マルシン M36 チーフスペシャル
写真&解説 YAS
解説
前回、マルシンのM29 .44マグナムリボルバーを紹介したが、銃はデカい口径が好き、というファンもいれば、一方で小さい銃に魅力を感じるファンも多い。
S&Wのリボルバー、M36 チーフスペシャルはその代表的なモデルだ。
.38口径の5発装弾のシリンダーにS&W社最小のJフレーム。細くて指が余りそうなグリップと折れそうなくらい華奢なハンマー。スナブノーズらしい可愛らしさと、どことなく哀愁すら感じるシルエット。
セルフディフェンス用のコンシールドキャリーを想定して、センチニアルやボディガードといった派生型、現在ではスカンジウムやチタニウム素材を使用した超軽量モデルまで、多くのバリエーションがある。
また、日本の警察官もこのシリーズのリボルバーを使用している。
本エアガンはマルシンのガスリボルバー第二弾として1987年末にスタンダード、メタルフィニッシュのM36、シルバーのM60と3タイプが同時発売された。その後、ヘビーウェイトモデルやXカートリッジ化され、現在も販売され続けている息の長いシリーズだ。
当時の刑事ドラマ「あきれた刑事」(時任三郎主演)にはマルシン製品の販売を担当していたエアガン卸問屋のレプリカが協力している。
ある程度のデフォルメはあるものの、当時としてはリアルな造形のマルシン チーフ。ところどころ実銃とはサイズが異なり、CQCホルスターには入らない。バレルは2インチだ。
リアサイト横のネジはガスルートを固定するためのマルシン製チーフ独自のもの。リコイルシールドがサイドプレートに付いているのもデフォルメされている点だ。
経年劣化によるオイル焼けやメッキ剥がれにより、良い味を醸し出している。樹脂製フレームとシリンダーで、S&WとASGKの刻印が入る。インナーバレルは真鍮製でフォーシングコーンと連動した可動式。
サムピースを押してシリンダーをスイングアウト。カート式ならではのリアルな装填。エジェクターロッドも実銃同様に動いてカートを押し出す。
リアサイトはフレーム上部の溝で狙う。ハンマーノーズは引っ込むタイプ。
金属製トリガーにはグルーブが入り、トリガーガードの外側パーティングラインは処理されている。もちろんシングル、ダブルアクションで射撃可能だ。
グリップは樹脂製でS&Wのメダリオンが入る。内部にはガスタンクがあるため、横幅がかなり太い。サムピースを後ろへ引くとエアガン独自の安全装置が掛かる。
グリップは取り外すことができる。注入バルブはかなり奥まったところにあるのでノズルアダプターが付属している。
.38スペシャル弾サイズの樹脂カートリッジはリム側にBB弾をセットする。実弾より0.3mm細く設計されており、シリンダーにも実弾が入らないようになっている。付属のBB弾はマルシン製SMブルー弾で重量は0.16g。
実射ではHFC134aを使用し、0.16g弾で行った。付属のカートはパッキンの劣化でガバガバのものもあり、最もコンディションの良いもので行った。初速は36m/sで0.135Jと10禁エアガン並み。5m先のA4用紙になんとか当てられるかなといったところだった。
チーフ用のスピードローダーも販売された。実銃のスピードローダーとは異なり、BB弾をジャラジャラと40発ほど入れ、後部のノブを捻って押し込むとBB弾がカートへ装填されるという仕組み。
パッケージにはS&Wの記載はなく、REVOLVER M36 CHIEFS SPECIAL METAL-FINISHとの表記がある。ASGKの認証シールが貼られている。
取説にはマルシンが当時発売していたアクセサリーパーツなども掲載している。当時の取説には分解方法が記載されているものが多かった。マニュアル.PDF (4.58MB)
DATA
発売年 | 1987年年末 |
発売時価格 | ¥4,900 (M36 スタンダード) ¥5,800 (M36 メタルフィニッシュ) ¥5,800 (M60) |
全長 | 実測 164mm |
重量 | 実測 255g ※カート含む |
バレル長 | mm |
発射方式 | ライブカート ガスリボルバー |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 5発 |
平均初速 | 36.91m/s (0.2g、22.6℃、HFC134a) |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
■関連リンク
タナカ ガスガン S&W M36 チーフスペシャル 2インチ スチールフィニッシュ