UVR(米露大戦) 2018 台湾 サバゲーイベントレポート
Reported by Gato Lin & 編集部
2018年12月14日〜16日の3日間にわたり、台湾 高雄市の麗湖(れいこ)キャンプフィールドにて開催されたUVR 2018 サバイバルゲームイベントをレポート。
米、露の大戦勃発!? 台湾最大級のサバゲーイベントが3度目の開催
アメリカとロシアの大戦をテーマとした大型サバゲーイベント『米露大戦 (US vs Russia = UVR)』が初めて開催されたのは2015年12月。参戦人数は150人を超え、実物大の戦闘機(の残骸)やミサイルランチャー、臨場感あふれる爆発演出など、かつてないスケールで話題となった。UVRイベントは台湾最大、もしくはアジア圏最大のミリシムイベントと言ってよいだろう。
2016年のUVRイベントでは、装甲車両が投入されるなど、兵士同士の戦闘だけではなく、対装甲戦闘や部隊戦術など、戦闘がより一層進化。それから2年後の2018年12月14日、3度目のUVRイベント遂にが開催された。
イベント概要
イベント名:UVRイベント2018.NATO VS RUSSIA FEB
場所:台湾 高雄市.旗山区 麗湖キャンプフィールド
開催日:2018年12月14日(金)~12月16日(日)
参加費用:23,000円/人
開催場所の麗湖キャンプフィールドは普段はキャンプ場として有名だが、大型サバゲーイベントのフィールドとしても人気の場所だ。フィールド情報はこちら:https://goo.gl/maps/Y8s2sLgApA72
十字軍をモチーフとするNATO軍のパッチと、ポーラーベアをイメージしたロシア軍のパッチ。本イベントのために描き下ろされている。
UVRの独自ルール
UVRイベントでは、よりリアル感とゲーム要素を強化するため、独自ルールが導入されている。
1.銃器や迷彩パターン、そして装備が、所属する陣営に合うこと。
簡単に言えば、とにかく○○軍ぽくになろう。参加者の多いUVRの戦場では、迷彩パターンで敵味方を見分ける必要がある。ロシア迷彩はロシア軍、マルチカムやウッドランドは米軍といった具合だ。
民兵はローカル感あふれるコーディネートの私服を着ることになる。
2.ヒットされたら、支給された赤い布を被り、衛生兵によって復活する。
衛生兵は数名分のライフパック(水入りの輸血パック)を持っており、ヒット者は、メディックを呼んだ後、衛生兵が安全な場所まで連れていき輸血パックを渡す。ヒット者がパックの水を飲み干したら復活完了となる。
輸血パックの水を飲み干すヒットプレーヤー。
3.装甲車両には、対装甲武装(ロケット等)のみ有効。
両軍は、主催者から対装甲武装を支給され、車両撃破のために使用できる。
二つの陣営に分かれ、熱いバトルが始まる!
UVRでは迷彩パターンで二つの陣営に分かれる。実際にNATO軍とロシア軍が使用している迷彩が、敵味方の識別方法となる。
また参加する人数が多いため、いくつかの小隊を編成して、各陣営の指揮官からそれぞれの特性を生かし、異なる任務を遂行するよう指示が出る。
NATO軍の指揮所にいる指揮官たち。マップと大量の無線機で、各小隊の状況を把握する。
今回のUVRイベントは、300名以上のプレーヤーが集まった。
NATO軍が約200人、ロシア軍と民兵が120人と、勢力はほぼ2対1。
ただし、ロシア側は装甲車両の数が多く、イベント経験者も多いので、NATO軍は苦戦しがち。
ちなみに、前回の陣営は米軍とロシア軍だけだったが、今回米軍側はNATO軍となり、独、英、そして自衛隊も参戦した。
今回かなり活躍した台湾の自衛隊ファンの『陸上自衛隊台南方面隊』の面々。
イベントの冒頭には、NATO軍の偵察ヘリが民兵に撃墜されたという演出。生き残ったパイロット2名が、敵軍の追手から逃げる。
ロシア陣営には民兵が加勢した。
装甲車両との攻防
装甲車両や戦車は装甲があるため、通常のエアガンでの攻撃が無効になる。
装甲車両は1~2丁のマシンガンで武装しているので、普通の小隊なら正面から互角に戦えない。
だが、対戦車用ロケットがあれば話は別だ。両軍にはそれぞれ6丁のロケットランチャーが支給されている。ロケットを戦車・装甲車の方向に発射し、5メートル内の着弾なら命中と判断される。
支給されたロケットランチャー。AT4とRPG-7のモデルを改造し、仕掛け花火を発射できる仕様になっている。(スタッフの指導の元で使用する)
ロケットが命中した場合、車両は10分間行動不能となる。いかに戦車の侵攻を止めるかが、戦闘の要となる。
行動不能になる装甲車。行動不能を示すのため、上には赤いフラッグが見える。
民兵も武装車両がある。
市街地エリアでの戦闘
今回新規に設置された市街地エリア。
フィールドはもともとキャンプ場なので、野外やブッシュなどの地形が多いが、今回特別に広い市街地エリアが設置され、市街地戦闘(MOUT)の要素が導入された。
戦車・装甲車との共同作戦を実現したのも、これまでの大型サバゲイベントには無い体験だ。
いくつの大型コンテナと、バリケードや軍用のヘスコ防壁を組み合わせ市街地を構成している。
叫びと硝煙にまみれ、リアルな戦場の雰囲気
戦闘時の爆発や煙など、戦場の臨場感を演出するため、様々なエフェクトが用意されたのも、UVRイベントの特色だろう。
爆発効果用の花火を仕込むスタッフ。
侵攻を援護するため大量のスモークを投げ、戦場が硝煙に包まれる。
一日目の夜戦。赤いスモークと照明弾が夜空を照らして、まるで燃える炎のようだ。
迫撃砲を撃っている民兵。花火の仕組みを使用したリアルな効果だ。
航空支援攻撃(Close Air Support)
今回から追加されたもうの一つの新要素は、ラジコン戦闘機で空中から攻撃する、いわゆる航空支援攻撃(CAS)。
戦車を有効に破壊する手段の一つだけではなく、広い範囲で敵軍を行動不能にもできる、強力な攻撃手段だ。
CCTが無線で地面から指揮官に攻撃座標を連絡すると、ラジコン戦闘機がその攻撃座標に飛来し、実際にダミー爆弾やBB弾を投下する。
ラジコン戦闘機はNATO軍とロシア軍で各2機ずつ、全4機。
戦闘機が事故や銃撃で墜落したら、再びパイロット救援ミッションが発生する。パイロットを救出するまで航空支援を呼べなくなる。まるで映画『エネミーライン』の再現だ。
NATO軍に連行されるロシア軍パイロット。
戦いの果てに…
3日間続いた戦いは、NATO軍が大勢を生かし、ロシア軍を圧倒して、市街地を見事に守り抜いた。
今回UVRイベント主催者のGatoさん。
最後はみんなで楽しく記念撮影。背後の大爆発は本物だ!
各陣営の参加チーム。
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