ストーリー No.05
タイトル:シックス インパクト
投稿者:feel so good
ストーリー:
真冬の夜、夜遅くの帰宅途中会社でのイライラ落ち着かせようと、アルコールを入れようとしたが、こんな時間ではどこのお店も空いていない。しょうがなく帰り道にある、コンビニで缶ビール6数本と深夜の数の少ない弁当の中から適当に選び外に出る。
『さむ!』
真冬の冷たい風が強く吹き付ける。誰に対してではないが声が出てしまった。
寒さを紛らわせようと、その場で買ったビールを1本開け、飲みながら家に向かいつつ、最後の一口を一気に飲み干した瞬間、妙な破裂音が身体の中でした。最近の運動不足のせいなのかと思いつつ気にも止めず。
一本、飲み干し寒さに慣れたのかアルコールが効いたのか、コンビニを出た時よりも寒くはない。真冬の深夜の静かな道。邪魔な空き缶を捨てようと近くにあったゴミ箱に近寄って、ゴミ箱の傍に妙なバックを見つけた、中を見てみるとギッシリと漫画本が詰まっている。話題にはなっているが、買って読むほどの物ではないが、
『捨ててあるし、タダなら』
持って帰ることに。ずっしりとしたバックだったが、これだけの本が入っていたらと思いながら。
疲れた夜道を、ほろ酔いで家路についた。
帰宅し、イライラを忘れようとビールを取り出し、2本目を開け、ツマミに拾ってきた漫画を読み始める。一冊を読み終え続きの本を探していると、バックの底にコンビニ袋に包まれたズッシリとした、何かが入っている。
恐る恐る開けてみると中には、またコンビニ袋。何重にも包まれた中からリボルバーの拳銃が出てきた!
多少の驚きはあったものの、子供の頃には、エアガンで遊んだこともある。今でも、友達からサバゲにも誘われたこともある。
エアガンだろうと思いつつ、飲みかけの2本目のビールを一気に飲み干し。3本目を開け、一口口をつけて再び拳銃を手にとってみる。子供の頃に遊んでいたものとは、明らかに質感、重量ともに全く別物だ!黒く磨きあげられた金属の質感、綺麗な木目のグリップ。それに、スコープの様なものまで付いている。
自分が持って、遊んでいたものとは全然違うし、かっこいいと思ってしまう。こんな高価そうなエアガンを捨てるなんてもったいないと思いつつ3本目のビールを飲み干し4本目を開ける。
ウル覚えの知識で、シリンダーを開けてみると、中から、弾が一気に落ちてきた。
『キン、キン』
床に弾、弾と弾の当たる音を立ててばらまいてしまった。
一瞬焦ったが、心地いい音色だった。
集めると、弾頭の先がついているものが3個、薬莢が3個。
最近のエアガンに感動しながら。シリンダーに弾を戻し、トリガーを引いてみる。しかし、全然トリガーが動かない。
『壊れてる』
だから、捨てたのか。でも良くできている。治ればいいものだろうし、スコープの使い方もわからない。
友達に、強引に連れて行かれたお店がある、相談しにいけば、修理できるかも、それに使い方も教えてくれるだろう。
明日の休みの予定は、無いし行ってみよう。
4本目のビールを飲み乾し、漫画を読みながら眠りについた。
夕方、漫画本の入っていたバックに銃を入れ、エアガンでも銃を持っている何とも言えない緊張感で感じつつ、ウル覚えのエアガンショップに向かった。一度しか行ったことがないお店を探し閉店間際のお店についた。店内はお客の姿はなく、店員の人が2人いるだけだった。
カウンターに居た主人らしき人に声をかけ、バックをカウンターにおいて、
修理と使い方を教えて欲しいと頼むと、
バックを開けて、スコープ付きのリボルバーを取り出すと、表情が変わった。店主に別室の射撃場の様な所に通された。
『修理と使い方ねぇ』
慣れた手つきで弾を取り出し、シリンダーを戻す。
トリガーを引き動いた。
手に取った弾を確認して、『4発も撃ったんだ・・・使い方ねぇ・・・』
弾の先が4個なくなっている、昨日確認した時は、3個だったのに。
『使い方を教えるから、覚悟しておけよ』妙な破裂音が身体の中で3回鳴った。
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