ヨネザワ モーゼル マークII カスタム
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
世の中にモーゼルミリタリーを名乗るトイガンは数あれど、ヨネザワのモーゼルマーク2カスタムほど、デザインバランスの悪い製品はないだろう。
トリガーの前方にマガジンがあり、グリップが特徴的なブルームハンドルタイプである、という2点がかろうじてモーゼルスタイルを主張してはいるものの、いかんせん、全体的なサイズが大きすぎる。
実はこれには理由があり、プルコッキング式のシリンダーがライフルタイプと同規格のサイズで作られているのだ。ヨネザワにボルトアクションライフルの製品はなかったので、おそらく当時は、マスダヤのサンダーボルトなどと同規格のシリンダーが、他メーカーにも入手しやすい状況だったのではないかと思われる。
ライフルのシリンダーに合わせて全体をデザインしたため、モーゼルとしてはお化けサイズになってしまったわけだが、これと似たようなケースに、タカトクのSSオートマグがある。あれもSS9000のシリンダーを流用したためかなりのオーバーサイズだったが、結果的にそれがヒットの要因にもなったという希有な例だ。
実銃のデザインにとらわれず自由な設計が出来たからか、カートリッジの装填排莢はとてもスムースで、操作感にストレスはまったく感じられない。いうまでもなく、エアガンにとってこれは大切な要素であり、割り切ってアクションが楽しめる製品だったのは間違いないようだ。
当時、エアガンに必要以上のリアルさを求めるガンファンは少なく、かくいうボクもそのひとりだったため、モーゼルにしてはどうもヘンテコな形だなとは思いつつ、よく撃って遊んだ記憶がある。
今回、撮影のため数十年ぶりにまじまじと見たわけだが、不思議なことにこれはこれでアリというか、慣れるとそうおかしな形ではないように感じるものだ。最近ではトイガンメーカーのオリジナルデザインのエアガンが復権していることを考えると、実銃にこだわらないこうした製品がまた見直されているのかもしれない。
モーゼルピストルだと言い切るには若干の抵抗感をともなう独特のデザイン。本文中にもある通り、ライフルサイズのシリンダーを流用した結果、この大きさになってしまったようだ。
1980年の日本製であることを示す刻印。また5-1などの装弾数もマガジンハウジングに記載されている。
ブルバレルサイズだが、フロントサイトの形状はモーゼルらしいと言えなくもない。インナーバレルはスチール製。
上下左右フルアジャスタブルのタンジェントサイト。このあたりのデザインも少々おおざっぱな感じがぬぐえない。
ライフルから流用されたと思われる大型ピストンシリンダー。左右にふたつ出っ張ったコッキングハンドルは、当時のライフルタイプエアガンの定番デザインをそのまま踏襲している。フレーム側面にセフティレバーがあり、グリップ上部の削り込みにはミーリング加工跡が再現されている。
エジェクションポートからの風景はカート式疑似ブローバックならではのものだ。装填排莢はきわめてスムース。
ストックの脱着はネジでおこなう。当時、エアガンの取り外し式ストックはほぼすべてがこの形式だった。
こうして見るとガッシリと力強い雰囲気で、けっしてヘンではないと思うのだがどうだろう。実銃の固定観念から離れてモーゼルのモデファイモデルだと考えれば、むしろ良く出来たデザインではないだろうか。まさにモーゼルに後継機のマーク2が存在したら? そんな想像をしてしまう。
カートリッジとつづみ弾は別々の箱に収納されている。P26というナンバーが何を意味するのかは不明だが、このモーゼル マークII カスタム専用だったようだ。
マガジンはシングルカアラムで、パワフルな外観とは裏腹に装弾数は5発。ここはロングマガジンがほしいところだ。
DATA
発売年 | 1980年 |
発売時価格 | ¥5,800 |
全長 | 実測 453mm / 725mm (ストック装着時) |
重量 | 実測 776g (ストック含まず) |
バレル長 | -mm |
発射方式 | プル式エアコッキング |
使用弾 | 7mmつづみ弾 |
装弾数 | 5発+1 |
平均初速 | 63.3m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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