MGC S&W M76 インターセプター
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
今回紹介するのは、MGCが初めて長物のガスガンとして発売したS&W M76 インターセプターである。以前紹介した長物ガスガン第二弾のベレッタ M12S ペネトレーターは「侵入者」の意だったが、インターセプターには「迎撃」といった意味があり、どちらも戦闘の情景をイメージさせるトイガンだけのニックネームだと言える。当時はサバゲーの戦闘で有効に使えるエアガンでなければ売れなかったため、そこを意識していたのは間違いないだろう。また、この頃一世を風靡していたJACのBV式ガスフルオートに対するアンチテーゼの意味でも、「迎撃」というネーミングはなかなか趣の深いものがある。
しかし、その内部メカはJACでも採用されているアサヒファイヤーアームズが開発したBV式フルオートユニットを技術提携して実現したものでもある。
既存のM76のモデルガンに発射ユニットを組込むという手法で製品化されたため、外観のリアルさは素晴らしい。ただ、エアガンとしての各部の作りはMGCらしからぬ粗いものだったと言っていいだろう。マガジンケースの底部から突き出ているBB弾マガジンや、レシーバー下部中央へ唐突に接続される外部ガスのジョイントなど、いかにも急ごしらえで作った、という印象は否めない。
そうした作りのアンバランスさゆえか、残念ながらサバイバルゲーマーを中心としたユーザーにアピール出来る製品とは言えなかったようだ。なお、このコーナーで紹介している他のBV式ガスガン同様、今回の個体も内部ユニットを破壊してあるため、発射不能な状態である事を補足しておきたい。
モデルガンのアウター素材をそのまま流用して製作されたM76インターセプター。モデルガンとしての完成度が高かったため全体的にさほど違和感はないが、当時のMGCがいかにフルオートガスガンの開発を急いでいたか、ということがよく分かる製品だ。
このM76にはセミ・フルオートを切り替えられるセレクターがあり、セミオートポジションではトリガーを一定以上引くとシアが切れてガスがカットされ、BB弾が1発~数発発射される仕組みになっている。
同時期のJAC製スターリング L2A3はフルオートオンリーだったことを考えると、当時としては新機能だったと言える。
また、MGCのBV式ユニットはJACとは異なりインナーバレルが固定式で、サブチェンバーがガス圧の変化によって前後する仕組みになっている。
古いサブマシンガンならではのバレルジャケット。多数のクーリングホールが空いたこのシルエットにグッと来るガンファンも多いはず。
ABS樹脂のキャスティング製法にもかかわらず、荒々しい溶接跡が再現されている。こうしたモデルガンゆずりのディティールは今見てもリアルだ。
スチール製のストック。ベースとなったモデルガンではゴム製のカバーで被われていたが、ガスガンでは省略されてしまった。
マガジンを構成する3つのパーツ。手前からBB弾マガジン、マガジンガイド、マガジンケースで、マガジンガイドというのはビヨンビヨンと曲がるコイルスプリング。
まず、本体内のBV発射ユニット給弾口にマガジンガイドを挿入し、その上からマガジンケースをかぶせるようにして差し込む。
さらにマガジンケースの底からBB弾マガジンを入れる。ここからグッと強く押し込みながら回して固定するのだが、少々コツが必要だ。
レシーバー下部から唐突に突き出たガス接続用のジョイントプラグ。とにかく早く製品化しなければならなかった当時の時代背景がしのばれる部分だ。 ガス缶のジョイントコネクタは2つあり、銃に近いほうには空き缶を、遠いほうにはガスの入った缶を接続することで気化スペースを確保するブースターシステムを採用している。
パッケージのイラストにはMGCのパワーボンベが描かれており、サバゲーでのシーンという設定のようだ。
MGCらしからぬシンプルなマニュアル。最低限度の情報のみで、読んで楽しめるような内容にはなっていない。マニュアル.PDF (700KB)
DATA
発売年 | 1986年1月1日 |
発売時価格 | ¥23,000 |
全長 | 実測 770mm / 513mm (ストック折畳時) |
重量 | 実測 1,670g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | 外部接続式ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 35発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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