VFC/Avalon 電動ガン Gladius
レポート:戸井 源太郎
今回のレビューはナイツ PDWをベースにサバゲに特化したVFCのファクトリーカスタム部門のAvalon(アヴァロン)によるGladius(グラディウス)です。
実銃メーカー、S&Wにおけるパフォーマンスセンターのようなもので、外部、内部ともカスタムパーツを満載したカスタムモデルです。コンセプトはサバゲー用に特化させ、長射程でもヒットできる精度が特徴とのことです。
このGladiusをAIRSOFT97 アキバ店でお借りすることができたので、その宣伝文句が事実かどうか実際にテストして確かめてみたいと思います。
VFC/Avalon Gladiusのベースになっている米国ナイツアーマメント社のPDWは2006年に兵站などの後方部隊やパイロット、輸送部隊の自衛用にパーソナル・ディフェンス・ウェポン(PDW)として開発されました。
操作性なども新たに訓練の必要がないようにM4カービンを一回りコンパクトにしたスタイルとなっています。
PDWにはサブマシンガン並みのコンパクトさとライフル弾並みの威力を実現するために、専用に開発した6mm×35弾を使用します。これらにより威力はM4と同等、反動は50%軽減されているそうです。
ただし、新たな弾薬調達による兵站と予算、本体価格の問題等で制式採用されることはありませんでした。
ナイツ PDWのスタイルはそのままに独自のアレンジを施したGladius。通常なら別売りとなるカスタムパーツが標準装備されているだけでなく、内部メカも飛距離、サイクルアップにMOSFET搭載とサバゲに特化したカスタムモデルとなっています。カラーもブラックとアーバングレーの2色がラインナップされています。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
|
|
このGladiusはガンケース付 DX Ver.ということで、900 x 330 x 120mmの立派なハードガンケースが付いてきます。内部は全面スポンジで銃を優しく保護してくれます。ただVFCでは取説がロットによって入っていたり、いなかったりするそうで、お借りしたモデルはありませんでした。収納物は銃本体のみでした。
M4系よりちょっと小さなKNIGHT’S PDWのフレームの雰囲気を残しつつ、各所にオリジナルのアレンジが施されています。何よりアーバングレーの色合いが、タクティカルテイスト満載でよく似合っています。
マガジンハウジングには「Avalon」の刻印。「Cal 5.95mm」という遊び心もあります。ただ実銃も口径は6mmなので、6mmでもいいのではないかと思いますが...。ボルトリリースレバーもライブで、マガジンキャッチはアンビ仕様です。
トリガーはイナズマをモチーフにしたストレートタイプ、トリガーガードにはワイドタイプを標準装備しています。またMOSFETが搭載され、トリガーロックやスイッチの焼付きが解消されています。
セレクターはアンビタイプで、左右どちらからでも操作できます。
グリップはマグプルと似たVFCのQRSを標準装備しています。
チャージングハンドルを引けば、ボルトがホールドオープンします。閉じる時はボルトリリースレバーを押します。ロックは片側のみのPDWオリジナルのままのようです。
複雑な形状のボルトカバーも忠実に再現しています。コッキングハンドを引けば、エジェクションポート内にドラム式の可変ホップアップダイヤルが現れます。
フラッシュハイダーは格子状のスリットが特徴のKIGHT’Sハイダーを標準装備しています。ハイダーは14mm逆ネジ仕様です。
ハンドガード内にみえる金色のものは、2本あるガスピストンです。ダミーですが、しっかり再現してあります。
レール一体型のアッパーレシーバーなので剛性が高く、トップ全面がピカティニーレールなのでダット他、各種光学機器が搭載できます。ハンドガードガード部は下面はピカティニーレール、左右がKEYMODになっており、任意の箇所にレールを増設できるようになっています。
フロントサイトは着脱可能なKNIGHT’Sタイプのフリップアップサイトを標準装備。サイトは上下左右の調整が可能となっています。
リアサイトもKNIGHT’Sタイプのフリップアップを標準装備。こちらは左右の調節のみ可能です。
KNIGHT’S PDWは折り畳み式のパイプストックでしたが、GladiusではM4と同様のリトラクタブルになります。残念ながら折り畳むことはできません。
ストックパイプ基部には可動式のスイベルリングを装備。またフレームには左側のみQDアダプターがあります。
B5 Systems Bravoタイプのストックが標準装備です。ストックは3段階に伸縮します。
バッテリーはストックパイプに収納します。スティックタイプ他、セパレートタイプも収納できました。
ただし、全長の長いバッテリーの場合は少しはみ出るので、ストック長は最短にはできません。実用上問題はないので、バッテリー容量をとるか、コンパクトさを取るかはユーザー次第ですね。
マガジンはKNIGHT’S PDWタイプのマガジンが標準装備です。装弾数はスプリング式で120発と充分あります。プラ製で重量約100gと非常に軽量です。
付属のKNIGHT’S PDWタイプのマガジンだけでなく、スタンダード電動ガンのM4用マガジンも使用できます。が、どちらもカチッとロックがかかりにくかったです。
実射テスト
射撃テストの距離は30mと40mで行いました。ターゲットは30mでは直径18cmの丸プレートとA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレート、40mは人物大のターゲットを用意しました。
使用するBB弾は東京マルイのベアリングバイオBB弾の0.2gと0.25gです。
まず0.2g弾でホップを調整しつつ撃ってみところ、ホップを最弱にしても少々浮き気味の印象を受けましたので、やや下目に狙って撃つ必要がありましたが、どちらの距離でもほぼ全弾命中しました。ただし、たまにフライヤーが出たのが気になりました。新品のため、パッキンのアタリが出ていないのかもしれません。また、初速が高いので、0.2g弾では、軽すぎて浮き上がってしまうのかもしれません。
次に0.25g弾で30、40mと撃ってみました。銃との相性は0.25g弾がよいようで、0.2gに比べて、より安定した弾道を得られました。
どちらの距離でもほぼ必中距離です。特に30mでの集弾率は素晴らしかったです。バリケードから覗いている顔半分でも狙えそうです。
試しに距離50mで撃たれてみました。頭を狙って膝あたり、頭2つ分ほど上を狙うとボディに約7割の確率でヒットしました。痛くはありませんが、ヒットした感覚はありました。ほぼフラットに狙って50m先にヒットできるとは素晴らしい精度です。
総評
コンパクトサイズでも50m先を狙える精度があり、秒間約16発とサイクルもノーマル電動ガンより高く、サバゲで勝つためのカスタムモデルという宣伝文句に嘘はありませんでした。
外観もオリジナルの雰囲気を残しつつ、アレンジが加えられ、さらにオプションのカスタムパーツがふんだん盛り込まれており、本当に実在していそうな銃にみえます。
テストで800発ほど撃ちましたが、特にトラブルもなく、扱っていても操作性についても特に問題を感じませんでした。購入したその日からバリバリ撃って遊べます。
価格もカスタムモデルであること、つまり本来なら各パーツを個別に購入し、自分で組む手間のことを考えたらお買い得なモデルでしょう。
またAIRSOFT97 アキバ店では、日本正規代理店のJP.Verを取り扱っていますので、日本の法規制を遵守しており、アフターサービスも受けられるので安心ですね。
協力:AIRSOFT97 アキバ店、ビレッジ2
■関連リンク
VFC 電動ガン HK G28 DMR