チヨダ 45ウインチェスターマグナム ウィルディ
写真&解説 YAS
解説
マグナムの自動拳銃と言えば、いまでこそデザートイーグルが人気だが、世界初のマグナムオート.44オートマグや、今回紹介する.45ウィンチェスターマグナム弾を使用するウィルディも忘れてはならないモデルだ。
日本では80年代に月刊Gun誌で特集が組まれたり、映画『ダーティハリー4』ではクリント・イーストウッドが.44オートマグを、映画『スーパーマグナム』ではチャールズ・ブロンソンがこのウィルディをぶっ放していたこともあり、その80年代に思春期を過ごしたガンファンにとっては強烈なイメージとして残っているのだ。
ただ、ウィルディは実銃の生産数も少なく、クセの強い独特な形状もあり、エアガンとしてモデルアップしたのはチヨダだけだ。
チヨダのウィルディはカート式のプッシュコッキングで発売され、当初は6mmつづみ弾仕様で、のちに6mmBB弾仕様に変わった。その後ブローバックモデルへとモデルチェンジ、さらに時流にあわせて31連発のケースレス&プルコッキング化、最終的にはスライド固定ガスガンとしてリニューアルされている。
ゴツいスライドにスリムなバレル、デフォルメされたグリップのメインスプリングハウジングが盛り上がっていてどこか不格好だ。当時はヘンテコなスタイルだなぁと感じていたが、今見てもそう感じる。
バレルにもエングレーブが施される。バレル根元のガスレギュレーターダイヤルやガスピストンロッドなど、ガスオペレーテッドシステム採用のメカメカしさは魅力的だ。
Vノッチのリアサイトはダイキャスト製で調整はできない。プッシュコッキングしやすいように省かれたのか、ハンマーの造形がない。スライドにも美しいエングレーブや実銃同様のWILDEY FIREARMSの刻印が施される。
右側面には本来エジェクションポートがあるはずだが、チヨダのウィルディはスライドに隠れている。
スライドストッパーを下げながらスライドを引っ張って後退させることができる。セーフティレバーはグリップ後ろのレバーを下げればトリガーがロックされる。
この初期型はブローバックではなく、あくまでも手で引いてスライドオープンする仕組みだ。
なんと10cmもスライドが後退すると、エジェクションポートがあらわれ、空薬莢が飛び出す。ここから6cmほどスライドを前へ空走させ、そこから一気にスプリングの重さを感じながら、プッシュコッキングを行う。尋常じゃないコッキングの重さだ。
またトリガープルも4.5kgと重く、カートが排莢されないこともあったりと、これで連射するのはなかなか辛い。
初速は経年劣化によるものかもしれないが0.2g弾で31m/sと10歳対象エアガンと同等レベル。
命中精度は3m先のA4ペーパーには何とか当たるかなといった感じだった。
インナーバレルが段付きの真鍮製ということもあり、思っていたほど悪くはない。
肉厚のスチールプレス製マガジン。装弾数は6発。
茶色の樹脂製カートが6発付属、同梱の6mmBB弾は重量0.12gだ。説明書にもあるように初期型は6mmつづみ弾仕様だった。弾は先端から入れるタイプ。
ブルーのパッケージがいかにもチヨダっぽい。当時販売はシュドーが行っていた。
6発のカートと6mmBB弾が付属。
この取説では6mmつづみ弾仕様になっている。モノクロの取説が時代を感じさせる。マニュアル.PDF (1.13MB)
DATA
発売年 | 1985年 |
発売時価格 | ¥6,500 (ブラック) ¥7,200 (シルバー) |
全長 | 実測 281mm |
重量 | 実測 635g |
バレル長 | カタログ値 94.5mm |
発射方式 | プッシュ式エアコッキング |
使用弾 | 6mmつづみ弾 / 6mmBB弾 |
装弾数 | 6発 |
平均初速 | 31.52m/s (0.2g、21℃、0.099J) |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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STORY TIME : スーパーマグナム「うーんウィルディ」