マルゼン ミニウージーカスタム
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
以前、このコーナーで紹介したマルゼンKG9の兄弟モデルとして、同じく一時代を築いたのがミニウージーだ。
当時、KG9の大ヒットを引き継ぐモデルとしては、なかなか堅実な機種選定だった。
アンダーグラウンドなイメージの強かったKG9に比べると、ミリタリーやローエンフォースメント寄りの遊び方が可能になったと言える。
マルゼンがKG9の後継機にミニウージーを選んだ理由のひつに、折り畳み式ストックの有無があったはずだ。
実銃のKG9は、法律上、アメリカではハンドガン扱いとなるため、元々がストックのつかないデザインだった。
しかし、サバゲーでの使用を想定した場合、それではやはり心もとない。
遠距離狙撃など、少しでも射撃姿勢を安定させたい場合 、ストックがあるとないとでは大違いだ。
そこで、折り畳みストックが装着可能なミニウージーに白羽の矢が立ったのだろう。
だが、その後のミニウージーは、当初のコンセプトとは別の方向へと進化していく。
ロングマガジン化によって装弾数が14発から28発へと増え、さらに肝心の折り畳みストックが取り外されてしまった。
それが今回紹介するミニウージーカスタムだが、やはりゲーマーたちは結果的に多弾数と取り回しの良さを選んだ形となったわけだ。
1射必中ではなく、弾幕戦へと発展していった当時のサバゲー界をあらわしているようで、なかなか興味深い。
今回紹介するのは二代目となるミニウージーカスタム。マガジンが延長され、ストックが取り外された。
全体的なバランスは初代ミニウージーの方が断然良いが、当時は装弾数と取り回しさの良さが最優先だった。
ストックが取り外された部分には新たにスリングスイベルが追加された。リアサイトは2段階切り替え式。
フロントサイトもポストタイプのしっかりした物でKG9より格段に狙いやすくなった。ボルトの後退ストロークは約55mm。
インナーバレルはプラ製。命中精度にこだわる銃ではないため、当時としてはこれでも充分な仕様だった。
実銃より大きめにディフォルメされたレバーやボタン類。グリップセフティは動くものの、機能はしない。
マガジンからの装填はダブルスタッガードのダブルフィード。KG9同様、チャンバーへの装填作業には若干のコツが必要。
販売時には10発のカートリッジがセットされるが、マガジンは28連なので、予備カートリッジの準備が必須だった。
社外品の木製ストック。取り回しの良さよりも、リアルさを追求したいガンファンも一定数存在した証拠だ。
パッケージ。ロング化されたマガジンが収まらないため、段違いの状態で横方向に収納されている。
マニュアルのデータには「セミオートローディング」と表記されているが、当時は手動の連発式というだけでそう呼ばれる事も多かった。
マニュアルPDF
DATA
発売年 | 1983年末 ミニウージー 1984年末 ミニウージーカスタム |
発売時価格 | ¥9,500 ミニウージー ¥9,000 ミニウージーカスタム |
全長 | 実測 397mm |
重量 | 実測 1,160g |
バレル長 | - |
発射方式 | カート式エアコッキング(プルコッキング) |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 14発 ミニウージー 28発 ミニウージーカスタム |
平均初速 | 41.5m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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