東京マルイ エアガン M3 ショーティ
東京マルイの3発同時発射可能なエアコッキング式ショットガンシリーズ。サバゲーで知る人ぞ知る人気モデルだ。その人気の秘密は後述するとして、このシリーズ第一弾は1998年4月に発売されたスパス12だった。翌年1999年4月にはスパス12 メタルストックバージョン(生産終了)と、M3 スーパー90が発売された。
2000年10月にはアンダーマウント型のM203グレネードが3発同時発射機能にて発売、そして2001年6月に今回紹介するM3 ショーティが発売となる。同年11月にはスタンドアロン型のM203であるタクティカルランチャーが発売されるも、現在ではM203系列は生産終了となっている。
この3発同時発射の仕組みは後に、電動フルオートショットガンのAA-12やSGR-12に引き継がれることとなる。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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パーツリスト1 (M3 ショーティ) パーツリスト2 (M3 スーパー90) |
モデルとなったイタリアのベネリ社製M3スーパー90は、イナーシャ・オペレーションシステムを搭載しセミオート射撃とポンプアクションを切り替えることができるショットガン。
SWATなどの世界中の法執行機関で採用されていることでも知られる。
固定ストックモデルだけではなく、固定ストックを廃し、フォールディングスケルトンストックを装備したM3Tもある。この東京マルイのM3ショーティはM3Tのストックレスモデルをモデルアップしたものと言ってよいだろう。
パッケージ。黒とブルーのデザイン。背景にはロス市警の隊員とバッジが描かれている。サイズは83.5cm x 28cm x 7.7cm。
パッケージ内容は、本体、シェル型マガジン、保護キャップ、取説、BBローダー、クリーニングロッド、リアサイト調節用六角レンチ、BB弾少々。
実銃同様にテーパーのついたアルマイト仕上げのアルミ製アウターバレルが美しい。
ショットガンの特徴的なパーツであるフォアエンドはラバーコーティングされていてしっとりとした手触り。このフォアエンド部をコッキングすれば内部のピストンがコックされエアーを圧縮する仕組み。
マルイのエアショットガンシリーズ最大の特徴がこの3本のインナーバレルから3発のBB弾が同時発射される機能。まさしくショットガンの名にふさわしい独自の機能だ。
取説に3バレル給弾システムの図解があったので引用させていただく。実によくできた仕組みだ。
フォアエンド前方にはフロントスリングスイベルがある。このスリングスイベルは下側と左右に90度回転させて固定できるようになっている。方向を変えるにはフォアエンドキャップを回して取り外しスイベルプレートをネジ部から抜いて角度変更する。また、赤矢印のオート/ポンプ切り替えレバーは可動するがダミー。
フォアエンドのストロークは8cmほど。引くのには結構な力がいる。男性でも連続で10ショットもすると腕の筋肉に程よい刺激がある。女性ではちょっと扱いにくいかも。しかし、上半身の引き締め効果は抜群!! 毎週のようにこれでサバゲーしてたらマッチョになるに違いない。
トリガーを引きっぱなしにしてコッキングすれば、フォアエンドを戻した瞬間に弾が発射されるラピッドファイア機能も有する。
固定ホップアップなので、エジェクションポート周りも可動しないダミーとなっている。
レシーバーはプラ製ながら激しくポンプアクションしても全く剛性不足は感じないほどにしっかりした作りとなっている。
グリップはフォアエンド同様にラバーコーティングされていている。やや太く感じるが握り心地は良い。
またグリップ上部にはリアスリングスイベルがある。このスイベルはEリングを取り外せば左右に入れ替えることもできる。
M3 ショーティはストックレスなのでレシーバーエンドはカバーがあるのみ。
セフティはクロスボルト方式。右側から押し込んでボタン横に赤いラインが出ていれば射撃ポジションとなる。左側から押し込めばトリガーはロックされセフティオンとなる。
フロントサイトは亜鉛ダイキャスト製。正面に凹みがあり、この部分に白や赤の塗料を流し込めばより視認性が増すだろう。
ちなみに、M3 スーパー90ではチューブキャップを取り外してマガジンチューブ内に2個のショットシェル型マガジンを収納でるが、M3 ショーティはショートバレルのため、キャップは外せるが予備カートは入らないようになっている。
リアサイトも亜鉛ダイキャスト製。リアサイトベース前側にある2本のイモネジを緩めればリアサイトを左右に調節することができる。
マガジンはショットシェル型の30連マガジンを使用する。マルイのガスショットガンなどとも共通のものだ。先端からBBローダーで30発の6mmBB弾を装填する。重量は1つ17g。
赤矢印のマガジンリリースレバーを押すと、シェルポートの蓋がオープンする。
シェルポートへショットシェル型マガジンを装填し、蓋を閉める。マガジンリリースレバーを押せばポロッとシェルが飛び出してくる。取り出し時は落として無くさないように手で受け止めるようにしよう。
シェル型マガジンを装填しての実測重量は1,540g。
実射
使用するBB弾は東京マルイ製のベアリングバイオ弾0.2g。距離は20m、30m、40mの各距離で試射を行った。
20m先では3発の弾がほぼマンターゲットのヘッド部に集弾する。そして30mでは上半身に、なんと40mでもマンターゲット大に拡散しつつも3発が全てヒットするという弾道性能を見せた。
固定ホップアップも0.2g BB弾でほぼ適正と言ったところで、1シリンダー、3チャンバーの3発同時発射であるが故のフライヤーは見受けられるものの、実に素直な弾道をみせる。
初速は約80m/s平均で、40m先を狙うには少し上目に狙う必要があった。
冒頭で述べたM3 ショーティの人気の秘密は実はこの集弾性能にある。1ショットで40m先の人物大に弾幕を張れるというのがサバイバルゲームにおいて強さの要因になるのだ。
ポンプアクションでありながら近距離から遠距離でも電動ガンにも負けないくらいの攻撃力、それこそがM3 ショーティの魅力なのだと思う。
しかも1.5kgの軽量かつストックレスのコンパクトなボディで軽快な機動力も確保できる。
また、ストックがないと不安定という場合には、G&P製のエクステンドバットストックを装着するなどしてドレスアップも楽しめる。
コッキングが重いという短所はあるものの、総合して非常に高性能なエアコッキングガンであり、価格もリーズナブルなこともあって、自信を持ってお勧めできるサバゲーマー必携の一丁だ。
なぜ、この命中精度が受け継がれないのか?
マルイのM3 ショーティをレビューして疑問が込み上げた。実はこのエアショットガンシリーズの命中精度をマルイの電動ショットガンAA-12や、ガスショットガンのM870やKSGに期待していたユーザーは多い。
ところが、なぜか発売されたこれらの商品はエアショットガンの弾道性能とは異なるものだった。30mでマンターゲットに当てるのが精いっぱいの命中精度。
気温や連射によってガス圧を安定させにくいガスショットガンはともかく、マルイの十八番である電動ショットガンにおいても同様の弾道性能だ。30mを超えたらまるでマンターゲットを避けるかのようにBB弾が左右上下に拡散するさまをみて、失望したエアショットガンユーザーは多いと聞く。
「なんでわざわざ弾道散らすように斜めホップなんかつけちゃったんだよ」
「こんなに弾が散ったら味方を撃っちゃうよ」なんて苦言を聞くこともあった。
そんなこともあり、ショップカスタムではホップチャンバーをカスタムするメニューが多い。
たしかに30m以下での面制圧という意味ではAA-12の弾道はアリなのかもしれない。しかし、それでヒットをとっても狙って勝ち取ったヒットとはまた異なるものであり、それが納得できないショットガンナーもいるのではないだろうか。
現在開発中のSGR-12はAA-12のチャンバーを踏襲するということなのだが、果たして完全オリジナルデザインの電動ショットガンでAA-12と同じ弾道性能がふさわしいのか? 世界中のショットガンナーがマルイの一挙手一投足を固唾をのんで見守っているに違いない。
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