C.A.T. 電動ガン Versatile-5c PCC

C.A.T. 電動ガン Versatile-5c PCC

C.A.T.の電動ガンに新たにバリエーションが加わった。
強化樹脂フレームモデルのVersatile(ヴァーサテイル)シリーズでPCCスタイルのコンパクトモデルだ。
今回メーカーよりレビューの依頼をいただいたのでさっそく見ていこう。


PCCとはピストルキャリバーカービンの頭文字をとったもの。ARカービンはライフル弾を使用するアサルトライフルだが、実銃の世界では低威力のピストル弾にコンバートすることで、ターゲットプレートが痛みにくいとか、弾代が安いなどのメリットがあり、昨今人気のスタイルとなっている。


C.A.T.の電動ガンはこれまでもレビューしているが、どのモデルも弾道性能が良く、独自の機械式プリコックによりトリガーの切れが良く、しかも価格がリーズナブルと筆者お気に入りのシリーズだ。


C.A.T.の赤と黒のパッケージ。Combat Artisan Tactical、直訳すると戦闘職人戦術。


Versatileシリーズはレシーバーが樹脂製。樹脂と言っても強化ナイロン樹脂 PA66/GF30製で剛性は想像以上に高い。とくに本モデルはその全長の短さもあって首周りの強度もなんら気にならない。


フラッシュハイダーは金属製のサイドポート形状。取り外せばM14逆ネジ仕様となっているので、対応するサイレンサーやトレーサーを取り付け可能だ。フロントサイトは樹脂製のフリップアップ式で上下調整可能。


ハンドガードはM-LOK対応のアルミ製。とても軽量な作りだ。


リアサイトもフリップアップ式。上下左右の調節、ピープの大きさ切替ができる。
チャージングハンドルは小型のもので、実銃のカスタムハンドルが操作性を重視して大型化するのに対して、使用頻度と言う点を鑑みてエアガンである本モデルでは引っ掛かりの少ない形状を採用しているのは合理的と言える。また従来のARにあったエジェクションポートカバーや、ケースディフレクターが無いスポーティなスタイルとなっている。


チャージングハンドルを引くと、連動してダミーボルトが後退してロックされ、ドラム式のホップアップ調節ダイヤルにアクセスできる。ダイヤルは下側へ回すとホップが強く掛かる。ボルトキャッチボタンを押してダミーボルトを前進させる。


グリップは細身のスムースタイプなので握りやすいが少し滑りやすいかもしれない。
グリップ根本にプリコックの解除穴があり、付属の工具を差し込んでスプリングを開放できる。マガジンハウジング横のレバーと、トリガーガードのボタンを押してマガジンハウジングを取り外すことができる。


C.A.T.電動ガンの特徴として機械式プリコック機能がある。セクターギア内の独自のカム構造により安定したプリコックを実現、ピストンが常に後退位置で停止するので、トリガーを引いてから弾が発射されるまでのロックタイムが短縮される。
とくにCQBフィールドなどの近距離での瞬時の撃ち合いでもタイミングを逃さないので、多くのハイクラス電動ガンが搭載する機能だ。


グリップ内にはハイトルクなINAZUMAカスタムモーターが内蔵される。


Versatileシリーズの特徴のひとつ、マガジンハウジングの交換機能。別売のARハウジング&ARカスタムハウジングセットを取り付ければAR-15 マガジンも使用できる。いわばモジュラー式エアソフト。


レシーバー左面。マグキャッチ、ボルトキャッチ、セレクターは左右から操作できるフルアンビ。
トリガーは金属製のストレートタイプ。トリガープルは約980g、アナログ式スイッチながら、ストロークは短く、プリコック機能と相まって切れが良く、トリガーの落ちる感触が分かりやすい。センサー式の電子トリガーとはまた違ったトリガーフィールで筆者はこの感触が気に入っている。


ストックは取り回しの良い樹脂製の小型軽量タイプ。下部のレバーを押して5段階に伸縮できる。このモデルではストックのフォールディング機能はなく、伸縮のみとなったので、軽量化がさらに拍車がかかった。
バットプレートはゴム製でよくグリップし、またネジを抜いてバットプレートを取り外すこともでき、さらに50gの軽量化が行える。


バッテリースペースはストックチューブ内。タミヤミニコネクター仕様。容量1000~1200mAh程度のショートスティック型バッテリーが入る。


ストックはレシーバーにピカティニーレイルを介して取り付けられている。バッテリーケーブルが通っているので、1段階のみ下へオフセットできる。またレシーバーエンドプレートのようなQDスリングホールが付いている。


バッテリーなし、ロングマガジン装着時の実測重量は1,850gと軽い。


60連ショートマガジン、105連ロングマガジンの二種が付属。


GLOCK 3rd Gen マガジンを模している樹脂製のスプリング給弾マガジン。背面には残弾確認孔のモールドも再現。

実射では175mmと短いインナーバレル長ながら弾道は安定、30m先の25cmサークル、40m先のマンターゲット上半身に難なく当てられる精度だ。0.25g弾なら45m先の一斗缶を狙っていけるレベル。
バレルが短いこともあって、発射音は大きめ。これは派手で楽しいが、隠密性を高めたい場合はショートサイレンサーを取り付ければ解決する。

取り回しは抜群に良いので、板バリケードからの射撃も楽。インドアゲーム用にトレーサーを付けてもまだ十分に短い。初速も90m/sで驚くほど安定していて、それでいて秒間17発程度の連射力もある。

徹底的に無駄を省いたデザインの軽量樹脂フレーム、5インチバレルの取り回しやすさ、ストックもシンプルになって、マガジンのカスタマイズもできつつ、メカニカルプリコックによる切れの良いトリガーフィール。しかもお値段が実売で税込3万円台中盤あたりとリーズナブル。

バリケ間を素早く移動し、セミオートで撃ち込みながらフィールドを駆け抜けたい衝動に駆られる。
より機動力を求めるならショートマガジン運用がおススメ。予備マグ2~3本をベルトのハンドガンポーチに差し込んで機動力と火力を両立できる。
箱出しでこの性能ならもうこれで十分ではないかと思わせる、CQB特化型スタンダード電動ガンの究極形態ともいえるモデルだ。

スペック


全長 566~642mmm
重量 1,850g (バッテリー含まず)
バレル長 175mm (インナーバレル長)
装弾数 60発(ショート) 105発(ロング)
価格 37,400円(税込)
発売日 2023年7月
動力源 電動ガン、リポバッテリー7.4V推奨、ミニコネクター
初速 最大:90.8m/s
平均:90.5m/s
最低:90.3m/s
ジュール:0.819J
発射速度:1,043rpm (17.4発/秒)
※7.4V 1000mAh 30cリポバッテリー使用、東京マルイ バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温25.4度、湿度60%、ACETECH AC6000 MkIII BTにて測定。

協力:C.A.T. Japan

2023/09/13



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