シリンダーの一番下から発射されるため、ハンマーはフレームのかなり下位置に設置されています。
シリンダーの後ろにあるレバーを前に押して、シリンダーをスイングアウトできます。
一般的なリボルバーはシリンダーは左側にスイングアウトしますが、マテバは真上までスイングします。
リボルバーのエジェクターロッドはライブで、押し込んでカートリッジを取り出すアクションはリボルバー好きには堪らない機構です。
マテバ用のXカートリッジです。薬莢は真鍮製で弾頭部はアルミ製、全長42mm、薬莢径9.24mm、重量は約18gです。サイズは.357マグナム弾より0.26mm細く、2mmほど長いです。BB弾はカートリッジ先端に装填します。
長方形のバレルで、マズルは一番下に配置されており、一番マテバらしい部分です。しかしバレルの上部分は全くのデッドスペースに思えます。実銃ではカウンターウェイトになっているのでしょうかね?
マテバの6インチモデルはバレル上部から六角レンチでホップアップを調整します。
マテバの3〜5インチモデルはバレル上面にホップアップ調整用の穴がありません。ホップアップを調整するためには付属の専用レンチでマズルキャップを外して、アウターバレルごと外してから調整を行います。
ホップアップの位置はカートリッジの先端から距離があります。BB弾が発射され加速時にホップラバーに接触する構造です。ここはリボルバー式エアガンの泣き所といえるでしょう。
フロントサイトは上下、リアサイトは左右の調整が可能です。サイトはできる限り低く設置されていますが、マズルはシリンダーの一番下のなので、近距離ではパララクスが出そうです。
最高級ブナ材によるリアルウッドのグリップを装備しています。リアルウッドのならではの暖かさと手触りのよさがあります。グリップはかなり肉厚ですが握りにくいことはありません。ガスはグリップ底部から注入します。
実射テスト
実射テストはリボルバー、しかもカートリッジ式ということを考慮し、今回は20mをメインで行いました。BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。
どちらのBB弾でも飛距離は十分ですが、ボディヒット率は7割といったところでしょうか。
エアのロスが多いカートリッジ式のリボルバーということを考慮すると頑張っていると思います。
試しに距離10mで射撃してみたところ、なんとかボディサイズにヒットできました。
メカの動きは滑らか、かつ確実で、射撃トラブルは皆無でした。また、シングル、ダブルアクションで弾道が変わるような感じもありませんでした。
総評
マズルがシリンダーの一番下の位置にある特異なスタイルで、超マイナーなマテバをモデルアップしたマルシンを賞賛したいですね。しかも世界中でも評価の高い「攻殻機動隊」の「トグサの銃」という選択もよいところを付いてると思います。
HW素材による重量感、ブナ材によるリアルウッドのグリップをはじめとし、実銃同様の真上にスイングアウトするシリンダーなど外観の完成度が高いです。
マルシンオリジナルのXカートリッジ採用で、1発ずつ、もしくはスピードローダーで“カチョン”と装填し、かっこよくシリンダーを閉めて撃つ! 射撃後はエジェクターロッドで排莢するアクションはリボルバー好きにはたまらない要素でしょう。精度はそれなりですが、それ以上に実銃に近いアクションが楽しめます。さらにマルシンのマテバは今回紹介した6インチ以外にも3〜5インチバレル、銃本体もHWにブラック、シルバーとバリエーションも豊富です。
マテバでよければ、一丁はコレクションしておこうと、私のゴーストがそう囁いているのです。
スペック
全長 | 265mm (6インチモデル) 239mm (5インチモデル) 213mm (4インチモデル) 187mm (3インチモデル) |
重量 | 970g (6インチモデル) 890g (5インチモデル) 810g (4インチモデル) 730g (3インチモデル) |
銃身長 | 144.4mm(インナーバレル長) (6インチモデル) 119mm(インナーバレル長) (5インチモデル) 93.6mm(インナーバレル長) (4インチモデル) 69.4mm(インナーバレル長) (3インチモデル) |
装弾数 | 6発 |
価格 | 27,800円(税別) (6、5、4インチモデル) 26,800円(税別) (3インチモデル) |
発売日 | 2019年7月 (6インチモデル) 2019年6月 (5インチモデル) 2019年6月 (4インチモデル) 2019年3月 (3インチモデル) |
動力源 | リキッドチャージ式ガス |
初速 | 最高:58.39m/s 平均:54.45m/s 最低:51.86m/s ジュール:0.296J |
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、屋外12発での測定、気温32.9度、湿度54%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。
協力:マルシン工業、ビレッジ1
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