WA ロボコップ フルオート9
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
『ロボコップ』と言えば1980年代を代表するSFアクション映画の傑作だが、その主人公であるロボコップが使用するプロップガンを再現したのがWAのフルオート9だ。ウエスタンアームズ15周年記念モデルと銘打ち、1993年4月に公開されたシリーズ3作目である『ロボコップ3』の正式認可のもとに製造されている。それまで特定の映画に使用されたプロップガンを正式にモデルアップした例はなかったため、エアガン業界にとっては画期的な製品だったと言える。
作動方式は電動とガスガンのハイブリッド方式で、モーターの力でスライドを前後動させ、BB弾の発射はガスで行う。それにより消費ガス量が最低限におさえられ、スライドの作動は安定する。映画のような超高速作動を再現するには、モーターの力を利用した方がはるかに確実だったのだろう。
これより前、1986年にWAは電動モータードライブ・ガスガンとしてヤティマチックを発売していた。この時のノウハウがフルオート9のデザインにも活かされていたのは確かだと思われるが、これを最後にWAは電動ガスガンの開発にピリオドを打つ。オート9自体は、その後もKSCがガスブローバックとして発売するなど人気が続いた。
ベレッタM93Rに大型スタビライザーが装着された独特のスタイル。映画では銃口付近のガスポートから派手なマスルフラッシュを吹き、ガンファンのみならず「ロボコップのあの銃」として広く認識されていた。
スタビライザー内部に単三乾電池4本を収納する。電動ガスガンにとってバッテリーをどこに収納するかは重要な問題だが、この銃に関してはここ以外考えられないだろう。
2本のキャップボルトで止められたリアサイト。トリガーを引くとハンマーは起きたままの状態となり、発射機構には関連しない。
スライドのストロークは約22mm。決して長くはないが、40発を2.6秒で撃ちきる高速な往復作動のため、十分な迫力が感じられる。またその名の通り、セミオート射撃機能はなく、フルオートのみの機構だ。
グリップにはロボコップを開発したオムニ社のマークを模したロゴが。表面のシボ加工も美しい仕上がりだ。
マガジンへのリキッドチャージの他、外部ソースを接続しても撃つことの出来る2ウェイ方式。リキッドチャージマガジンとの併用も可能だった。
重そうに見えるオート9だが実はけっこう軽い。マガジンがプラスチック製というのもその要因だ。
マガジンにインパクトバルブはなく、本体内のガスルートとここで連結される仕組み。
ロボコップ3の正式認可商品であることが表記されたパッケージ。MGCのガスボンベは純正でセットされていた物ではないので念のため。
DATA
発売年 | 1992年2月15日 |
発売時価格 | ¥19,800 ¥23,600 (発売記念 特別セット価格) |
全長 | 実測 360mm |
重量 | 実測 1,195g |
バレル長 | 293mm カタログ値 |
発射方式 | リキッドチャージ&外部ソース式ガス・モータードライブ |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 40発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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