ICS 電動ガン CXP-MARS PDW9 S3
レポート:戸井 源太郎
ICS AIRSOFTから電子トリガーユニットSSSⅡを搭載したPCC(ピストル・キャリバー・カービン)スタイルの電動ガン、CXP-MARS PDW9が登場しました。
いかにもサバゲー用に特化したコンパクトなPDW9、早速レビューしていきます。
PCCとは拳銃弾を使用するアサルトライフル系の派生モデルで、1980年代にSWATなど法執行機関用に開発されたCOLT AR15 9mm SMGが元祖です。現在では9mm弾の他に.40S&W弾、.45ACP弾など銃器メーカーから各種モデルがラインナップされています。ライフルより反動が小さく、貫通力の低い拳銃用のターゲットプレートを利用できることから、アメリカでは人気を博しています。
PDW9はICS完全オリジナルデザインのPCCで、M4/AR-15ベースとは思えない個性的なスタイルです。フレーム、M-LOKレイルハンドガードはメタル製で剛性も高く、コンパクトにまとめられています。さらに射撃ごとにエジェクションポートが可動する電動ブローバック機能があります。
PDW9のフレームはAR-15のレイアウトは踏襲しながら独自なデザインが施されています。セレクターはアンビ仕様、マガジンキャッチも左右どちらからでも操作できます。またICS独自の上下分割式のスプリットギアボックスを搭載しています。
CQRから採用されたICS独自のSSSⅡ電子トリガーを採用し、トリガープルは約370gと非常に軽く、ストレートトリガーの形状もあって、セミでの速射も容易です。またフルオート / 3バーストの切り替えができます。バッテリーを繋いだ状態で、セレクターをセミの位置でトリガーを約10秒間引き続けるとユニットが振動して切り替えできます。これでフルオートポジションの位置が3点バースト射撃になります。
拳銃弾を使用するため、エジェクションポートはかなり小さく、ボルトカバーのカッパー(銅)色がアクセントになっています。チャンバー部にドラム式の可変ホップアップの調整ダイヤルがあります。
チャージングハンドルを引くとボルトカバーは後退してロックがかかる仕様なのでホップ調整も簡単です。
マガジンハウジング後ろの左右にあるレバーがボルトリリースレバーです。下に押し下げるとボルトカバーが閉鎖します。その下にあるのはマガジンキャッチで、合計3ヶ所あります。
よりコンパクトに構えられる流行りの角度の立ったCQBグリップが標準装備です。
6.5インチのM-LOKレールハンドガードを標準装備です。バレルにはサイレンサータイプのバレルエクステンションが装着されています。
バレルエクステンションは消音効果やトレーサーの機能はありませんが14mm逆ネジ仕様なので、オプションとしてサイレンサーやトレーサーの装着は可能です。
ICSオリジナルのフリップアップフロント、リアサイトが標準装備しています。フロントは上下、リアは左右の調整が可能です。
フロント、リアサイトは畳んだ状態でもサイトとして機能します。チャージングハンドルもアンビ仕様。リターンスプリングがないので、手で戻さないといけません。
PDWスタイルのストックは3段階伸縮できます。バッテリーはストックパイプに収納します。
伸縮レバーの中心部にある小さいスイッチをを押しながらストックを抜いて取り外し、ストックパイプの後部からバッテリーを収納します。奥行きは約11.5cmあり、ミニSサイズの7.4Vリポバッテリー(2000mAhクラス)が収納できました。
樹脂製のゼンマイ給弾多弾倉ロングマガジンを標準装備です。装弾数は330発で十分の容量です。個人的には多弾倉のショートマガジンも欲しいところです。
実射テスト
実射テストはいつもと同様、30mではA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレート、40mは人物大のターゲットを、BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。
どちらの距離、BB弾でも、ほぼターゲットを外しません。集弾性もある程度まとまっており、サバゲー用としては合格レベルにあるでしょう。
なんといっても特筆なのはSSS電子トリガー、プリコッキング機能も搭載によるキレのよい射撃感です。
ストレートトリガー標準装備、ストロークも短めでトリガープルも軽く、レスポンスはトップクラスといって良いでしょう。もちろんトリガーロックすることもありません。
しかし大きな問題はプリコックの解除方法にあります。
セレクターをセフティに入れると自動的に解除されるという機能なのですが...マガジン挿入したままセフティに入れると次に撃つ時はダブルフィードしてしまいます。さらに初弾はプリコックではありません。サバゲーではさほど問題ではないかもしれませんが、セフティを掛けた状態から初弾を当てていくシューティングマッチにはそのせっかくの効果が発揮できません。素性が良いだけにプリコックの解除法のみ改良して欲しいところです。
総評
CXP-MARS PDW9はフルメタルで剛性も高く、ショートスタイルで軽量なスタイルは扱いやすく、フィールドを軽快に走り回るアグレッシブゲーマー向きのモデルと言えます。電子トリガーにより、フル・3バーストの切り替えも可能、プリコック機能搭載と、特筆すべき特徴があります。
作動に関しても特にトラブルはなく、信頼性も高く感じました。この内容で市場価格が5万円半ばという価格ならば妥当なところと言えるでしょう。
スペック & 初速
全長 | 619〜690mm |
重量 | 2,700g (空マガジン含む、バッテリー除く) |
銃身長 | -mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 330発 |
価格 | 66,000円(税別) |
発売日 | 2020年2月末 |
動力源 | リポバッテリー |
初速 | 最高:85.17m/s 平均:84.66m/s 最低:84.22m/s ジュール:0.717J |
回転数 | 895rpm(14.92発/秒) 7.4Vリポ使用 |
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、屋外10発での測定、気温20.5度、湿度43%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト
協力:ICS AIRSOFT、ビレッジ2
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