セラコート™ 鈴友株式会社を訪問
セラコート™、実銃用のコーティングとして最近日本国内でもその名を広めつつある。
今回はそのセラコート™の日本総代理店である鈴友株式会社に伺って話をお聞きしてきた。
ここ数年、カスタムガンやパーツにセラコート™を鈴友株式会社の施工の元で取り扱うショップが増えてきた。また東京マルイはガスブローバックライフル「M4A1 MWS」のレシーバー仕上げとして採用、タナカワークスからセラコート™モデルが発売されるなど、トイガンメーカーにも採用されたこともあり、注目を集めている。
セラコート™は米国NIC Industriesが1984年に銃器用に開発したコーティング剤で、サングラス、釣り具、自転車などのアウトドアレジャー用品をはじめ、その高い耐熱性能もあり、自動車やバイクのエンジン回りの耐熱塗装など、ファッション、モータースポーツ等、その用途を拡大している。もちろんセラコート™は米軍の指定するミルスペックをクリアしており、軍用兵器へのコーティングとしても採用されている。
ラスベガスで毎年開催されているショットショーでは多くの銃器関連企業でセラコート™が採用されているのを見ることができる。
セラコート™は塗装と言うよりもセラミックを成分とした極めて高い汎用性を持つコーティング剤で、耐摩耗性、耐溶剤、耐薬品性能、防錆・防食等においても従来の塗装・被膜処理に比べて高い性能を発揮する。その被膜厚は25ミクロン。高い密着性(5B)と、最大9Hの引っかき硬度(色によって差がある)を誇る。
常温での吹付および、焼き付けによる施工など、金属・樹脂問わず、コーティングする素材を選ばないのも魅力。
このセラコート™に早くから着目し、日本市場において販売・施工代理店となっているのが、東京都台東区にある鈴友株式会社だ。メッキ加工業として、東京で3代続く創業90年の歴史ある企業だ。鈴友株式会社ではNICと協議の末、自社製品、OEM製品、そして現状NIC製品を日本国内でセラコート™、Cerakote™として商標登録している。
左が現会長の鈴木利夫氏、右が代表取締役社長の鈴木保利氏。保利社長は幼稚園からインターナショナルスクールに通い、中学の時に渡米、ハンプシャー大学の生物学部へ進み、バークリー大学で音楽を学び、米国で起業、M&A先の企業に勤め、コンピューターグラフィックスを使用した法律・訴訟関連の業務を行い、2005年に帰国する。
さっそく施工作業を見せて頂いた。意外にも小さな塗装ブースで作業者が1パーツづつ丁寧に手作業で吹き付けている。
エアブラシでタナカのリボルバーのシリンダーにコーティングしていく。
こちらはサムピース。ちなみにマルイのM4A1 MWSは鈴友社内では施工しておらず、鈴友の施工講習・使用ライセンスを取得したうえでマルイの工場にて施工されているという。
棚にはさまざまな色のセラコート™のボトルが並べられていた。
セラコート™は現在100色以上があり、パウダーコートは6500色が用意されている。パウダーコートにはメタリックや蓄光カラーもある。またセラコート™には赤外線反射性能を変化させる薬剤を混ぜて施工することで、ナイトビジョンでの被発見率を低下させることもでき、ミリタリー・ローエンフォース向けとしても期待されている。
別の部屋では全国の名だたるショップから依頼されている施工パーツが積み上げられていた。各パーツはなぜかイチゴの箱に入れられているのだが、これは近くに果物店があって、箱の大きさがちょうどよいからということだった。以前はプラ製のカゴを使用していたが、細かいパーツが紛失しやすかったそうだ。
事務所にはトレポンベースのカスタム、ナイツのSR-635がさり気なく置いてあった。もちろんこれもセラコート™仕上げ。
鈴友ではオリジナルのレシーバーも販売しており、これはトレポン用のHK416レシーバー。硬質アルマイト処理の上からセラコート™を施工する。
こちらはナイツのSR-16レシーバー。同じくトレポン用。エッジの立ち方や丸まり方など細かい部分までこだわって作られたレシーバーだという。
アンビマグキャッチ、アンビボルトキャッチなどもライブで可動する。
鈴友では刻印サービスも行っている。多くの銃器刻印を独自に研究し、彫り方やフォントにもこだわった仕上げをしているとのことだ。
鈴友の事務所に貼ってあった著名人のサイン。アームズマガジンでおなじみのボスゲリラ&ウピウピ隊、お笑い芸人のフットボールアワーの後藤さん、インパルスの板倉さん、そして乙夜さんの色紙。
最後にNICのセラコート™動画もどうぞ。
注目はボルトキャリアに施された各種コーティングの塩水腐食テストの比較。
■関連リンク
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