台湾軍新小銃 XT112 試射会
レポート:王清正
2020年に発表され、TADTE 2023でも展示された台湾軍の新小銃 XT112の試射会にハイパー道楽の台湾レポーターが参加。追加の写真を紹介しよう。
台湾が採用を進めている新小銃XT112。制式となればT91戦闘歩槍に代わりT112戦闘歩槍となる。
外観は米国のAR15を踏襲した台湾が独自開発した5.56mm×45口径のアサルトライフルだ。「射撃精度の向上」、「銃身の寿命の延長」、「人間工学」といった特徴を備えている。
軍備局205廠によって開発され、2023年11月に初期運用評価に合格、2万5000丁の初期ロット分の予算調達予定だ。
高雄市大樹区の205工廠に新設された射撃場でのプレス試射会が行われた。
台湾軍の新小銃XT112の射撃。#XT112#歩槍 pic.twitter.com/ZVPRju8s3K
— ハイパー道楽 (@hyperdouraku) October 31, 2024
ボルトフォアードアシストノブのないスッキリとしたアッパーレシーバー。セレクター、ボルトキャッチ、マグキャッチは両側から操作できるアンビ仕様。
セレクター右側。トリガーはストレートに近い形状となっている。
レシーバー左面。TADTEに展示されてレーザー刻印とは別の刻印もあった。セレクターはセーフ、セミ、2点バースト、フルオートの4ポジション。セーフ位置を中心に下へ回すとフルオート、上へ回すとセミ、2点バーストとなる変則的なレバー操作となっている。
ガスブロックに取り付けられたフリップアップフロントサイト。
フラッシュハイダーはワイヤーカッターも兼ねた形状だ。
命中精度は100メートルで9.8㎝とT91歩槍より向上している。またポリゴナルライフリングを採用し、バレル寿命は10000発に向上している。
M-LOK対応のアルミ製ハンドガード、ピカティニーレイルなど任務にあわせて多種多様なオプションを装備できる現代的なデザイン。
マガジンはSTANAG互換のUTG製ポリマーマガジン。樹脂製は衝撃による変形が起きにくく、近年各国軍隊で採用されている。残弾確認用の窓があり装弾数は30発。右は従来型のアルミ製マガジン。
大型のチャージングハンドルはAR同様のレシーバー後方にあり、アンビ仕様。フォアグリップ&バイポッドはUTG製。フリップアップリアサイトはレシーバー上に固定されている。
グリップはAR互換の樹脂製だが、オリジナルデザインだ。底部には蓋がありコンパートメントスペースとなっている。
5段伸縮のストックは樹脂製で、米MAGPUL社のMOE SL系に似ている。
また、今回いくつかのオプション装備も併せて展示された。
TS112式近接4倍スコープ 。LED発光レティクル搭載。
ドットサイトの展示も。Aimpoint T2似のスタイル。
ライトとレーザーポインター。
グリーンとレッドのレーザーを切り替えできる。IRでも見える。
レポーターの射撃結果。距離70mほどで、素早く5発ほど撃ったが、ターゲット中央にまとまった。バイポッドの効果もあり、T91歩槍より反動は軽く撃ちやすい。※写真の王記者は元台湾軍人で、T91歩槍や各国銃器の射撃経験がある。
新型抗弾プレートの展示もあった。左のグレーが5.56mm弾を、右のODが7.62mm弾を防げる。従来のものより軽量化された。
2024/10/31
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