ヨネザワ コルト ウッズマン
写真&解説 YAS
解説
ヨネザワの10歳以上用ライトスポーツピストルシリーズは1982年に始まり、その後のサバゲーブームに伴ってストライカー式の7mmつづみ弾から、エアー式の6mmBB弾仕様にリニューアルされた。今回はヨネザワのライトエアーピストル シリーズの中から、コルト ウッズマンを紹介しよう。
トイガン業界では.22LR口径の銃はモデルアップしても売れないと言われてきた。これはスポーツ競技用の小口径弾を使用する銃より、パワフルな弾薬を使用する銃のほうが人気だからだ。軍用銃なら9mmや.45口径、映画やドラマで刑事が使う.357や.44マグナムといったところだ。
「.22口径で人を撃つな。なぜなら撃ったヤツを本気で怒らせてしまうからな」なんていう逸話があるほどだが、実際のところ.22口径でも十分に殺傷能力はあり、当たり所が悪ければ致命傷となってしまう。
そんな.22口径の銃の中でも例外的な存在がこのコルト ウッズマンで、1969年から70年代にかけて週刊少年キングで連載された漫画「ワイルド7」の主人公、飛葉 大陸が使用する銃としても知られる。
とくに飛葉が使用するショートバレルのウッズマンは"飛葉モデル"として現在でも愛好するファンがいるほど。この飛葉モデルは2020年にアルゴ舎から水鉄砲としてモデルアップされていることからも、その根強い人気ぶりが窺い知れる。
ウッズマンは過去にはMGCや六研、コクサイがモデルガンとしてモデルアップしているほか、ファルコントーイのカート式プッシュコッキング、マルイのストライカー式つづみ弾、クラウンの組み立て式モデルガンや6mmエアガンがモデルアップされていた。また、クラウンは2022年の静岡ホビーショーでウッズマンのリニューアルモデルを発表している。
実銃はコルト社が1920年代にリリースして1970年代で生産が終了しているが、最近ではゲームやアニメにも登場したり、STANDARD MFG.社がウッズマンをリメイクするなど、再び注目されているモデルだ。
ソリッドなバレルにハーフスライドのスタイル。大きく傾斜したグリップアングルがいかにも競技志向だ。本体は艶やかな樹脂製のモナカ構造で右側面にはネジが見える。
アウターバレルは細身で、.22口径のマズルやターゲットスタイルのフロントサイトなど、今見ると逆に新鮮さがある。ウッズマンにはいくつかのバリエーションがあり、角ばったヘビーバレル仕様はマッチターゲットと呼ばれている。
リアサイトは固定式。天面のネジはモールドのダミーだ。もともと露出したハンマーの無いスライドエンドなので、プッシュコッキング式のエアガンには向いていると言える。
トリガーは樹脂製で、トリガープルは880gほど。セフティレバーはライブで上へスイッチするとトリガーがロックされる仕組み。スライドストップやマグキャッチボタンはダミー。
6mmBB弾使用のマガジンは割りばしタイプで装弾数は17発。マグバンパーを引っ張って抜く。リップはプラの弾力で保持しているが、保持力がとても甘く、ちょっとした振動でBB弾をぶちまけてしまう。
スライドを引くとほとんど抵抗なくカチャリと28mmほど後退し、再びスライドを押し戻すことでスプリングを圧縮するプッシュコッキング方式となっている。
実射してみたところ、初速は0.2g弾で28.36m/s = 0.08Jで10歳以上対象となっている。
付属のヨネザワ純正BB弾 Y-BB6。7mmつづみ弾 L27を彷彿とさせるオレンジ色の弾。重量は0.12gだ。
シルバーのパッケージ。本体、マガジン、BB弾100発、取説、チラシ、ターゲットペーパーが同梱される。価格はなんと1,500円という低価格だった。これはマルイの1900円シリーズを意識しての価格設定かもしれない。
付属の取説。マニュアル.PDF (10MB)
当時のチラシ。ライアットショットガン、KG-9、ベレッタM12S、イングラム、スコーピオン、MP5Kなど、当時他社から発売された人気モデルを多くラインアップしていたのも興味深い。
DATA
発売年 | 1987年 |
発売時価格 | ¥1,500 |
全長 | 実測 231mm |
重量 | 実測 210g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | プッシュ式コッキングエアー |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 17発 |
平均初速 | 28.36m/s |
撮影協力:FIRST / 中古侍
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