KRYTAC 電動ガン TRIDENT CRB & TRIDENT LMG ENHANCED
レポート:戸井 源太郎
KRYTACは、あのKRISS VECTOR(クリス べクター)シリーズで有名な米・実銃メーカー、KRISS USAのエアソフトガンブランドです。
実銃メーカーが作るエアソフトガンということから日本でもかなり注目度が高いようです。
日本の代理店であるLayLaxのWebサイトには、フルメタルボディかつ、傘下の実銃パーツブランドのDEFIANCEによるレールハンドガードによる剛性の高さに加え、MOSFET電子制御スイッチ搭載とハードユースに耐える最高レベルの電動ガンシリーズとのことです。
電動ガンのメカは台湾で製造しているようなので、性能も悪くはなさそうです。
今回はKRYTACのTRIDENT CRBとTRIDENT LMG ENHANCEDの豪華に2本立てでレポートしたいと思います。
アメリカでもサバゲーは大人気です。それこそ軍が協力してくれたり、フィールドも5km四方とかザラですよとか、よく聞きます。
しかし、今まで、アメリカブランドのトイガンメーカーって、なかったような気がします。少なくても私は聞いたことありませんでした。
それだけにアメリカブランドのKRYTAC製電動ガンの実力が非常に気になります。
パッケージはイカの足があしらわれたポップなデザインです。
TRIDENT CRBのBOXサイズは縦30×横105×高9cm、TRIDENT LMG ENHANCEDのBOXサイズは縦29×横91×高10cmとなっています。
型抜きしたスポンジに本体やマガジンが収められています。LMGはなぜかガンの向きが逆さまに収まってました。
ボックスには取説、弾速証明書、英語表記の注意書き、オリジナルステッカーが付属しています。TRIDENT CRBには、多弾倉マガジン巻き上げ用の六角レンチが付属しています。
カスタムM4スタイルのTRIDENT CRB。実銃用パーツメーカーのDEFIANCEのオリジナルKeyMODレールハンドガードを装着。ただしKRYTAC装着のパーツは「AIRSOFT ONLY」です。
フレームおよびレールは、アルミ製です。ストックもMAGPULのACR風のオリジナルデザインとなっています。
フルメタルの割りには、重量2.5kgと軽く扱いやすいです。
KRYTAC 電動ガン TRIDENT CRB スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト1 パーツリスト2 パーツリスト3 |
TRIDENT LMG ENHANCEDは軽機関銃をイメージしたオリジナルデザインのM4です。アッパー上部にダミーのフィーディングカバーを備え、装弾数4,000発の電動給弾式ボックスマガジンが標準装備となっています。
KRYTAC 電動ガン TRIDENT LMG ENHANCED スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト1 パーツリスト2 パーツリスト3 |
KRYTACシリーズには、全モデルにMOSFET電子制御スイッチ搭載されています。トリガースイッチの焼き付きを防止してくれます。
TRIDENT CRB
TRIDENT CRBのフレームです。刻印、トリガーガード、アンビセレクターなど違いがありますが、基本はオーソドックスなCOLT製M4のフレームそのままです。
フレームには、北欧伝承に登場する海の怪物"クラーケン"をイメージした、KRYTACの"イカ"マークの刻印が入っています。
グリップはM16/M4純正のA2グリップが装備されています。メカは東京マルイのVer.2系なので、グリップは、おそらく各社電動ガン用に対応していると思われます。自分の好みのものに交換するのもよいでしょう。
セレクターはアンビ仕様となっています。もちろん両サイドともライブになっています。
トリガーガードはKRYTACの「エンラージド・トリガーガード」を採用しています。グローブ使用を前提として大型化されています。
チャージハンドルを引けば、ホップダイヤルがチェンバー内に現れます。ホップダイヤルはドラム式でクリック感があります。ダイヤルにはナンバリングが施されており、ホップは15段階で調節できます。
ボルトリリースボタンはライブです。チャージングハンドルを引けば、ボルトカバーが開いた状態でストップ。ホップの調整がしやすくなっています。このボタンを押せば、ボルトカバーが閉じます。
KeyMODレールはKRISS社の傘下のアクセサリパーツブランド「DEFIANCE(ディファイアンス)」製を標準装備しています。TRIDENT CRBのレール長は実測で約10インチ、バレル長は10.5インチです。細くて、軽量で扱いやすいです。
右側には「DEFIANCE TR110」、左側には「VIRGINIA,USA」、上部にはレールナンバーの刻印が入れられています。
見にくいですが、ガスブロック、ガスチューブもちゃんと再現されています。
独特な形状のフラッシュハイダーもDEFIANCEのオリジナルと思われます。DDタイプのシンプルなフロントサイトが標準装備です。
リアサイトはLMTタイプのものが標準装備です。もちろん上下左右調整できます。
バッファチューブ基部にはスリングスイベルアダプターが標準装備です。
ストックはKRYTACオリジナルデザイン。QDアダプターも装備。ストックは6段階に伸縮します。形状はMAGPULのACRストックと似ています。
バッテリーの装着はバットプレート前にある両側のボタンを押して脱着します。
バッテリーはスティック、セパレートタイプ、さらにミニタイプも収納できるそうです。
付属の300連多弾倉マガジンには、側面に小さな穴が開いています。この穴に付属の六角レンチを使って、ゼンマイを巻き上げることができます。また底部からゼンマイを巻き上げることも可能です。
もちろん各社スタンダード電動ガンM4用の多弾倉マガジンと共用可能です。
TRIDENT LMG ENHANCED
大型のハンドガード、電動給弾のボックスマガジンを標準装備したオリジナルデザインのM4 マシンガンモデルです。レールハンドガード、フレーム共にアルミ製を採用しています。
アッパーレシーバー上部にはフルメタルのフィードカバーが装着されています。
このパーツ部分だけでも結構、重量があります。
フレームはTRIDENT CRBと同じ物のようですが、ボルトリリースボタンのみ、小型の物に変更されています。こちらはボルトリリース機能はないです。
フィードカバー上部にはピカティニー規格のレールを装備しています。
オリジナルデザインの大型のハンドガードは上下左右にKeyMODとなっており、任意の箇所にレールを装着することも可能です。
レールハンドガード左側(上の写真)には「KRYTAC」、右側には「DEFIANCE TR110」、下面には「AIRSOFT USE ONLY」とプリントされています。
バレル先端近くには大型のガスブロックが再現されています。上部にはミニレールまであります。フラッシュハイダーはTRIDENT CRBと同じ物となっています。
ストックもTRIDENT CRBと同じものですが、ストックのバットプレート下部にミニレールが装備されています。
このレールはバットプレートを外せば、スライドして脱着できます。レールは樹脂製となっています。
アッパーレシーバー左側にあるハンドルを倒すとチャージングハンドルになります。これを引くとエジェクションポートが開きます。
TRIDENT LMG ENHANCEDには、ダストカバーはありません。またTRIDENT CRBと違ってボルトストップ機能は省略されています。
チェンバーはTRIDENT CRBと同様の物のようです。
フィードカバー後部にある丸いボタンを前に押すとロックが外れ、フィードカバーを開けることができます。
フィードカバーを開いた状態。ダミーのベルトリンクが装着できます。その他に機能はありません。
フィーダー部にスリットがあり、ここにベルトリンクのダミーカート引っ掛けることができます。ダミーカートの余分な部分はボックスマガジンの上部にあるスライド式の蓋をあけて、収納できるようですが、蓋が固すぎて、開けられませんでした。
フィーダー部のスリットにダミーのベルトリンクを装着する右の写真のようになります。
ダミーのベルトリンクを装着するだけで、マシンガンとしての雰囲気、私のテンションもかなり上がります。本来なら余分な弾はボックスマガジン内に収納できるのですが...。
M4用の多弾倉マガジンの上部を利用した電動給弾ボックスマガジンです。装弾数は約4,000発で空重量は713gです。
もちろんKRYTAC専用でなく、各社スタンダードM4でも使えます。またこのボックスマガジンのみ別売りもあります。価格は13,800円(税別)です。
※マガジンハウジングの形状が違うガンには一部、装着できない場合があります。
サイドカバーを外してBB弾を給弾します。内部は上から4段に分割されています。一番上がダミーカート用スペース、2段目がBB弾の給弾口です。3段目には電動給弾用のバッテリーボックス、4段目にはモーターが設置されています。給弾用のバッテリーは006P型9Vの角電池を使用します。
ボックスマガジンの底部にある赤いボタンを押し続ければ、その間、電動でゼンマイを巻き上げてくれます。
また、電池が切れた時でもボタン横のダイヤルを手で回して巻上げることもできます。
ボックスマガジン手前面にはリザーブタンク切り替えスイッチがあります。給弾構造上、内部でパーティションにより仕切られているそうです。
このボックスマガジンはM4の多弾倉マガジンを利用して作られています。多弾倉マガジン上部を切り取って、ビスでボックスマガジンに取り付けられています。
しかしこのビスがちょっと問題です。
マガジンハウジングにビスの痕がくっきりと...。平ビスにするなど対処して欲しいですね。
TRIDENT LMG ENHANCEDはM4フレームなので、スタンダード電動ガンのM4系マガジンももちろん使えます。
TRIDENT CRB 実射テスト
アメリカブランドの電動ガンの真価が気になるところです。
BB弾は東京マルイのベアリングバイオ0.2gBB弾を使用し、まずホップを適正に調整します。ホップの調整幅も広く、微妙な調整も可能です。
ホップを調整したところ、まっすぐで素直な弾道を得られました。
40mでほぼ全弾ボディにヒットする集弾性がありました。
また、50mでも全弾命中とはいきませんが、十分にBB弾が届いています。ピンポイントとはいきませんが、マンターゲットにはヒットできる精度があります。正直、この飛距離と精度には驚かされました。
セミのキレもよく、速射してもロックすることはありませんでした。
精度としては東京マルイのスタンダード電動ガンと同等、セミのトリガーレスポンスはFETのおかげか、やや上といった感じで、実戦レベルに達していると思います。
TRIDENT LMG ENHANCED 実射テスト
TRIDENT CRBと同じBB弾を使用し、ホップを調整し、テストを行いました。
メカもインナーバレル長もTRIDENT CRBと同じなので、精度も40mでボディに全弾命中と、当然ながら、ほぼ同じ結果を得られました。 こちらも距離50mまで有効射程範囲に入るでしょう。
ただ初速が2~3m/S程度高いのは誤差の範囲、個体差でしょうか?
今回、TRIDENT LMG ENHANCEDにはNOVEL ARMSの4倍率のACOGタイプのSURE HIT 432FRを搭載していたため、ボディに吸い込まれていくBB弾の弾道がよくみえました。
トイガン=おもちゃといえどもリアルなものが欲しいというのはファンの性です。その点、KRYTACは実銃の最先端技術を持つ、アメリカブランドであること。そしてレールハンドガードなど実銃パーツメーカーが製作しているなど、より実銃に近い雰囲気を味わえるところに魅力があるのだと思います。
また電動ガン自体は台湾がOEMで製造しており、東京マルイの電動ガンと同程度の精度、信頼性の高さも、今回の実射テストで実証することができました。このクオリティーなら日本の厳しいユーザーも納得できると思います。
射撃動画もどうぞ。
実は、「KRYTAC」の名をよく聞いてましたが、最初はメカを含めて、アメリカ製だと思っていたので、個人的には、そんなに注目していませんでした。今回、KRYTACについて調べてみて、撃ってみて、なぜ日本で話題になっているかが判りました。
もちろんテストで各600発以上は撃ちましたが、トラブルはなく、安心してサバゲーやシューティングで使えそうです。
SHOT SHOW 2016 情報!
2016年1月にラスベガスで開催されたSHOT SHOW 2016の期間中におこなわれた、KRISS USAの内覧会にて、なんとKRYTACからKRISS VECTORの電動ガンが発売! と言う、すごい発表がありました。
メカはVer.2でバッテリーはグリップ内、メカボックスはベクターシステム内に組み込まれているそうです。もちろん実銃どおり、セミ、2点バースト、フルの射撃が可能です。
これは期待大です! 2016年秋・冬発売予定らしいです。今から待ち遠しいですね。
詳細レポートはこちらから (作動動画もあり)
また、TRIDENTシリーズはMk.2へのバージョンアップが予定されています。レシーバー形状の変更に加え、DEFIANCE製グリップ、CMCストレートトリガー採用、スプリングリリース機能が追加されるとのことです。Mk.2は5月頃に国内リリース予定だそうです。
撮影協力:ビレッジ2
KRYTAC 日本総代理店 LayLax inc.
KRYTAC M4シリーズ4000連電動BOXマガジン サバゲー 02P07Feb16 |
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