
KRYTAC 電動ガン LVOA-C
レポート:戸井 源太郎
モデル:栗栖ごん太
米国の実銃メーカー、KRISS USA社のエアソフトガンブランド、KRYTAC。
本場アメリカの最新タクティカルライフルが、その実銃メーカーから電動ガンで発売されるという昔では、考えられなかった夢のようなお話で、隔世の感がします。このことから日本でもKRYTACの電動ガンに注目が集まっています。
先日もKRYTACのフラッグシップモデルというべき、TRAIDENTシリーズをレビューしましたが、今回は2016年の1月に発売されたWAR SPORT LVOA-Cをレビューします。
太めで、先端部が抉れたLVOAレールを搭載し、レール先端から露出しないフラッシュハイダーでその独特なスタイルが特徴です。 レールをできるだけ長くし、左手でガンコントロールする、いわゆるコスタ撃ちがしやすくなっています。
KRYTACのLVOA-Cは、米ノースキャロライナ州の実銃メーカー、WAR SPORT社の正式ライセンスを取得しています。LVOAとは「Low Visibility Operations Application」の略です。意訳すると「隠密作戦装備」みたいな感じですかね?
公式サイト:http://warsport-us.com/
WAR SPORT社は、世界的に有名なタクティカルインストラクターのクリス・コスタ氏と業務提携している実銃メーカーであり、本モデルは同氏も使用しています。このKRYTAC WAR SPORT LVOA-Cは、WAR SPORT社とKRISS USAのコラボモデルといえます。
また、2016年1月の来日時にはKRYTACのTRIDENTを使用していました。
KRYTAC 電動ガン LVOA-C スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト1 パーツリスト2 パーツリスト3 |
先日、紹介した「TRAIDENT CRB」と同様のクラーケンのロゴとイカ足(ゲソ!)がデザインされたパッケージです。BOXサイズは縦30×横105×高9cmです。
中は型抜きしたスポンジに本体やマガジンが収められています。取説に正規代理店による弾速証明書、KRYTACのステッカー、英語表記の注意書きが同封されています。他に全長75mmの専用ピカティニーレール1個付属(別途3/32インチ六角レンチが必要)、多弾倉マガジン用の六角レンチが標準装備です。
フレーム、レールなどほぼ主要パーツはアルミ製となっています。レールなども痛くはありませんが、ちゃんとエッジが立っており、加工技術、外観も完成度の高さが伺えます。
電動ガンのメカは台湾で製造しているということで、フレーム右に「MANUFACTURED IN TAIWAN BY KRYTAC」と刻印があります。
レシーバーは基本、コルトのM4と同じ形状ですが、各パーツはオリジナルパーツを搭載し、差別化を図っています。
FOLIAGE GREENのボディにブラックの各パーツがよいアクセントになっています。
マガジンハウジング左面にはWAR SPORTのロゴが刻印されています。刻印も深く、美しく処理されています。また、フレームの塗装もムラがなく、非常に綺麗に仕上げられています。
右面にはLVOAのロゴが刻印されています。こちらも綺麗に処理されています。
セレクター表示はピクトグラムで、こちらも刻印となっています。セレクターレバーに厚みがあり、操作しやすいです。
セレクターはアンビ仕様で、もちろん連動しています。右側のレバーは構えた時に邪魔にならないよう少し短くなっています。
トリガーはストレートタイプを採用。これは米「CMC」社の正式ライセンスを取得したカスタムトリガーです。
タッチが良好で、使いやすいです。
これはぜひともカスタムパーツとして単体で販売してほしいですね。
ボルトリリースレバーもライブです。チャージングハンドルを引くとダミーボルトがホールドオープンします。
ボルトリリースレバーを押して、ボルトをクローズさせます。
グリップはKRISS USAのハウスブランド、DEFIANCE製を採用しています。
側面にチェッカリングのないスムースタイプですが、前面にはグルーブとフィンガーチャンネルがあります。このグリップは先日紹介した「TRIDENT」シリーズの最新版にも採用されており、左上に「KRYTAC」、右上に「TRIDENT」の刻印があります。
エジェクションポート内に可変ホップアップのダイヤルがあります。バレル同軸のドラム式で、ホップが0から15段階で調整可能です。ダイヤルには数字の表示があり、クリック感もあって調整しやすいです。
特徴的なデザインのレール先端部。フラッシュハイダーはTOP HAT COMPと呼ばれるもので、LVOA専用のパーツになります。正面には「WAR SPORT」の刻印が入っています。
レールの上下に縦の筋がありますが、実銃ではこの部分にワイヤーを押し当てて、撃つことでワイヤーカッターとなります。電動ガンではBB弾が砕ける恐れがありますので、もちろんできません。
フラッシュハイダーとレール先端は同じ長さで、最初は違和感がありましたが、見慣れてくるとカッコよくみえてくるから不思議です。
TOP HAT COMP上面にもポートがあるので、実銃だと発射ガスがレール上面にも直接当たり、熱くて持ってられなくなるのでは? と思いますが、どうなんでしょうか?
LVOAには75mmのレールが1本付属します。レール先端部の左右、および下面の任意の箇所に装着することが可能です。
ただレンチが3/32インチというインチ規格のようで困ります。ミリ規格でもできないことはないのですが...装着しずらいですね。
LVOAレールは実銃メーカーであるWAR SPORT社の正式ライセンス品です。一応、エアソフトガン専用ということで、レール下面に「AIRSOFT USE ONLY」の刻印があります。 恐らくですが、寸法や強度が異なり、実銃には装着できないのだと思います。
ハイダーギリギリまでレールが覆う独特なスタイルのLVOAレール。非常に肉厚でがっしりした造りです。バレル長はM4より微妙に長い14.7インチバレルとのことです。レールのために見た目以上に長く見えます。
軽量化のためにレールはトップのみで左右、下面は任意の箇所にレールを装着するようになっているのが最近の主流です。
また各所に肉抜きされており、上面からはガスチューブも再現されていることがよくわかります。
フロントサイトはLMTタイプの脱着式が付属しています。M4の三角サイトを模したシンプルなデザインです。また、リアサイトもLMTタイプが付属されます。上下左右調整可能で、M16A2タイプのL字型起倒式ピープサイトとなっています。
ストックはKRYTACオリジナルデザイン。これは「TRIDENT」シリーズと同じものです。
ストックは6ポジションで、ストック長がわかるインジケーター付きです。
矢印部分のボタンを両側から押してバットプレートを外します。
ストックパイプ左右にスティックタイプ、あるいはバットプレート部にミニタイプのバッテリーが収納できます。
ストックパイプ基部には左右兼用のスリングスイベルアダプターが標準装備です。
マガジンは東京マルイの300連多弾倉マガジンと同様の物ですが、側面に小さな穴が開いています。
この穴に付属のレンチを差し込み、ゼンマイを巻けるようになっています。この巻き上げ用のレンチもインチ規格のようです。
実射テスト
以前のリポートでKRYTAC TRAIDENT CRBは40mのマンターゲットにはほぼ全弾命中させるだけのポテンシャルがあったので、WAR SPORT LVOA-Cへの期待が高まります。
使用BB弾はいつもと同じ東京マルイのベアリングバイオ0.2gBB弾です。
ホップを調整すれば、ほぼまっすぐで素直な弾道が得られました。
もちろん40m先のマンターゲットの上半身にセミオートでビシバシ当たります。セレクターを切り替えて、フルオートで撃つとバリバリと命中音が響きます。
ほんとよく当たり、気持ちいいです!
今回はバイポッドでレストして撃ったので、正確な弾道が動画でもわかりやすいと思います。
当日は少し風があって、影響を受けていましたが、0.25gBB弾なら風の影響もホップによる弾の浮き沈みの差も少なく、素直でまっすぐな弾道を得られそうです。
さらにMOSFET搭載によるトリガーのキレ、レスポンスともにエクセレントです。また正確な射撃にはこのストレートトリガーが引きやすいです。
飛距離もまだ十分余力を残しており、頭二つ分ほど上を狙えば、50mでもマンターゲットにヒットできました。ここまで届かないだろうと油断しているとヒットされますよ。
やっぱりサバゲという遊びといえども、エアソフトガンというおもちゃといえども、よりリアルなほうがいいですよね。
その点、KRYTACはアメリカの実銃メーカーによるエアソフトガン ブランドであるのが強みです。
外観の完成度、剛性、質感、工作精度は実銃の雰囲気を十分以上に醸し出しているでしょう。
電動ガンのメカは定評のある台湾製で、実射性能は上記したように大変優れた精度を有しています。
KRYTACはブランド、外観の完成度、命中精度と三拍子揃った優秀な電動ガンという実感を得ました。
今回のリポートには主にFOLIAGE GREENを使用しましたが、他にWOLF GRAY、FLAT DARK EARTHの2色がラインナップしています。上の写真はFLAT DARK EARTHです。
グレーがかったWOLF GRAYは全世界1,000丁の初回限定カラー、FLAT DARK EARTHは、日本のみ500丁の限定カラーとなっています。
どれもマットで落ち着いたカラーですからカッコイイだけでなく、迷彩効果も高そうですね。
ハイパー道楽のエアガン レビューのためだけにアメリカのほうからやって来られた栗栖ごん太氏も、KRYTACのWAR SPORT LVOA-Cを大変気に入ったようで、大絶賛でした。
最後に栗栖ごん太氏は、
「みんなKRYTACのWAR SPORT LVOA-Cを持っていると僕の優位性がなくなるので、絶対買うなよ! 絶対だぞ! では、また会おう!」
撮影協力:ビレッジ2
KRYTAC 日本総代理店 LayLax inc.
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