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タカトク SS W7000
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
タカトクのSSシリーズ三部作の中で、もっとも独特な存在がSS W7000だった。SS5000とSS9000はモダンな現代ライフルを模したデザインだったのに対し、このモデルだけはクラシカルなレバーアクションが再現されていたからだ。
当時は西部劇ブームだったこともあり、少年たちの中にもウェスタンスタイルに対する憧れが根強く残っていたことが製品化の理由だろう。レバーアクションライフルといえばウィンチェスターだが、M73やM92のモデルガンはあったものの、子供に手の届くような存在ではなかった。SS W7000の7,000円という価格もかなり高価ではあったが、お年玉を貯めればなんとかなりそうな範囲内だったため、かなりのヒット作となったようだ。
販売元はタカトク、製造メーカーはマツシロだった。当時のブランドである「TMガン」という名前は、両メーカーの頭文字から取ったものだ。
筆者も少年時代、SS W7000の前身であるどんぐり弾仕様のTMガン99を持っていた。実射性能は7mmつづみ弾に比べてかなり劣っており、3m先のマッチ箱にも当たらないほどだったが、レバーアクションで空薬莢がエジェクトされるのが楽しくて仕方なかったものだ。とにかく年がら年中レバーアクション操作をして遊んでいたため、最後にはレバーが折れて壊れてしまったことを今でも懐かしく思い出す。
ウィンチェスターM73を模したと思われるデザイン。SSシリーズ三部作中では唯一、モデルアップされた実銃が特定出来るモデルだった。
SSシリーズのエアガンは手に触れる操作系パーツに金属が使用されており、しかもメッキがほどこされていた。当時としてはかなり贅沢な仕様だったと言える。
雰囲気のあるマズル部分。バレルバンドの形状や、チューブラーマガジン先端のキャップに入れられた溝など、再現性が高い。
上下左右の調整が可能なリアサイト。ここだけモダンなデザインだが、これはおそらくSS5000と共用にしたためだと思われる。
レシーバートップにはマウントベースがあり、TMマウントという専用のマウントを使用してスコープを搭載できる。
実銃通り、レシーバー側面のローディグゲートからカートリッジを装填する。装弾数は10発で、7mm口径の刻印も。
レバーの開閉角度はかなり大きく、約100度以上も開く。実銃のようにボルト後端がレシーバーから突き出ることはなく、ピストンは内部でコッキングされる。
エジェクションポートは真上にあり、エンプティケースの排莢はきわめてスムース。
SS5000とSS7000はケース、ブレットともに共用。最初期型のケースは赤色で、9mm口径のブレットは黒色だった。
パッケージにはSS W7000の文字が。WはおそらくWesternの頭文字であろう。
DATA
発売年 | 1976年 |
発売時価格 | ¥7,000 |
全長 | 実測 903mm |
重量 | 実測 1,080g |
バレル長 | 355mm |
発射方式 | プル式エアコッキング |
使用弾 | 7mmつづみ弾 |
装弾数 | 10発 |
平均初速 | 37.8m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
■関連リンク
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