カーボネイト ガスガン M45CQP 【エアガン レビュー】

カーボネイト ガスガン M45CQP

レポート:戸井 源太郎

Carbon8(カーボネイト)Cz75 2nd.versionから1年、第2弾のM45 CQP CO2 Blowbackが発売となりました。
人気がある1911のCO2ブローバックということで、その実射性能は非常に気になるところです。

米軍の制式拳銃
1911は1911年から1985年までの70年以上、米軍の制式拳銃として君臨していました。そのことから日本では「コルト・ガバメント」という名称でお馴染みです。
一時は9mm弾のダブルカラムでハイキャパシティのハンドガンに押されていましたが、.45口径のストッピングパワーや、大口径のイメージはアメリカ人に広く好まれており、やはり.45口径が一番! となっているようです。特に米海兵隊ではM9採用後もMEUピストルとして、支給されていただけでなく、2012年にはその後継として完全新規のM45A1が採用されています。
もちろんアメリカの市場でも1911は根強い人気があります。各種カスタムパーツが豊富で、プロのシューターにも多くの愛用者がいます。制式採用から100年以上が過ぎ、特許も切れたことから本家のCOLTのみならず、ライバルであるSIGやS&Wでも1911が作られています。他にKimberやSTIなど1911系の実銃メーカーだけでも多数存在します。1911はアメリカの魂そのものといったハンドガンでしょう。

サイドビュー左
サイドビュー右
この「M45 CQP」は、レール付きフレーム、ビーバーテール、アンビセフティにノバックサイトとタクティカル要素満載の1911で、ファンには堪らないスタイルです。一言で言えば、MEUピストルにアンダーレールが付いたモデルと言えばわかりやすいでしょう。
名称から米海兵隊のM45A1かと思いきや、そうではなく、実際にありそうな1911(ナインティーンイレブン)のタクティカル カスタムモデルという位置づけです。

ボディはナイロンポリマー製で、マットブラックの質感もいいです。手にした時もデータよりずっしりした重厚感があります。

スペック & 初速データ
全長 224mm
重量 721g
銃身長 112.5mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 26発
価格 19,800円(税別)
発売日 2019年1月
動力源 CO2カートリッジ
最高 85.37m/s
平均 83.70m/s
最低 82.26m/s
ジュール 0.701J

※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温16.1度、湿度41.0%、10発、X3200 Mk3にて測定。
パーツリスト

パッケージ
パッケージ内部
M45 CQPのデータが記載された渋めのパッケージです。箱のサイズは315 x 175 x  60mmです。

同梱物
同梱物は取説に小型炭酸ガス(CO2)ボンベの取り扱い注意事項、保証書が入っています。
その他にバレルブッシュング、六角レンチ2種、BB弾が同梱されています。

タクティカル1911
M1911A1のスタイルを継承しつつ、最新のカスタムパーツが満載され、現代戦にマッチしたタクティカル1911です。
ボディはナイロン樹脂独特のザラザラしたし雰囲気にみえますが、実際の手触りは滑らかです。

スライド左面
スライド左面には「45 ACP」の刻印のみのシンプルなデザインです。スライド前部には両面ともセレーションが入っています。

刻印無し
スライド、フレームとも右面は刻印は全くありません。

チェンバー
チェンバーには「.45 ACP」の刻印が入っています。

マズル
.45口径のマズルは迫力あります。ブッシングリング式のオーソドックスな1911のマズルフェイスです。

アンダーマウントレール
ウエポンライト
フレーム下部にはアンダーマウントレールが装備されています。溝は1ヶ所のみですが、ウエポンライトの装着には問題ありません。

トリガー
トリガーはシルバーのスリーホールタイプです。六角レンチでストロークの調整もできます。

MEUタイプのハンマー
MEUタイプのハンマー、アンビのワイドサムセフティ、ビーバーテールグリップセフティとタクティカルパーツが標準装備です。もちろんコック&ロックが可能でグリップセフティもライブです。個人的にはハンマーを起こす時の感触がHFC134aのガスガンと比べると重く、実銃に及ばないにしても感覚的には近く、好印象です。

リアサイト
ノバックタイプのリアサイトが標準装備です。フロントともに大きめのホワイトドットでエイミングしやすく、サイトの素材はどちらもナイロンポリマー製です。また、スライドトップには反射防止のセレーションが入っています。

グリップ
グリップはゴールドメダル入りのパックマイヤータイプのラバーグリップを標準装備しています。滑りにくくしっかりグリップできます。

マガジン挿入口
マガジン挿入口はCO2カートリッジに対応するように半円形に抉られています。

ハウジング
ハンマースプリングが入っているグリップ後端のハウジングは安全対策が施されており、分解できないようになっています。

通常分解
通常の1911と同様、スライドストップレバーを抜いてスライドを外せます。


可変ホップアップダイヤルはバレル基部に装備されています。サンプルのためか、ホップは少々強めで最弱でも0.2g弾では強めにかかりました。


スライドの内側には金属のインサートレールがあり、フレーム側のレールと噛み合います。
また、スライドストップのノッチも半分が金属パーツで覆われていますが、ノッチ欠けのためではなく、あくまでもレールの補強のためとのことです。スライド自身がナイロン樹脂なので、通常のABS樹脂より強度はあるのだと思われます。

マガジン
マガジン中央部にCO2カートリッジが露出した状態でセットされます。マガジンリップ部は樹脂製の別パーツになっています。装弾数はダブルカラムで26発で、CO2カートリッジ込みの重量は203gです。

マガジン中央部がくり抜かれています
CO2カートリッジを収納するため、マガジン中央部がくり抜かれています。マガジンバンパーも一体型になっています。
放出バルブには分解防止のためにピン打ちがされており、安全対策が施されています。
販売元のハッチでは、ガス漏れ等のアフターケアについては、2018年12月から初期不良時の必須条件や有償修理について、よりユーザーに配慮したものに改定されました。これらの詳細は商品に同封されているリーフレットをご覧ください。


CO2カートリッジの装填はマガジンの横から行います。まずマガジン底部にあるスクリューを付属の六角レンチで緩め、左面からCO2カートリッジを入れ、底部のスクリューを締めます。マガジンのくり抜かれたスリットは左右で幅が違うので、左側からしか装填できないようになっており、CO2カートリッジが通り抜けて落ちることもありません。

パッキン
ハッチによるとマガジンのガス漏れの原因はカートリッジの締めすぎでも、生ガスによるパッキンの劣化などでもなく、多くはCO2カートリッジに原因があるとのことです。
現在、安価なCO2カートリッジが流通していますが、これらは工場でCO2を充填する際にチリやホコリが混入したり、内壁にサビあったり、無駄な油分が付着していたりするものがあるそうです。これらのホコリや油分、金属片(サビ)などの異物が放出バルブの動きを阻害したり、O-リングなどのパッキン類を劣化させたり傷付けたりしてガス漏れを引き起こしているそうです。以上のことから射撃には高品質のマルシン製のCO2カートリッジを使用することを推奨するとのことです。

とはいえ、高圧力のCO2カートリッジを装填したままの保管は、よくないと思います。射撃後はガスを使い切って、CO2カートリッジを取り外して保管した方がよいでしょう。

また、マガジンの規定装弾数である26発以上を装填すると、作動不良や最悪スライドの破損といったことに繋がりかねませんので、BB弾をパンパンに装填しないように注意しましょう。

通常分解
ホップの調整でスライドを外す方法を解説しましたが、バレル、リコイルスプリング等も実銃同様に工具なし通常分解できます。

チェンバー
スライド内側
メカ
チェンバー周りやメカは東京マルイとよく似ていますが、マガジンの互換性はありません。またセフティは分解できますが、グリップセフティ、トリガーは分解できないようになっているようです。

実射テスト

実射テスト
実射テストは距離20、30mで行いました。20mは直径18cmの丸プレートとA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレート、30mは人物大のターゲットを設置し、BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。
真冬でも、CO2のリコイルは強烈です。速く鋭いリコイルが手に喰い込みます。BB弾の飛んでいくスピードが全然違います。ただちょっとホップが強めに感じましたが、0.2g弾と0.25g弾ともに20、30mでターゲットに全弾命中できる精度があります! ただ安定度と精度を重視するなら0.25g弾の方が断然よいでしょう。
飛距離、精度、初速、リコイルとどれも文句なしです。

60発程度の射撃が可能
テスト射撃によるとCO2カートリッジ1本で大体、マガジン2本分、プラスαで60発程度の射撃が可能で、燃費も悪くないと思います。そして真冬でも快調に作動するCO2に欠点はないように思います。
さすがに10発以上を連射すると少しリコイルは弱くなりますが、作動不良などは起こらず、確実に撃てます。
あとCO2ガスガンに慣れていない方は寒くてもマガジンを絶対、ヒーターなどで温めないでください。また炎天下の車内に長時間の放置も避けてください。HFC134aより圧力が高いので破裂するととても危険ですので注意してください。

よく飛びよく当たる
このCarbon8 M45 CQPはリコイルも強く、狙ったところに当たり、撃っていて楽しいです。また発射音が大きいのも迫力があります。実銃を撃っている錯覚を起こしそうなくらいです。しかもハンドガンで40mでも人物大ならヒットできる驚異のポテンシャルがありました。エネルギーも十分あり、ヒットすると結構痛かったです。撮影しながら、二人してカートリッジ10本ほど撃ちましたが、トラブルも一切ありませんでした。近距離だけでなく、40mでもヒットできるハンドガンは、まさにメインウェポンになりうるサバゲー用の1丁といえるでしょう。

総評


Carbon8(カーボネイト)M45 CQPはトイガン業界内でも意見が割れるCO2をパワーソースとしていますが、安全対策を施し日本の銃刀法規制に準拠、国内の業界団体であるSTGA(全日本トイガン安全協会)の認証を取得している商品です。そのため、バルブやハンマースプリングなどは分解できないようになっていますし、他社のガスガンにマガジンが共用できないように安全に関しては徹底しています。
サバゲーフィールドでもSTGA認証を得ているCO2ガスガンは利用できるところが増えてきました。

実射性能もこの冬の時期でもガンガン動きますし、初速も80m/sとハンドガンとしては十分以上あり、30mでボディを確実に狙え、40mでも有効射程内というポテンシャルは素晴らしいものがあります。
外観もタクティカルな1911をモデルアップしており、個人的には外観のカスタムする必要がないくらい綺麗に纏まっていると思います。
価格も税込で2万円ちょっとと、そのコントパフォーマンスは高いといえます。これは買っておくべき1丁でしょう。

 

協力:ハッチ、ビレッジ2

2019/02/08


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