[殺し屋っぽい] Gun & Story コンクール

ストーリー No.07

タイトル:「神をも失うか」

投稿者:ソアラ

ストーリー:

軍を退役してちょうど2年3カ月だ。退役後の生活は、メディアで取り沙汰されるほど華やかなものではない。亡くした友人を忘れる日はない。Warren二等軍曹、Davies伍長、Hashiba中尉…。パトロール中に、まさかの畑のど真ん中で爆破したIED。庇ってくれたのはWarrenだった。彼が今の私を見たら、なんとがっかりする事か。毎日神に救いを求めている。彼らの名に恥じない生活を送りたい、と。なんとかして…

IEDの衝撃波で私の右耳はやられ、頭部への衝撃の後遺症で、右手が痺れ、激しい頭痛が絶えない。なんとかVA経由で未だに痛み止めを処方してもらっている。


職もまともに就けない。色々探しはした。ハンバーガーを焼く、ピザを配達する、高校の清掃をする。全て断られた。インストラクターなんかは夢のまた夢。独り身とはいえ、収入がなければ医療費や、食費すら払えない。

故郷に戻って幼馴染のマブダチのTylerに会ったのが幸か不幸か。彼はすっかりギャングの世界に入ってしまっていた。

私は軍で射撃をしっかり鍛えられたが、子供の頃から父親によくレンジに連れて行ってもらっていた、それもあってか、射撃の腕前には自身がある。左手でも、今は頼りない右手でも…

それを知ったTylerから、最初は彼の仲間たちに射撃を教える、「悪のインストラクター」の話が上がった。だが、彼らは何かを習って身につけられる様な事ができるなら、そもそもギャングをしていない。彼らはギャングスタ・スタイルにこだわり、9mmハンドガンで5 フィート先のマンターゲットにすらまともに着弾できやしない。

私はギャングスタには成り下がらない。だが生活をまともにできない。そこで、最初は彼らのボディーガード的な仕事をした。彼らはボディーガードなんか欲しがらないが、見た目厳つい仲間がいれば、ライバルとの接触の際、有利と考えた様だ。私は軍で愛用していたM9を携行した。コンシールには向かないが、むしろ見せびらかしたがる彼らにはちょうど良い。彼らと行動しているうちに、ライバルの名前、行動パターン、集合場所、そしてリーダーがわかってきた。

ある日、ライバルギャングのリーダーにTylerがやられた。ギャングでは副リーダー的な存在だった彼の仲間から復讐を頼まれた。ギャングにしてはいい金額を持ち出して。

神よ、あなたはどうされる?Warren、君ならば?引き受けるか、この仕事を…


[殺し屋っぽい] Gun & Story コンクール トップページ

2019/09/05

■関連レビュー

キアヌ・リーブス JOHN WICK 登場銃器解説 映画『ジョン・ウィック』 登場銃器解説

映画『ジョン・ウィック:チャプター2』 登場銃器解説 映画『ジョン・ウィック:チャプター2』 登場銃器解説