C.A.T. 電動ガン Versatile-10s AK
先日紹介したC.A.T. Versatile-5c PCC 電動ガンと同時にリリースされたもう一つのモデルがVersatile-10s AKだ。今回メーカーよりレビューの依頼をいただいたのでさっそく見ていこう。
強化樹脂フレームモデルのVersatile(ヴァーサテイル)シリーズであることは共通だが、マガジンがAKタイプを使用でき、ハンドガードはレイル交換式のモジュラータイプとなっている。
ARでありながらAKのマガジンを使用できるアサルトライフルと言うとKAC SR-47や、
CMMG Mk47など実銃でもレアな存在だ。AKマガジンをARで使えるというのはなんともロマン溢れる仕様。
C.A.T.の赤と黒のパッケージ。Combat Artisan Tactical、直訳すると戦闘職人戦術。
フラッシュハイダーは4プロングで小さなガスポートが空いている金属製。M14逆ネジ仕様なので取り外せば対応サイレンサー等を取り付け可能。アウターバレルは約10インチ。ガスチューブも再現される。
フロントサイトは樹脂製のフリップアップ式で上下調整が可能。
ヴァリアブルハンドガードと呼ばれる軽量なアルミ製ハンドガード。しかも、このハンドガードはモジュラー式となっており、4面のレイルを交換できるようになっている。
別売オプションのピカティニーレイルをサイドに装着。M-LOK、レイルとM-LOKのハイブリッドレイルがあり、選んで取り付ければカスタムの幅がさらに広がる。
オプションパーツのレイル。
レイルを取り外して軽量化することもできる。サイドレイルの取り付けベースはさらに取り外すこともでき、かなりスッキリとしたシルエットに変化し取り回しが向上する。
Versatileシリーズはレシーバーが樹脂製。樹脂と言っても強化ナイロン樹脂 PA66/GF30製で剛性は想像以上に高い。マガジンハウジングは前引っ掛けでAKマガジンが使用できる。
チャージングハンドルを引けばダミーボルトが後退してロック、ドラムタイプの可変ホップアップダイヤルにアクセスできる。ボルトリリースを押せばボルトが前進する。リアサイトも樹脂製フリップアップ式で上下左右調整のほか、ピープ穴の大きさを切り替えられる。
セレクター、ボルトリリース、マグリリースは左右から操作できるアンビタイプ。マガジンがAKタイプなのでAR用のマグキャッチボタンはダミーとなり、トリガーガード前にある左右レバー及びそれに連動した下部レバーで操作できる。
ストックは伸縮機能はない細身の軽量タイプでバットプレートはゴム製。
チークパッドを後方へスライドさせ取り外すと内部にスティックタイプのバッテリーを収納できる。タミヤミニコネクター仕様。
ストックは基部を持ち上げて左側に折り畳みできるフォールディングタイプ。畳んだ状態でも射撃可能。コンパクトに収納できるので運搬時には便利な機能。グリップはMOE K2タイプで濁り心地が良い。
グリップ内にはハイトルクなINAZUMAカスタムモーターが搭載される。
C.A.T.電動ガンの特徴として機械式プリコック機能がある。セクターギア内の独自のカム構造により安定したプリコックを実現、ピストンが常に後退位置で停止するので、トリガーを引いてから弾が発射されるまでのロックタイムが短縮される。
とくにCQBフィールドなどの近距離での瞬時の撃ち合いでもタイミングを逃さないので、多くのハイクラス電動ガンが搭載する機能だ。
プリコックのピストンリリースはグリップ前の穴に工具を入れて解除できる。また、トリガーガード前のボタンと左側面のマグキャッチを押しながらマガジンハウジングを取り外すことができる。
別売りオプションのマガジンハウジングを取り付ければM4やPCC用のマガジンを使用することができる。
なお、AKマガジンハウジングは構造上給弾ルートが長く、弾残りが多いのが難点。
バッテリーなしでの実測重量は2,250gほど。
AKスタイルの500連の多弾マガジンは実測重量193g。残弾確認窓が付いており、内部のBB弾残量を確認できる。スタンダードなAKマガジンと互換性はあるが物によってはガタツキが出るので、よりガッチリと取り付けられる純正マガジンの使用をおススメする。
実射性能は30mなら25cmサークルに、40mならマンターゲット上半身、0.25g弾を使用すれば40mでも25cmサークルへ集弾できる精度、箱出しでこの精度は素晴らしい。フルオートでの弾のバラツキもなく、数珠つなぎで弾がターゲットに吸い込まれていく。
重量が軽いので、しっかりと構える必要はあるが、短いストロークのトリガーはクリッカブルで作動のタイミングをつかみ易く、コントロールしやすい。トリガープルは1kg前後だ。
Versatileシリーズ共通の樹脂レシーバーによる軽快さはそのままに、AKマガジン仕様としただけでなく、モジュラー式ハンドガードと言う新しい機能も導入されている。
当初ハンドガードがかなり華奢な印象を受けたが、使ってみると剛性は十分で、むしろアウターバレルにブリッジされた構造がバレルのブレを抑え、命中精度向上に一役買っているように感じる。
前述のように給弾ルートが長いのでマガジンを抜いたときの弾残りが多いが、500連というファイアパワーの前にはそんなことは霞んでしまう。もちろんM4やPCCマガジンへのコンバート機能もあるので、稀に見る拡張性、実用性を備えたモデルといえるだろう。
スペック
全長 | 565/780mmm |
重量 | 2,255g (バッテリー含まず) |
バレル長 | 250mm (インナーバレル長) |
装弾数 | 500発(ゼンマイ給弾タイプ) 130発(スプリング給弾タイプ※オプション) |
価格 | 39,930円(税込) |
発売日 | 2023年7月 |
動力源 | 電動ガン、リポバッテリー7.4V推奨、ミニコネクター |
初速 | 最大:89.7m/s 平均:88.6m/s 最低:87.7m/s ジュール:0.785J 発射速度:1,041rpm (17.35発/秒) ※7.4V 1000mAh 30cリポバッテリー使用、東京マルイ バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温26.1度、湿度67%、ACETECH AC6000 MkIII BTにて測定。 |
協力:C.A.T. Japan
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