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タニオコバ VP-70M
写真&解説 YAS
解説
ドイツH&K社のポリマーフレームピストル、VP-70は1981年にMGCが発火式モデルガンとしてモデルアップしている。もちろん当時その設計者は、伝説的トイガンデザイナー小林太三氏であり、のちにMGCから独立してタニオコバ社を立ち上げ、2004年にガスブローバックガンとして発売したのが今回紹介するタニオコバ VP-70Mだ。
銃器研究家の床井雅美氏の監修協力を受け、細部のデザインも見直され、形状はモデルガンがファーストジェネレーションだったのに対して、本ガスガンはセカンドジェネレーションのマシンピストルモデル"M"がモデルアップされた。
以前に紹介したタニオコバのUSP、そして10/22ライフルに続くガスブローバックガンの第3弾にあたるが、その間にガスブローバックユニットの特許に関するマグナ裁判があったので、本モデルの発売は最初のUSPから9年という歳月がかかっている。
とはいえ、そのブローバック作動の安定性、3バースト射撃の確実さ、射撃時のリコイルは現在の視点でみても素晴らしいの一言。ただ3バーストの先行ライバルとなるKSCのM93Rの人気に隠れて今一つセールスという面ではパッとしなかった印象だ。しかしながら、VP-70Mはゲーム「バイオハザード」シリーズや、映画「エイリアン2」でも登場するなど、廃盤になった今でも熱狂的なファンは多く、中古市場では高値で取引されている。
グロックよりも古いH&Kのポリマーフレームオートということもあり、どこかSF的な趣きがあるVP-70。当時は斬新すぎたスタイルも現代から見るとスッキリと魅力的に思える。
グリップフレームはシボ加工され、ハイグリップしやすくとても握りやすい。スライド右面にはタニオコバのメーカー刻印がある。
フルセットに付属のストックに本体を収納することができる。ストックにはバーストメカが内蔵されており、装着するとセミオートと3バースト射撃を切り替えできるスイッチがある。
また、ストック側面の溝は、付属のハーネスプレートをひっかけて腰にぶら下げ携帯するためのもの。
ストックを装着するとピストルカービンとなる。ストックの取り外しはセレクターをセミオートにし、グリップ後ろのレバーで行う。
ストック上部にスライドと接するバーストカウンタープレートがある。これによりストック内のカムが3発発射を検知してディスコネクトする仕組み。
フロントサイトのブレードはワイドでトップにはホワイトが入り、中央部分がへこんでいる。
インナーバレルはブラックアウトされたツイストバレルが採用されている。
金属製トリガーの後ろにはセフティボタンがあり、クロスボルト方式でトリガーロックする。トリガー上には分解用のテイクダウンラッチがある。
樹脂製のアウターバレルはショートリコイルしない固定式で、マズルにはサイレンサー取付用のネジ切りがある。インナーバレルも本体側にしっかり固定されている。
テイクダウンラッチを下げ、スライドを引いて上へ持ち上げればスライドが取り外せる。
なお、スライドストップ、ホールドオープンの機能はないが、後退時の参考にスライドを固定して撮影している。
プレシュート式のブローバックユニット。メカニズム的には現在のものと変わりなく、ほぼ完成形と言える。
タニオコバ VP-70M ガスブローバックの作動。
— ハイパー道楽 (@hyperdouraku) October 1, 2021
セミオートと3点バースト射撃。#ビンテージエアガン #ガスガン
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
チャンバー上部に可変ホップアップ調整用のイモネジがある。室内8mでの射撃で、ストックを装着し、セミオート、3バースト交えて射撃したところ12cm円には集弾した。
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マガジンはリップ部も含めて亜鉛ダイキャスト製。装弾数は27発と3で割り切れるようになっている。
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パッケージ。内容物や価格も記載されている。
DATA
発売年 | 2004年9月 |
発売時価格(税別) | ¥16,960 (本体) ¥12,000 (ストック) ¥1,600 (ハーネスプレート) ¥27,000 (フルセット) |
全長 | 実測 207mm / 547mm (ストック装着時) |
重量 | 実測 839g / 1,380g (ストック装着時) |
バレル長 | -mm |
発射方式 | リキッドチャージ式ガスブローバック |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 27発 |
平均初速 | 79.05m/s |
撮影協力:タニオコバ
■関連リンク
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