G&G 電動ガン GC16 プレデター
レポート:戸井 源太郎
台湾メーカー、G&G ARMAMENTから最新モデル、GC16 Predatorが2016年1月に登場しました。
このGC16 PredatorはG&Gオリジナルのハンドガードレールが装着されたM4系電動ガンです。
レール先端部を横からみると、まるで、今にも喰らい付く猛獣のようにみえます。先端のスリットが目にもみえます。“Predator(プレデター)”という命名が的を得ています。
ちなみに英語では“Predator”とは宇宙人ではなく「捕食者」「天敵」を意味します。
さて、この“Predator”が名前どおり獰猛な捕食者なのか、徹底的にレビューしたいと思います。
このGC16 Predatorは一見するとM4バリエーションですが、レール、フレーム、ストック、マガジンとほぼすべてG&Gオリジナルデザインのパーツにより構成された架空のガンです。まぁ架空といってもどことなく実物メーカーのパーツと似ており、実銃にもありそうなスタイルで、違和感はありません。
レールやバレル長が異なるが先日レビューしたCM16 SRSとよく似ています。一体、このGC16 Predatorは、CM16 SRSとどこが違うのかといいますと...。
ひとつはフレームの材質の違いになります。CM16 SRSのフレームは樹脂製でしたが、GC16 Predatorはアルミフレームを採用し、剛性がさらに高いものとなっています。
G&Gでは大まかに言って「CM16」シリーズが樹脂フレームのリーズナブルなスタンダードモデル、「GC16」シリーズがアルミフレームのハイエンドモデルというセグメントのようです。
パッケージはG&Gカラーのブルーと黒のツートンデザインとなっています。モデル名のところのみステッカーになっており、他モデルと共用のボックスのようです。
内部は型抜きされた発泡スチロールの中にガンが収められています。本体の他には、クリーニングロッド、マズルキャップ、取説類が入っています。パッケージサイズは縦27×横94×高8.5cmになります。
取説、弾速証明書、キャンペーンチラシ、G&G製品カタログ、GCシリーズのバッテリーについてのお願いチラシが同封されています。
このGC16 Predatorには、バッテリーについての注意事項のチラシが同封されています。これはCM16 SRSのレビューでも解説しましたが、CM、GCシリーズにはオートカット機能付きの電子回路が搭載されており、バースト切り替え機能やオートストップ機能がありますが、寒さで電圧が下がったり、フルオートを多用すると、オートカットが作動してしまうことがあるそうです。その対策として11.1Vのリポバッテリーの使用を推奨しています。
詳細はG&G CM16 SRSのレビューをご参照ください。
ほぼすべてのパーツがG&Gデザインのパーツで構成されたオリジナルM4です。約10.5インチサイズのレール、フレームなど、主要パーツはメタル製でガタツキなど一切ありません。内部には電子トリガー・モジュール、電子回路MOSFETを搭載、ギアの軸受けには耐久性の高い8mmベアリングを採用しています。また11.1Vのリポバッテリーにも対応するようギアも強化されています。もちろん7.4Vでも使用できます。
G&G 電動ガン GC16 プレデター スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
レシーバーはアルミ製でG&Gオリジナルデザインの角ばったスタイルです。MUR風のアッパーやフォワードアシストノブなど、丸みを帯びた優美なCOLTとは違い、ゴツめのスタイルですね。
肉厚加工されたマガジンハウジングには「G&G ARMAMENT」のレーザー刻印があります。またアンビ方式のマガジンキャッチはライブとなっています。ボルトリリースレバーはダミーです。
セレクター表示はピクトグラムの刻印です。しかもセレクターはアンビで、しっかり連動しています。アンビのセレクターはトリガーフィンガーに干渉しないよう短くなっています。
トリガーはノーマルタイプでトリガーガードはワイドなMAGPULタイプを採用しています。また電子トリガー・モジュールが搭載され、トリガーでフル・3点バーストの設定もできます。
バッテリーを接続した状態で、セミオート射撃をし、そのまま約10秒ほどトリガーを引いたままでいるとフルオート/3点バーストの切替ができます。このとき何の音もしないのが判りにくいので、バイブレーションやビープ音などで切り替わりが判る機能を設けていただきたいですね。
グリップはMFT G27タイプのフィンガーチャンネルグリップで、絶妙な握り心地の形状です。またラバーコートが施されているため、しっかりグリップできます。内部には25,000rpmの比較的高回転のハイトルクモーターが内蔵されます。CM16 SRSでは18,000回転のモーターでしたので、実際の発射サイクルもより高回転になっています。
可変ホップアップの調節ダイヤルはエジェクションポート内にあります。G&G製品はグリーンでわかりやすくなっています。ボルトカバーのホールドオープン機能はありません。
アンビ仕様のチャージングハンドルを装備しています。
レール先端部からバレルが露出しないデザイン、ハンドガード全体は最近流行の軽量な八角断面タイプです。なお、レールの左右と下面はKEYMODとなっていますので対応する各種アタッチメントが取り付けられます。
ハンドガード長は約12インチ、レール上面はガイドナンバーはありません。レール側面には「G&G ARMAMENT」の刻印があります。
レールの先端部の左右が大きく抉られ、まるで喰らいつかんとする猛獣の横顔です。また、バレルにはガスブロックやガスチューブも再現されています。
GC16 Predatorには2種のフラッシュハイダーがセットされています。箱出しで右のハイダーが装着されていましたので、そのまま使っていましたが、メーカーのWebカタログでは、左のハイダー(マズルキャップ?)が装着されていました。
左右に大きな穴が3つずつ開いた大型のマズルブレーキ。マズル先端部とレールの先端はほぼ面イチとなっています。
こちらはハイダーというよりマズルキャップのような形状です。マズルはレールの奥に隠れてしまいます。
なお、ハイダー部はM14逆ネジ仕様になっています。
ナイツタイプの脱着式フリップアップフロントサイトが標準装備です。
リアサイトもナイツタイプの脱着式フリップアップサイトが標準装備です。上下左右調整が可能となっています。
ストックはG&GオリジナルデザインのGOS-V3を装備しています。ストックの伸縮は6段階に調節可能です。バットプレート部にはラバー塗装が施されています。
このストックは左のレバーを押し込むことでストック位置をロックすることができます。右のレバー押せば、ロックを解除できます。ストックの調節もこの右のレバーで行います。
バットプレート上部のボタンを押し、バットプレートを横に回転させることで、バッテリースペースにアクセスできます。クレーンタイプの左右がバッテリースペースとなります。
ストックパイプ内にはMOSFETが搭載されています。オートカット機能などのシステムがここに集約されています。またFET搭載機種ではバッテリーを繋げたままでの放置は厳禁です。
このGC16 Predatorは11.1Vにも対応ということで手持ちのバッテリーを用意してみました。
上はOPTION NO1 HIGH POWER LiPo11.1V 900mAh/4,000円(税別)、サイズは縦20×横101.5×厚16.5mmです。
下はBATON airsoft リポバッテリーE 11.1v1200mAh[20C]セパレート/2,490円(税別)、サイズは縦21.5mm×横127mm×厚6.5mm(×3)です。
GC16 Predatorに同封されていた「バッテリーのお願い」のチラシにあるバッテリーの「C」とは、そもそもとはなんでしょうか?
簡単に言えば「1Cだと、そのバッテリーの容量と同じ電流を瞬間最大で流すことが出来る」ということで、2Cだと2倍、10Cだと10倍になります。つまり電流が流れる量のことのようです。
G&Gの説明書には11.1Vで25Cを上回る放電率のバッテリーを使用しないようにと注意書きがあります。
BATON airsoft 三又リポバッテリーは(20C)と表記されているので、問題ありませんが、OPTION NO1のほうはWebで確認してみると(30C)とあるので、電流が流れ過ぎてメカボックスや電子回路に負荷がかかる恐れがあるので使用しないほうがよさそうです。
しかし問題が発生しました。三又リポバッテリーが入りません!
どうしても2本纏めたほうがこれ以上入りません。1本をストックパイプに入れようかと思いましたが、MOSFETにより、収納はできませんでした。
7.4Vはショートのスティックタイプなら収納は可能でした。
ちなみにOPTION NO1のリポバッテリーは厚みがあり過ぎてまったく入りませんでした。クレーンタイプで収納力はあるかと思いましたが、意外とバッテリーを選びます。
Webでいろいろバッテリーを調べてみましたが11.1Vで入りそうなのは見つけることができませんでした。
ストックの支柱にみえる部分もCR123A用のバッテリースペースとなっています。ストック下部にあるボタンを押し下げて、チューブを引き出します。CR123Aなら2本収納できます。
ストックパイプ基部にはCQDタイプのスイベルプレートを標準装備です。細かいですが、ストックパイプにもG&Gの刻印があります。
マガジンはGMAG-V1マガジンが標準装備です。これもG&Gオリジナルデザインでフィンガーレストのような形をしています。マガジンもラバー塗装され、滑り難くなっています。装弾数は300発のゼンマイ式多弾倉マガジンで、東京マルイ他、スタンダード電動ガンM4用マガジンと共用できますが、このGC16 Predatorには他社のマガジンはあんまり相性がよくなかったです。しっかりロックされないことが多かったです。
マガジンハウジング、マガジンといかにも握りやすそうな形状していますが、給弾不良を起こす可能性がありますので、ここをホールドするのは推奨はできません。
GC16 Predatorの実力はいかに?
いつものレンジで実射テストを行いました。内容もいつもと同様、東京マルイのベアリングバイオ0.2gBBです。使用バッテリーは11.1Vが収納できないので、テストにはET-1リポバッテリー 7.4Vを使用しました。
ホップ調整も素直で、すぐにまっすぐな弾道を得られました。
ただ気になるのはスプリングの解放音がとても安っぽく「バイ~ン」とやけに大きめに響きます。CM16 SRSでも同様でしたが、この部分でユーザーの本銃に対する品質イメージはずいぶん損をしているのではないでしょうか?
いつもどおり、40m先のマンターゲットに向けて射撃を行ったところ、フル、セミともボディに、ほぼ命全弾中していました。
過去のG&G M4系のレビューでも40mで人物大なら当たっていたので、まぁ当然の結果といったところです。
しかし、飛距離は40mが限界という感じでその後急激に失速する感じでした。
一応、身長の2倍の高さを目安に撃つと50mの人物にも命中させることが可能でしたが、かなり仰角もありますし、風の影響も受けるので、当たったらラッキーという感じです。牽制射撃としては有効かもしれませんが、実用的ではないでしょう。
トリガーの感触は電子トリガー・モジュールにより、レスポンスはかなりよいですね。セミを多用しても反応も追従性もよいですし、トリガーロックすることもありませんでした。スイッチの焼き付きの心配もなく、バンバン撃てます。
フルの連射サイクルも箱出しで約16発もあるので、充分でしょう。
弾道も素直ですし、40mまでならほぼ命中する精度があり、まずサバゲでも問題はないと思います。
実射テストではリポの7.4Vを使用しましたが、気温も20℃以上もあったので、特に問題は感じられませんでした。セミやフルでも5、6発のバーストで撃つ分には問題ないでしょう。ただしフルオートで1マガジン、300発を1トリガーで撃つなどしたらオートカット機能が働くかもしれません。
最後に今回のテストで問題とはまでいいませんが、個人的に、いくつか気になった点を挙げます。
まず、メーカーが11.1Vリポバッテリーが推奨ということですが、収納可能なバッテリーがない(私が探しきれていないだけかも)というのは困ります。
次に電子トリガー・モジュールによりフルと3点バーストの切替が可能ですが、設定してもなんの反応もなく、わかりずらいですね。そもそも3点バーストは個人的には使わないのですが...。
あとはマガジンの弾上がりが少し悪かったです。また東京マルイのVer.2用のM4マガジンなら共用できるはずですが、しっかりロックされないような感じがしました。
撮影協力:ビレッジ2
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