マルコシ UXスーパー 44オートマグ シルバータイプ
写真&解説 YAS
1970年代、エアソフトガンの先駆者であるタカトクが発売したSSシリーズ、そのハンドガンバージョンとして登場したのが44オートマグだ。
本コーナーの記念すべき第一回目でも紹介したタカトク SSオートマグカスタムは発売当初、つづみ弾仕様だった。その後1984年にタカトクが倒産したことで、製造元のマツシロも連鎖倒産したが、新たにマルコシが販売を引き継ぎ、製造はユニックスのUXスーパーシリーズとなり、6mmBB弾ケースレス仕様に変更されている。
基本構造は装弾数7発のカート式、プッシュコッキングエアーで、トリガーを引くと弾が発射されボルトが後退し、空薬莢がエジェクトされる。
それまでオリジナルデザインのエアガンが多かった中でオートマグという実在するモデルアップ、リアルな排莢システムで人気を博したが、80年代半ば、サバイバルゲームが盛り上がると、ケースレス&多弾数モデルが人気となり、これらカート式エアガンもユーザーやショップにより、ケースレス仕様へとカスタムされていった。そしてメーカーからもついにケースレスとカート仕様の両方が楽しめるモデルとして登場した、過渡期的なエアガンと言えるだろう。
1983年公開の映画「ダーティハリー4」ではクリント・イーストウッド演じる主人公ハリー・キャラハン刑事が.44マグナムリボルバーに代わり.44オートマグを使用したこともあり当時人気の機種だった。
全長40cmのビッグサイズなオートマグ。ピッカピカのシルバーモデルはブラックモデルよりさらに大きく感じる。
フロントサイトは固定式。マズルにはブラックパーツが流用されている。インナーバレルはアルミ製。
SS9000と同じ直径25mmの巨大なシリンダー。ストロークは61mmで、押すことでスプリングを圧縮するプッシュコッキング式。とにかくスプリングの力が強くコッキングには相当な力がいる。
リアサイトは上下左右に調節可能なフルアジャスタブル。
ケースレス化に伴い、装弾数18発のスティックマガジンがレシーバー左側面に装着された。このマガジンは取り外しも可能で、前側にある黒いつまみを回すことでBB弾の流れをカットできる。UXスーパー9にも搭載された同様の仕組みだ。マガジンとチャンバーの間に3発ほど弾が残るので最大装弾数は21発程度だ。
トリガー、マグキャッチ、コック&ロックのセーフティレバーは金属製。
カートリッジを7発装填できるスチールプレス製マガジン。スーパー9と共通の樹脂製のカートリッジは6mmBB弾化されて茶色から黒になった。カートの先端にBB弾を詰める。カートのリムにはK.Kマツシロの刻印がある。
カートリッジとは別に、ケースレス用のカートリッジ型チャンバーが同梱する。ケースレスマガジンから流れた弾はケースレスチャンバーの穴から入り、ボルトが前進すると真鍮製のノズルが押され、チャンバーパッキンに保持される仕組み。ホップアップ機構こそついていないが、当時、ケースレスカスタムが流行り、メーカー純製品として登場したほどだった。またスーパー9用は3000円で単品販売もされた。
実射はケースレス仕様でおこなった。命中精度は距離5mで手のひら大にはまとまるかなといった程度だ。
トリガープルは1.8kgほどだが、コッキングが極端に重く、経年劣化だろうかシアの掛かりが悪く、たまにブローバックしないこともあり、操作には難儀した。ただ、カートの飛びは良好だった。
それにしても、40年近く前のモデルながら、今なおピッカピカに輝くシルバーのオートマグははやりカッコいいと思える!
パッケージは黒とブルーのマルコシスタイル。ASGK認証シールも貼られている。
シューティングスタイルがアメリカンポリスメンのイラストで解説された取説。ケースレスチャンバーの説明書ペラも入る。
マニュアルPDF(4.91MB)
これなーんだ? pic.twitter.com/YwGIdZLfvC
— ハイパー道楽 (@hyperdouraku) July 13, 2023
DATA
発売年 | 1985年末 (ブラック) 1990年夏 (シルバー) |
発売時価格 | ¥7,800 (ブラック) ¥9,800 (シルバー) |
全長 | 実測 398mm |
重量 | 実測 748g (ケースレスチャンバー含む) |
バレル長 | - |
発射方式 | ケースエジェクト式プッシュコッキング |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 7+1発 / 18発(ケースレス時) |
平均初速 | 59.94m/s (0.2g、25.5度) |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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