台湾軍 TOW対戦車ミサイル / パトリオット ミサイル実弾射撃訓練
レポート 王清正
2024年8月26~30日に台湾の屏東の枋山射撃場で実施された対海対機甲演習「天馬演習」をレポート。
M1167 TOWミサイルランチャー搭載型ハンヴィー。TOWとはTube‐launched, Optically‐tracked, Wire‐guidedの略で、光学追跡、有線誘導式の対戦車、対舟艇ミサイル。1960年代にアメリカで開発され、改修を重ねて現在でも米軍をはじめ、多くの国の軍隊で運用されている。
ルーフに搭載されたM41A7(ITAS)発射器を使用してTOW-2B(BGM-71F)を発射する。
発射筒の横に照準器があり、射手が付く。
照準器。TOW-2Bには撃ちっぱなし能力はなく、着弾まで目標を補足している必要があるが、無線誘導式に比べて電波妨害を受けにくいという面もある。
射手は後部座席の中央に立っている。
射手と座席の位置関係。
観測用UAV 魔羯 Moujeiも使用された。台湾軍のUAV特集記事はこちら
枋山射撃場の海岸線沿いに陸軍第269旅団所属のM1167ハンヴィー4台が並んで射撃。
ローンチしてすぐに安定翼、操舵翼、プローブが展開する。
その後、ロケットモーターが点火、左右ノズルから燃焼ガスが出て推進する。
まずはコールドローンチで弾体を射出。
とはいえ、後方には射出ガスがかなり伸びる。
徐々に先端のプローブと翼が展開。プローブには小型HEATがあり、リアクティブアーマーを無力化する効果がある。
ロケットモーターが点火!
1500m、2000m先の標的艦を狙うが、現地メディアによると2km先の命中率は25%だったそう。
隊員の練度なども影響したそうだが、意外と当たらないんだね~。
M41A7(ITAS)は暗所性能も向上しているとのことで、夜間の射撃訓練も実施された。
赤い光跡を描いて標的に命中。
部隊のオリジナルパッチ。
精密防空ミサイル実弾射撃
2024年8月20日、屏東の九鵬ミサイル射撃基地と東部海空域で実施された対空ミサイル射撃訓練も紹介しよう。
屏東の九鵬ミサイル射撃基地
パトリオット2型(PAC-2)の発射機。キャニスターは4つ。
フェーズドアレイレーダー。
さらに射撃管制装置や指揮通信機材などで構成される。
角型キャニスターから火を噴いて発射されるパトリオットミサイル。最大射程は160km、最大到達高度は32,000m。PAC-3も三年前から配備している。
今回の訓練では30km先のターゲットを狙う。
こちらは天弓3型 地対空ミサイル。発射器から垂直に発射され、固定翼機、巡航ミサイル、短距離弾道ミサイルを迎撃する。最大射程は約200km、最大到達高度は25,000m。
基地内では航空機も展示された。こちらはF-16A Block 72 V。
AH-64E アパッチ 攻撃ヘリコプター。
UAVも展示。こちらは銳鳶 I型。
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