C.A.T. 電動ガン Versatile-5s Valor

C.A.T. 電動ガン Versatile-5s Valor

C.A.T.の電動ガンに新たにバリエーションが加わった。
強化樹脂フレームモデルのVersatile(ヴァーサテイル)シリーズで、その名もValor(ヴァーラー)。
今回メーカーよりレビューの依頼をいただいたのでさっそく見ていこう。

 

サイドビュー左
まず、一見して目を引くのはその独特のスタイルだ。短いバレルにスッケスケのハンドガード、ピストルロングマガジンに合わせた長いマガジンハウジングはグリップとブリッジされている。

サイドビュー右
そしてなんといっても特徴的なのが下へとオフセットされたストック基部。流行りのピストルキャリバーカービンでありながら、どことなくクリスベクターにも似ているスタイル。

それではフロントパーツから見ていこう。
フラッシュハイダー
フラッシュハイダーはアルミ製のサイドポートタイプで先端にはトゲトゲがある。アウターバレルも金属製で5インチと短く、狭いCQBエリアでの取り回しも容易だ。剛性に関しては何ら問題ない。

軽量化されたM-LOK対応アルミ製ハンドガードの、上下パネル先端にはピカティニーレイル+M-LOKスロット1つ、サイドパネルはM-LOKスロットが2個となっている。このハンドガードパネルは必要に応じて取り外したり、組み替えたりできる。

リアサイト
フロントサイト、リアサイトは樹脂製のフリップアップ式で上下調整、リアは左右調整とピープ切り替えが可能。

M14逆ネジ仕様
フラッシュハイダー下のイモネジを緩めれば取り外せ、M14逆ネジ仕様なので対応するサイレンサーやトレーサーを取り付け可能。インナーバレルは先端のテーパーが長めになっている。
ガスチューブまで再現されており、見た目だけでなく、剛性にも寄与している。

マガジンハウジング形状
Valorの外観上の特徴の一つはこのマガジンハウジング形状。ロングマガジンを包み込むように伸びたハウジングはサポートハンドで握って撃つのにとても便利。CQBエリアなどでグイグイ突き進んでスイッチングするときにも抜群の効果を発揮する。

オフセットしたストック
そしてもう一つの大きな特徴はこのオフセットしたストックだろう。

小型軽量のストック
確実に肩付けをしつつ、なるべく照準線を目線に近づけるための工夫だ。小型軽量のストックは5段階に伸縮可能で、バットプレートはゴム製となっていて滑り止め効果も高い。

オフセット量を調節
ストック基部のボタンで3段階にオフセット量を調節できる。またオフセットアームの底部にはQDスリングホールも装備する。

このストックのメリットは、銃身線が上がり、目線と近づくことでパララックスが少なくなることだ。
近距離戦などではとくにこの差が影響する。狙ったポイントにまっすく飛ぶようになるし、バリケードの端を撃ってしまい、跳弾で自らヒットといった事故が減るのも嬉しい。また、近距離のプレートを素早く撃つスピードシューターにもその効果を体感できるだろう。

顎がストックに当たりにくくなる
もう一つのメリットとして、右構えから左構えといった銃をスイッチする際に、顎がストックに当たりにくくなるので、大きなフェイスガードをしていてもガンハンドリングが容易となることだ。
その反面、頬をストックに押し当てられないので、顔を銃に固定して照準することはできない。

バッテリーを収納
アルミ製ストックチューブ内にバッテリーを収納する。コネクターはタミヤミニコネクター。できれば最近普及しつつあるXT30などの高効率コネクターにしたいところ。 今回の試射ではDEEP SHOTの7.4V 30C 800mAhバッテリーを使用した。1000mAhクラスのバッテリーだとストックが最短まで伸縮できない場合がある。

機械式プリコック
C.A.T.共通の機能として、機械式可変プリコックがある。ピストンを後退位置で保持し、トリガーを引けば即座に弾が発射されるプリコックは近年ミドルレンジ以上の電動ガンへの搭載が進んでいる。C.A.T.では電子回路パーツを使用することなく、リーズナブルな価格でプリコック機能を実装している。
ストレートトリガーとあいまってクリック感のある心地よいトリガーフィールだ。またトリガープルが830gほどと、適度な張りがあるのもよい。

グリップ
グリップは細身で握りやすく、一見してPCCのグリップに似ているが、ビーバーテイルが付いたことでより角度を立てて握りやすくなり、ドットテクスチャが設けられ滑り止め効果が高くなっている。またマガジンハウジングとグリップがブリッジされ、モーターハウジングの剛性という意味でも効果がある。

プリコックの解除
プリコックの解除はトリガーガード付け根の穴に付属のツールを押し込むと解除できる。

ホップアップ調整ダイヤル
チャージングハンドルを引けばダミーボルトが後退ロックされ、ホップアップ調整ダイヤルにアクセスできる。ボルトキャッチを押せばボルトが前進する。ダイヤルはスムーズに回転し、とてもホップ調整しやすい。

ロングマガジン
マガジンはPCCにも付属したピストルタイプのロングマガジンで装弾数は105発。マガジン重量は110g。

INAZUMAモーター
グリップ内にはINAZUMAモーターが内蔵される。カスタムガンにも使われることがある日本製の高性能モーターだ。

テイクダウン
Versatileシリーズ共通のレシーバーのテイクダウン方法。ロアのテイクダウンピンを抜き、チャージングハンドルを前へ押し込んでアッパーを上へ持ち上げる。

カムの位置を変更
付属のツールでセクターギアのカムの位置を変更することで、カットオフタイミングを変更し、プリコック量を調整できる。

パッケージ
C.A.T.の赤と黒のパッケージ。

実射

使ってみた印象

シューティングレンジと、屋外フィールドで使ってみた印象をお伝えしよう。

まず弾道性能については本当にこれが箱出しなのかというくらいに良好。C.A.T.の電動ガンはどれも集弾性が高いことは以前のレビューでも触れている通りだが、実射してみるとその優秀さに改めて驚いてしまう。
また、初速が0.2g弾で91m/s±0.4と非常に安定しているのも弾道性能の良さに貢献している。

30mであれば0.2g、0.25g弾ともに25cmセンターサークルどころかヘッドショット可能、40mでは0.2g弾でマンターゲット上半身、0.25g弾ならセンターサークルに収まる優秀さだ。

しかもこれ、ハンドガン並みに短い5インチバレルのモデルであるわけで、忖度無しでトップクラスの性能を有していると断言できる。

気になった点も

褒めてばかりではなく、気になった点も挙げていこう。
まず、右構えでマガジンチェンジする際、左側面にあるロングマガジン用マグリリースボタンを使用すると、マガジンを手にできずにストンと落としてしまいがちな点。これはマガジンハウジングが長くなってしまったことによるものだ。右側面のマグリリースボタンを使用することで対応可能だが、左構えではさらにマグチェンジが難しくなる。

実用性の高さ

正直に言うと、使う前はこの独特なデザインがSF銃っぽくて好きになれなかったのだが、実際に使ってみるとその実用性の高さ、使い易さに驚き、すぐに気に入ってしまった。

軽くて素早く動けるので、初心者からベテランまで、サバゲーマーにもシューターにも幅広くおススメできる高性能でハイコストパフォーマンスな電動ガンだ。

スペック


全長 610~700mm
重量 2,100g (空マガジン、バッテリー含む)
バレル長 175mm (インナーバレル長)
トリガープル 838g
装弾数 105発
価格 39,930円(税込)
発売日 2024年3月
動力源 電動ガン、リポバッテリー7.4V推奨、ミニコネクター
初速 最大:91.3m/s
平均:90.86m/s
最低:90.7m/s
ジュール:0.826J
発射速度:1,078rpm (18発/秒)
※7.4V 800mAh 30cリポバッテリー使用、東京マルイ バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温23.2度、湿度35%、ACETECH AC6000 MkIII BTにて測定。

協力:C.A.T. Japan、東京サバゲパーク、サバゲーパラダイス

2024/06/13



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