KJ WORKS ガスガン MK-1 22 Target Pistol
レポート:戸井源太郎
KJ WORKSの固定スライドガスガン、Mk-1 22 Target Pistolを紹介します。このMk-1はスタームルガー社の.22LR弾を使用する拳銃がモデルとなっています。
.22口径弾は非常に小さく価格も手頃ということで、アメリカでは売れ筋のモデルです。
そんなことからスタームルガーシリーズは、男の子は誕生日に父親からプレゼントとして贈られることも多い入門用の銃です。
米スタームルガー社は1949年に設立し、Mk-1は1950年に発売された息の長いモデルです。
1982年にはボルトストップが追加されたMk-2が登場しました。このMk-2をベースにSEALsの要請でサイレンサー装備のモデルも製作されていたようです。
そして2004年にはマガジンセフティやローデッドインジケーターなどが追加されたMk-3が発売されています。他にポリマーフレームモデルなど非常に多くのバリエーションが存在し、アメリカではM4に並ぶほどの人気のモデルなのです。
ルガーMARK III ターゲット アンフィビアン。バレル部にサプレッサー内蔵、グリップ上にボルトストップとローデッドインジケーターが追加、マガジンキャッチはオーソドックスなボタンタイプです。ラスベガスデザートシューティングツアー記事より。
スタームルガーの.22口径弾の実銃を撃ったことがありますが、ほんと撃ちやすいです。
パッシュ! パッシュとすごく乾いた軽い発射音で、正直、ガスブローバックのほうがリコイルが強いと感じたくらいです。
しかし銃は銃です。小さい弾でも、十分殺傷力はあります。
そして、日本では、殺し屋、暗殺というイメージが高いことから、地味に人気がある銃でもあるのです。
このMk-1 22 Target Pistolは台湾のKJ WORKS製です。
本体はオールプラで、以前から日本で流通していましたが、今回紹介するMk-1は日本のハッチが代理店となってニューリリースされたモデルです。
ハッチでは注入バルブや各種スプリングを日本仕様に換装し、HFC134aガス仕様として威力規制をクリアした安心の日本仕様とのことです。90℃のお湯につけて、素手では持てないほど暖めたマガジンでも初速は90m/s程度に調整しているそうです。
パッケージは27×16.5×5cmと小さめ。ガン本体とBB弾が付属しています。
日本語の取り扱い説明書に保証書が付属します。修理などアフターサービスにも対応しています。またパーツリストもあり、個別にパーツの取り寄せもできるのが嬉しいですね。
どことなくルガーP08と形が似ています。社名もスタームルガーですが、ドイツのルガーとは一切関係はありません。
またメカはマルシン製とよく似ていますが、一切関係ありません(笑)。 固定スライドガスガンは発射音が静か、命中精度が高い、低燃費とブローバックなどアクションはありませんが、メリットも多いのが特徴です。
KJ WORKS ガスガン MK-1 22 Target Pistol スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||
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パーツリスト |
ほとんどスライドと同寸の太いブルバレルとなっています。トリガーを引くとインナーバレルが後退する固定スライドガスガンでは、オーソドックスなBV式です。
まん丸のトリガーガードはルガーP08や南部14年式を彷彿させます。
トリガーの感触は、正直よくありません。
トリガーストロークが長く感じます。そして最後、発射のためにシアをリリースするわずかな距離が非常に重く、かなり気合が必要です。
またトリガーを完全に戻さないと次弾が撃てません。トリガーの戻りが不完全で連射しようとするとトリガーはスカスカとなり撃てません。
一旦、トリガーから指を離すくらいの感覚が必要です。
ここはマルシンを真似ずに改良して欲しかったところですね。
フレーム後端、グリップ横にレバー式のマニュアルセフティがあります。「F」表示で発射状態、「S」でセフティ状態です。
急角度のグリップ。これは片手で射撃するために最適な角度なのだそうです。
グリップパネルはプラ製のチェッカータイプ。右側にのみ「KJ」の刻印入りです。
リアサイトは上下左右調整可能なアジャスタブルタイプです。
反射防止のセレーション入りのリボルバーのような台座付きのフロントサイトです。
可変ホップアップを搭載。レシーバー上部、エジェクションポートの前にある小さい穴から六角レンチで調節します。
マガジンキャッチはグリップエンドにありますが小さくて使いにくいです。
マガジンは亜鉛ダイキャスト製で装弾数は17発、重量は203gです。BB弾を装填するとき、フォロアーを一気に離すとBB弾が飛び散ります。ゆーっくりフォロアーを戻しましょう。スペアマガジンは3,400円(税別)です。
以前、流通していたMK-1と違い、ハッチ取り扱い品のガス放出口は真鍮のカバーが追加されています。径を小さくしてパワーを落としていると推測されます。マルシンのものも、今は真鍮カバーが装着されているようです。 バルブのスプリングなどもすべて日本の規制に対応するよう調整済みです。
通常分解も工具要らずで行えます。
まずは、グリップエンドにあるハンマースプリングハウジングのレバーを起こします。
レバーを起こしたらロックが外れるので、下側から外に引き出すように、ハンマースプリングハウジング取り外します。
ハンマースプリングハウジングを取り外せば、フレームとレシーバーが分離します。
リアサイト後ろに見える丸い部分がハンマースプリングハウジング上部にあるピンです。これがフレームとレシーバーを貫通して固定されています。
ハンマースプリングハウジングのピンを1本抜けば分解できます。
トリガープルを軽くするハンマースプリングが各種1,000円程度で市販されていますので、交換するのもよいでしょう。
今回、この撮影のために分解したら、なぜかトリガープルがちょっと軽くなった気がします。各パーツを磨いて摺動性を向上させるのも良いと思います。
閑話休題
アサシンとは、事実は不明ですが、大麻(ハシシ)を吸わせ、暗殺を実行させたといわれており、そのことからハシシを吸う者、アサシンという名前が広がったといわれています。
それが転じて、アサシン=暗殺者を指すようになったそうです。
アサシンというと、映画『暗殺者』が有名ではないでしょうか。
劇中では、シルヴェスター・スタローン、アントニオ・バンデラスがサイレンサー装備のMK.1でバンバン撃ちまくっています。
マルシンからも映画のプロップガンとそっくりの「Mk1 6mmBB アサシンズ・サイレンサーモデル」が発売されています。
そもそも今回、このMk-1 22 Target Pistolをエアガンレビューしようと思ったキッカケは、私の知り合いが、何丁もカスタムしているのをみて影響されたからです。
フロントバレルを外し、サイレンサーが装着できるよう加工、自作しています。
左のMk-1のフィンガーチャンネル付きのフレーム、グリップも純正パーツとしてあるそうです。
またサードパーティから外装パーツから内部パーツまで各種パーツが豊富に揃っているそうです。
真ん中のガンには実銃用ホーグのグリップを加工して装着しています。塗装したり、リアサイトを外したりと個性的なモデルを製作しています。
サイレンサーが違うだけで、かなり雰囲気が変わりますね。サイレンサーの効果も絶大で、かなり発射音は静かです。
また内部メカにも手をいれているため、かなり撃ちやすいです。
今回の実射テストでは東京で4日連続猛暑日というガスガンのテストにも身体的にも厳しい環境でした。
撃ってみるとパッシュと静かめの固定スライド独特の静かな発射音です。
しかし、なんといってもトリガーが重すぎます。
1発だけなら、なんとか綺麗にトリガーが引けますが連射となるとかなり指が辛いし、トリガーを引く指に余計な力が掛かり過ぎて、ガンが安定しません。指にばかり意識が集中してしまいます。
これは動画をみていただければわかると思います。
HOP未調整で撃ってみたところ、40m以上は軽く飛び、軽く感動しました。
ただし弾は結構散らばり気味でした。40mで人体程度の目標にヒットする確率は10%といったところでしょうか。
近距離では5mで10cmのプレートにまとまるポテンシャルはあります。
充分インドア戦で戦える精度だと思います。
ただし、ホップ調整はセンシティブで、近距離でもBB弾が浮き始める印象がありました。
またホップを掛け過ぎると30mくらいから垂直にBB弾が垂直に上昇していきました。
BB弾にかなり回転が掛かっているようです。
ハンドガンですし、10m程度の近距離戦を想定しているのならホップ無しでもいいのではないかと思います。
軽量でコンパクトですし、インドア戦では威力を発揮できそうです。
また燃費もいいので、シングルカラムの細いマガジンでも40発くらいは撃てますね。
射撃動画です。
気になった点としては、やはりトリガープルの重さです。しかしこれはサードパーティから各種ハンマースプリングが発売されているので、対応は可能です(ただし初速は2割程度落ちるようです)。
1マガジン中に1発くらいフライヤーが出ます。強ホップなのか浮き気味が多いです。
あとはKJ WORKS製品全体にいえるのですが、ガス注入時、ちゃんと装填されているようですが、毎度、注入口から生ガスが溢れるのが困ります。これも別売りで注入バルブが販売されているようです。
総合評価
KJ WORKS Mk-1 22 Target Pistolは、日本仕様で法規制、プラボディで対応しています。またアフターサービスも受けられるので安心して遊べます。
なにより価格がガスブローバックの半額以下の6,500円(税別)というのも嬉しいですね。
実射してみて、ちょっとした問題点もありましたが、ハンマースプリングやら注入バルブなどがサードパーティからパーツも1,000円程度で発売されているので、各種問題にも対処できそうです。
コストパフォーマンスからしても買っても損はしないと思います。
固定スライドで構造も単純なため、カスタムベースにも最適です。私の知り合いのように、フルカスタムアサシンモデルを作ってみるのもよいと思います。
上記の知り合いのカスタムはトリガープルも軽くしてあり、発射音も東京マルイのSOCOMピストル並の静かさにカスタムされています。
私も時間をみてアサシンモデルをカスタムしてみようかと考えております。ひょっとしたら本体よりサイレンサーのほうが高いかもしれません(笑)。
自分でカスタムするより、KJ WORKSから純正でアサシンモデルの発売してくれるほうが、よいかもしれませんね。
撮影協力:ビレッジ2
スタームルガーMARK III(他)の実銃射撃動画
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