KSC ガスガン M93R II 07ハードキック 【エアガン レビュー】
実銃のM93Rはイタリア、ピエトロ・ベレッタ社の開発したマシンピストルだ。対テロ特殊部隊の要請で年々過激化するテロリズムに対し、コンパクトでありながら強力な火器を求められ1977年に開発された。
口径は9mm×19パラベラム弾を使用し、装弾数は20発+1と多弾数を誇り、セレクターで切り替えてセミオート射撃と3点バースト射撃することができる。
また、拳銃でありながらグリップ後部に金属製の折りたたみ式ショルダーストックを装着でき、サブマシンガンのように射撃することもできる。
話はトイガンのM93Rに戻る。
KSCのM93Rシリーズはそのルーツをたどると、1985年に発売された
MGCのM93Rまで遡ることができる。当時、KSC(島製作所)はMGCの下請け協力会社として開発・量産に携わっていた。MGCが発売したM93Rは、固定スライドのガスガンで業界を席巻、一世を風靡する。その後、1994年にMGC廃業に伴い、KSCブランドとして製品販売を開始。そのKSCブランド第1号の商品がKSCが社運をかけた
M93Rガスブローバックだった。
そしてそのM93Rは多くのユーザーの賞賛をもって市場に受けいれられた。
つまり、KSCのM93Rは由緒正しいご先祖様を持つモデルだと言えるのではないだろうか。
KSCのM93Rは1995年のガスブロを皮切りにバリエーションを増やし、2008年には07ハードキックのブローバックユニットを搭載してリニューアルした。
KSC ガスガン M93R II 07ハードキック スペック & 初速データ |
全長 |
248mm |
重量 |
1,040g |
装弾数 |
6mmBB弾 32+1発(付属マグ) |
定価 |
21,000円(税別) |
発売日 |
2008年4月24日 |
|
最高 |
88.97m/s |
平均 |
87.75m/s |
最低 |
86.50m/s |
ジュール |
0.77J |
※エクセル バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温27.4度、湿度52.0%
パーツリスト
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KSCお得意のエッジの立ったシャープなボディがM93Rの美しさを引き立てる。
スライド、フレーム、アウターバレルともにプラ製ながら、それを感じさせない仕上げの美しさ。そして重量1kg超でズっしりとした重量感がある。

ベレッタのM92がベースモデルだが、その角ばったスライド形状や連射時のホールドを容易にするフォールディンググリップにより、メカメカしく、かつ攻撃的な印象となっている。
シャコンッとトリガーガード前のフォールディンググリップを起こす。
スチールプレス製で握るとヒンヤリ。

ホールドオープン。長いバレルがより長く見える。
フロントサイトはホワイトドットが入る。
マズルブレーキとして左右6つのポートがバレル先端に開けられている。
リアサイトまわり。
リアサイトはスライド一体のプラ製。
ホワイトが入れられている。
ファイアリングピンもリアルに再現されている。
グリップはやや大柄ながら、ベレッタM92F同様に丸く握りやすい。
グリップパネルはプラ製だが、かなり重量感がある。
グリップ底部には折りたたみ式のフォールディングストックを装着できるストックホルダーがある。
トリガーガード周りもKSCお得意のマシニング加工でパーティングラインは消され、エッジも美しい。
可変ホップアップはチャンバー周囲のギザギザドラムを付属のツールで回して調整する。
クリック感があるが、クリックレスで調節できたほうがドンピシャでホップ適正位置を出せると思う。そのワンクリックの間がちょうど良いのに、ということもある。

セレクターはフレーム左にある。左から3点バースト、フルオート、セミオートのポジション。
実銃にはフルオートポジションはないが、KSCのM93Rは中間ポジションをフルオートとしている。
セレクターと同軸でマニュアルセフティがある。下にスイッチさせればセフティオン。
ただ右手で握りこむと親指の付け根で不意にセフティが解除されることがあるので、もう少しレバーを硬めに設定して欲しかった。

フィールドストリッピング。フレーム左側面のディスアッセンブリーレバーを90度回し、スライドを前方へ引き抜く。リコイルスプリングとガイドを外し、アウターバレルを取り出す。
スライド組み立てにはちょっとコツがあって、フレームに出っ張っているディスコネクターなどを押し込みながらリコイルスプリングガイドを引っかからないようにスライドを定位置まで戻す。アウターバレルをちょっとショーとリコイルさせながらディスアッセンブリーレバーをロックする。
なお、ディスアッセンブリーレバーの裏にKSCの隠しロゴ。
右グリップに収められた3点バーストユニット。非常に切れよく作動する。
トリガーワークで2発しか射撃しなかったときもトリガーを戻せばラチェットがリセットされ、再び3点バースト射撃が可能になる仕組み。

マガジンは標準で付属する32連(中央)以外に、49連のロングマガジン(左)、M92FSの24連マガジン(右)も使用できる。49連というと、もはやサブマシンガンのような多弾数ぶり。強力なファイアリングパワーで弾幕を張り続けることができる。マガジンフォロアーは一番下でロックできるので、BB弾の装填が楽。
ちなみに、標準で付属する32連マガジンを装着しての本体+マガジンの実測総重量は1,046gだった。
あっ! 撮影のときに気づいたのだが、なぜか32連マガジンのバルブパーツの一部が欠落している。
この状態でも撃てなくはないが、Oリングはいずれ紛失するだろう。
このパーツ単体で注文すると840円(税込)。うーん、初期不良でパーツだけ送ってもらえるだろうか?
もー、KSCさん、たのんますよ、ホントに。
さて、気を取り直して実射。
KSCのM93RII 07HK、さすがに高性能な07HKブローバックユニット搭載だけあって、強烈なリコイルスピードを体感できる。
実はこのKSC M93RII 07HKを買うきっかけになったのは、チームメンバーがゲームに持ってきていたのを試射させてもらったから。5月のポカポカ陽気だったとはいえ、そのすさまじいリコイルで32発をフルオートで射撃したときに手首がズキーンと痛くなったほど。
これはヤバイ!! キてる!! そう感じ、すぐさま購入に走ったというワケ。
しかも特筆なのはその命中精度。屋外でもビシーッと真っ直ぐに適正ホップで飛んでいく0.2gBB弾は、東京マルイのガスブロと同等の性能。これにより私の今までのKSCトイガンに対する命中精度の概念が変わった。初速もかなり安定している。これはまさにピンポイントで狙えるガスブロだ。
別売の純正オプションであるフォールディングストックを装着すればより連射時の狙いが安定し、さらにはスコープマウントベースも発売しているので、ドットサイトやスコープを搭載すればより正確に素早くターゲットを狙うことができる。まさにCQBウェポンにもってこい!! インドア戦では最強の部類に入るプライマリウェポンたる資質を持っている。唯一難点をいうならばウェポンライトが装着できないことか。
しかし、その3点バーストの確実な作動、平均88m/sの高初速、ジャミングも一切ない信頼性の高さは、サバイバルゲームにおいて電動ガンを相手に引け目なく立ち回れる。
下の動画を観てもらってもわかるがフルオートで49連射してもまったく回転数は落ちず、秒間20発という高回転でドライブし、ガツーンとホールドオープンしている。
夏にこいつで遊ばないなんてもったいない。オススメのガスフルオートだ。
2010/06/27
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