タニオ・コバ x BATON airsoft ガスガン BS-H.O.S.T. CO2GBB
タニオ・コバ x BATON airsoftがコラボしたCO2ガスブローバックガン、BS-H.O.S.T. CO2GBBが発売されたので製品版をレビュー。
パッケージは白基調のシンプルなデザイン。タニオ・コバとバトンエアソフトのダブルブランド表記となっている。
パッケージ内容は本体、マガジン、取説、ドットサイト取り付けネジ×2。
スタイルはハイキャパシティ1911!!
2017年のSHOT SHOWで発表されたH.O.S.T. ( Holographic Optic Slide Top ) pistol DS 5.0をモチーフにしているそう。全体的な質感は艶消し調で良い感じ。
箱から取り出して手にした感想は、重っ!!!。まるで実銃並に重い。それもそのはず、実測してみると1kg近くある。CO2パワーソースなので、リコイルスプリングやハンマーのコックもフロン仕様のガスガンより重く、なにか実銃の1911を撃った時の緊張感がよみがえった。
スライドは強化ナイロン樹脂製、グリップフレームも樹脂製だ。シャシ部はアルミ製となっている。
スライドにもチャンバーにも一切刻印はなく、無機質な凄味がある。
スライド前後に入ったセレーション、サプレッサー対応のスレッデッドバレル、ハイプロファイルのフロント&リアサイト、アルミ製ビーバーテイル、アンビのサムセフティ、そしてスライド上部に設けられたダイレクトオプティックマウントなど、カスタム要素満載の構成。
フロントサイトは樹脂製。ホワイトドットが入る。
リアサイトも樹脂製でホワイトドットが入る。リアサイトは取り外し可能で、2つのネジはダミーだが、リアサイト前の六角ネジ1本で取り外せる。またちょっと細身だがダミーのファイアリングピンが再現され可動するのもリアルだ。
アウターバレルはアルミダイキャスト製。インナーバレルもアルミ製だが、ブラックアルマイト仕様となっている。
スレッデッドバレルのカバーを取り外すと、マズルはM14逆ネジ仕様となっている。
M14逆ネジなので対応するサプレッサーやトレーサーが簡単に装着可能。ACETECHのLIGHTER Sトレーサーを装着してみた。インドアやナイトゲーム、シューティングマッチにも対応できて便利。
ハイグリップしやすいように抉られたトリガーガード。トリガーはアルミ製。トリガープルは1.1kg程度。やや重めだが、ストロークは短めで切れも良い。マグキャッチボタンにはチェッカリングが入っている。
ダストカバー部にはアンダーマウントレイルを備える。レイルはピカティニー規格ではなく、SUREFIREのX300ウエポンライトを付けてみたが、ユニバーサル用でもピカティニー用クリップでも多少グラついた。ライト装着の際は締めこみ式のものにするなどの固定方法に確認が必要だ。
独特のうろこ状の滑り止めデザインのグリップ。グリップの効きはかなり良い。
うろこ状のグリップというとSTIのCOMBAT MASTER TTIカスタムをイメージする。
標準でアルミ製のマグウェルが装着されている。後部にはランヤードリングもある。
リアサイト前の六角ネジ1本でリアサイトを取り外す。付属の2本のネジで対応するマイクロドットサイトをダイレクトマウントできるようになっている。ただ、なぜか付属のネジは六角とプラスネジが混在していた...。
マルイのマイクロプロサイトを取り付けてみた。後ろにハミ出すがハンマーは干渉しない。
DOCTERタイプのドットサイトを取り付けてみた。
通常の1911系と同じく、スライドストップを取り外してスライドを前方へ抜く。スライドストップはスライド内側の金属パーツと噛み合うようになっていて耐久性は高そう。
チャンバー横に可変ホップアップの調節ダイヤルがある。
チャンバーパッキンにはタニオコバ設計のTK-WF 面ホップアップパッキンが採用されている。ノズルシールが二重化され機密性が高く、面ホップにより抵抗を低減しながら強い回転力を与える。
実測重量は本体と空のマガジンで998gもある。これにCO2カートリッジがプラスされればノーマルの状態で1kg越え。まさに実銃同様の重量感といって良い。
CO2ボンベをセットした状態でのマガジン重量は397g。マルイのハイキャパ系マガジンが373gなので25gほど重い。
マガジンはアルミ製でリップ部分は樹脂製。艶消しブラックの質感が良い。スペック上の装弾数は29発だが、実際に装填してみるとかなりキツキツなので28発にとどめておくのが良いだろう。
バルブにはタニオコバ製の改造防止バルブが装着されている。
マガジンバンパーを取り外し、コインなどでキャップを回してマガジンの中にCO2ボンベをセットする。
PUFF DINOのCO2カートリッジを使用して実射してみる。
実射
今回は梅雨時期という事もあって、まずは室内26度の環境で実射してみた。
驚くのがそのリコイルの強さ。CO2ブローバックガンならではの強烈なリコイル。スライドスピード、キックの強さ全てにおいて従来のリキッドチャージ式ガスブロとは比べ物にならない別次元の感覚だ。連射していると手首が痛くなるほど。そして発射音も非常に大きい。
CO2カートリッジ1本で3マガジンとちょっと、つまり100発近くは撃つことができた。
命中精度は0.2g弾を使用し、室内9mで7cm程度にまとまった。十分な精度だと思う。
初速は80m/s~88m/sとブローバックガスハンドガンとしては高めにセッティングされている。メインウエポンとしても十分使える初速だ。ただ、やや初速がバラつく傾向もあるので、後日20m~30mのロングレンジでもどんな感じか射撃してみようと思う。
その後、バトンレンジで30m無風弾道を撮影してみた。
CO2パワーソースの現状
CO2をエアソフトガンのパワーソースとすることの是非は業界内で現在意見が割れている。しかし、環境問題による代替フロンガスの削減状況を考えると、業界全体の動きとしてCO2をパワーソースのひとつの選択肢とせざるを得ないという考えも強くなってきている。
この点については以前のCO2ガスガンのレビューでも、特集記事でも述べているのでそちらも是非参照いただきたい。
> [特集記事] CO2ガスガン、CO2パワーソースの現状
BS-H.O.S.T.の気になる点は、そのマガジンの形状にある。BATON Airsoftとしては、本製品以外への使用は破損や事故の危険もあるので禁止しており、他社製ガスガンに使用したとしてもバルブは叩けない、まともに作動しないとしているが、実際に他社製品にマガジンを装填できる設計であることに疑問を感じる。
基本的にメーカーが推奨していない使用方法についてまで言及したくはないのだが、マガジンの使いまわしを禁止するのであれば、マガジン形状を独自設計にし、他社製ガスガンとの互換性を回避するなどの慎重さがCO2ガスガンだからこそあっても良いのではないだろうか。非常によくできたエアガンだけに、この一点においてのみ残念な点だ。
BATON airsoftはエアガン製造の業界団体で現在唯一CO2パワーソースを推奨するSTGA (全日本トイガン安全協会)に加盟の申し入れをしたが、結果的に加盟はできなかった。そのためSTGA加入メーカーであるタニオ・コバがSTGA認証を取得している。
以前よりハイパー道楽のレビューでもCO2ガスガンを製造販売するならSTGAに加盟すべきとの見解を述べているだけに残念だ。タニオ・コバというビッグブランドとコラボすることや、STGA認証を得るということの意味は、すなわち我々エアガンユーザーが安全に安心して遊べる製品を提供するということなのだから。
スペック
全長 | 234mm |
重量 | 1,039g (実測 CO2ボンベ含む) |
銃身長 | -mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 29発 |
価格 | 19,620円(税別) |
発売日 | 2020年6月19日 |
動力源 | CO2カートリッジ式ガス |
初速 | 最高:88.02m/s 平均:84.88m/s 最低:80.59m/s ジュール:0.720J |
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、屋外10発での測定、気温26.4度、湿度44%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.PDF (900KB)
協力:BATON airsoft
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