チヨダ マークスマン ガバメント コマンド20 カスタム
写真&解説 YAS
解説
マルゼンからマークスマンガバメントを引き継ぎ、単発仕様から8連発、150連発とケースレス多弾数化していたチヨダが1986年に発売したシリーズ3代目となるのが今回紹介するコマンド20だ。
ターミネーターモデルでロングスライド化したマークスマンガバメントだが、このコマンド20で再び5インチサイズのスライドに戻った。というよりは、どちらかというと8連発マークスマンガバメントの派生型ともいえる。
トリガーガードはターミネーターモデル同様のスクウェアタイプ。サテンシルバーカラーのコマンド20 カスタムは、スライド側面がヘアライン加工仕上げとなっている。
ただ、相変わらずの独特なコッキング操作と重いトリガープルで連射するのはキツい。これでもサバゲーのメインウエポンに使用するユーザーもいたのだ。この頃すでにガスガンは登場していたものの、作動安定性という点ではエアコッキングガンにまだまだ及ばなかった。
ホップアップ機構はまだなく、ケースレス・多弾数であれば第一線級の戦力になった時代で、サバゲーにおいて相手に気付かれずにどこまで近づけるかという隠密行動スキルが現在以上に重要な要素であったのだ。
前モデルのターミネーターやハードボーラーに比べるとスライドが5インチ強と標準の長さに戻ったコマンド20。シルバーモデルはコマンド20 カスタムと呼ばれる。スライド側面にはヘアライン加工が施され、サテンシルバーメッキが美しい。スライドとフレームに刻印が入るのもコマンド20の特徴だ。
マズルの形状は従来モデルと変わらず。ただしバレルが真鍮製になっている。エアーノズルはターミネーターモデル同様に気密性の高いパーツとなっておりアキュラシーの高さを謳っていた。
フロントサイト、リアサイトは固定式のオープンサイトとなった。スクエアノッチでリアはややワイドだが、これで十分狙いやすい。
シリーズ同様に内部に錘の入ったマガジンの無いグリップで、チェッカーグリップパネルやコルトのメダリオンもターミネーターモデル同様のものだ。本来のマガジンキャッチがクロスボルト式のセーフティになっているのもシリーズ共通だ。
ターミネーターモデルでは150連のスコープ型マガジンだったが、さすがにコッキングハンドガンで150発は多すぎたとか、スコープ型マガジンのサイトが狙いにくいとか、サバゲーで使えるホルスターがないなどの理由があったそうだ。そこでコマンド20ではスライド上部のリブに装弾数20発のスプリング給弾式マガジンが設けられた。
スライド上にある蓋をあけて、リブ側面にあるフォロアーの突起を引いて後部でロックできる。BB弾を20発装填し、蓋を閉めフォロアーを解除すれば装填準備完了。
コッキング動作はターミネーターモデル同様に、トリガーを引きながら、スライド後部を押してスライドストップを解除したのち、スライドを引いて押し込むという独特な操作。メインスプリングが強烈に強く、スライドを引くのも押し込むのも苦労する。トリガープルもとても重い。
試射したところ、初速は安定せず30~50m/sといったところ。おそらくピストンカップやチャンバーパッキンといった内部樹脂やゴムパーツの経年劣化が影響しているのだろう。
100発付属するBB弾はポリエチレン製。まだバイオBB弾などはなかった時代。弾の重さは0.142gで、ゲート痕や合わせ目が肉眼でもはっきりわかる。直径も5.8mmと小さめで、これでは真っ直ぐ飛びそうもない。
パッケージは購入意欲をそそるカラフルなデザイン。ちなみに、コマンド20の数字は「トゥエンティ」と英語の読み仮名が広告やチラシにあるのだが、多くの人は「にじゅう」と日本語読みしていたんじゃなかろうか。
マニュアルもターミネーターモデル同様だ。マニュアル.PDF (1.3MB)
同梱のチラシ。サバゲーでのニーズにあわせて専用ホルスターも発売された。
当時のBB弾は重量の明確な記載がないものが多かった。素材もプラ製以外に硬質ゴム製もあった。
DATA
発売年 | 1986年8月末 (コマンド20) 1986年冬 (コマンド20 カスタム) |
発売時価格 | ¥3,800 (コマンド20) ¥4,800 (コマンド20 カスタム) |
全長 | 実測 228mm |
重量 | 実測 458g |
バレル長 | カタログ値 57mm |
発射方式 | プッシュ式エアコッキング |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 約20発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:FIRST 中古侍
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