マツシロ スーパー コルト ガバメント
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
何を隠そう、筆者がマツシロのスーパー コルト ガバメントで遊んでいたのは12歳、小学6年生の頃だった。当時は弾の出るエアガンといえばマスダヤのデタッチャブルシリーズか、タカトクのSSシリーズといった長物が主流であり、リアルなハンドガンタイプのエアガンはほとんどなかった時代の話だ。
ハンドガンではタカトクのSSオートマグ カスタムが存在したが、小学生の手には大きすぎ、カートリッジがSS9000と共用のライフルタイプだったこともあり、当時すでに学校一のガンマニア(笑)だった筆者としては、よりハンドガンらしいこのマツシロ スーパー コルト ガバメントの方に魅力を感じ、強く惹かれていたのである。
SSオートマグカスタムがカート式疑似ブローバックエアコキングガンの主流だったとすると、後を追うマツシロのスーパーシリーズも機構や性能的にはほとんど変わらなかった。だが前述の通り、全体的に小型化しているのは見逃せないポイントだ。
もちろん、現代のあまりにリアルなハンドガンに比べれば明らかにオーバーサイズであり、細部のデイティールも甘すぎる。しかし、あえてロングスライドカスタムという設定にすることで、デザイン上の欠点をカバーし、全体の雰囲気に説得力を持たせているのはさすがとしか言いようがない。
これでもっと良く当たり、片手で連射ができたらどんなにすごいだろう、と当時は夢見たものだが、それが今ではもう当たり前になってしまった。光陰矢の如し。まったく、月日が過ぎゆくのは早いものである。
全体的には実銃よりふたまわりほど大きな印象だが、比較対象がなければそれと気付かないほどバランスのとれたシルエットだ。コルト ゴールドカップ ナショナルマッチ ロングスライド カスタムそのものに見えるものの、商品名にはいっさい謳われておらず、ガバメントということで押し通されているのがなんとも不思議。
クロームメッキのアウターバレルが美しい。フロントサイトはかなり高いデザインとなっている。
フルアジャスタブルのリアサイト。実際問題、つづみ弾の弾道性能を考えると不要な装備だったかもしれないが、スーパーの名に恥じない高級仕様だったことは間違いない。
ワイドハンマーとサムセフティ。後にモデルガンの世界で「メタルフィニッシュ」と呼ばれて大流行するブラックメッキを、マツシロはすでに採用していた。
グルービングやチェッカーこそ入っていないが、当時、スクエアタイプのトリガーガードはガバメントカスタムの定番ともいえるデザインだった。
発射後、シリンダーがスライド後部から突き出る。発展途上のエアガンであることを思い知らされる残念な部分ではあるが、当時はまだスライドのストロークだけで作動するガバメントは存在しなかったのだ。
ホールドオープンの状態。この写真は白バックのためアルミ製のシリンダーがさほど目立たないが、このシリンダーさえなければもっとリアルなのに、と悔しい思いをしたガンファンは多かった。
スチールプレス製のマガジン、カートリッジ、ソフトビニール製の6mmつづみ弾。カートリッジは同社製スーパーモーゼルオートカスタムと共用だったため9mmサイズだ。
マツシロのスーパーシリーズ3部作のパッケージはすべて同じデザイン。全体的に高級感があるのも大きな特徴。
この製品はカート式のいわゆる疑似ブローバックだが、マニュアルにはパテントのダブルオートブローバック機構とある。> マニュアルPDF (850KB)
DATA
発売年 | 1981年 |
発売時価格 | ¥5,800 ¥6,800 (フレームシルバー) |
全長 | 実測 287mm |
重量 | 実測 520g |
インナーバレル長 | -mm |
発射方式 | プッシュ式エアコッキング |
使用弾 | 6mmつづみ弾 |
装弾数 | 7+1発 |
平均初速 | 53.4m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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