ヨネザワ イングラム
写真&解説 YAS
解説
ヨネザワの10歳以上用ライトスポーツピストルシリーズは1982年にストライカー式の7mmつづみ弾仕様として始まり、その後のサバゲーブームに伴って、1985年にはエアー式の6mmBB弾仕様にリニューアルされた。今回紹介するのは7mmつづみ弾仕様のイングラムだ。
当初はハンドガンのみのラインアップだったライトスポーツピストルシリーズだが、後にKG-9、スコーピオン、イングラムが加わり、ライトスポーツサブマシンガンシリーズを構成した。
ストライカー式の7mmつづみ弾はパワーも精度もなかったが、人気モデルが多くラインアップされ、3,980円という低価格であったことから、エントリー層向けの製品として人気を博した。
米澤玩具は1932年(昭和7年)、台東区浅草橋で玩具問屋として創業、1980年代にトイガン事業に参入した老舗玩具メーカーだったが、1994年には経営不振によりセガグループに買収、ほどなくしてトイガン事業からも撤退している。
イングラムはアメリカの銃器設計家、ゴードン・イングラムによって設計されたサブマシンガンで、M11やM10の口径違いのバリエーションがあり、ヨネザワのイングラムは.380ACP弾を使用する小型モデルのM11をモデルアップしている。製造会社であるミリタリー・アーマメント・コーポレーションの頭文字を取ってMAC-11(マックイレブン)と呼ばれることもある。
ストックを折りたたんだ状態で全長25cmのハンドガンサイズ。グリップも小指が余るほど。
樹脂製レシーバーの上にはコッキングノブがあり、これを都度引いて発射する。フロントサイト、バレルなどもすべて樹脂製。バレル根元には可動式のスリングスイベルがある。レシーバー左面のセレクターレバーはモールドのダミー。
専用サイレンサーとストラップがセットになったDXイングラムSP(シークレット・ポリスの略)(\4,800)という豪華版も発売された。
トリガー前にあるセーフティをSAFEの位置にスライドすればトリガーがロックされる。トリガーは樹脂製で引く際には少し粘りがある。トリガープルは1.2kgほど。トリガーガードもレシーバー一体の樹脂製だ。
リアサイトは実銃同様にレーバーエンドプレートに丸い穴がある。折りたたまれたワイヤーストックは伸縮できる。
レシーバー下のボタンを押してストックを伸ばす。ストックアーム、ワイヤー部分は金属製となっている。
グリップ底部のレバーがマグリリースとなっている。
弾はL27と呼ばれるヨネザワ製の7mmつづみ弾が付属する。弾頭の口径は実測で6.8mm、全長11.14mm、重量は0.206~0.212gで、パワーに対して弾の重量が重すぎる感じだ。
マガジンは樹脂製で長いが、装弾数は10発と意外と少ない。
マガジンリップからパチパチと装填。コッキングノブを引いてストライカーが後退、トリガーを引くとスプリングの力でストライカー(細い棒)がつづみ弾の後ろから押し出して飛ばす仕組み。
実射してみるものの、初速は18m/s程度しかなく、ガバガバのバレルから放たれたつづみ弾は、2m先のA4用紙にも当てられないほどにバラける。あくまで弾の飛び出すおもちゃといったところだろう。
幅27cm、高さ29cmの縦長のパッケージ。イングラムの書体が古っぽくて昭和感がでている。
取説は大判で図説され、漢字には振り仮名がふられている。マニュアル.PDF(420KB)
同梱のチラシ。1800円のハンドガンシリーズ6機種。
DATA
発売年 | 1984年 |
発売時価格 | ¥3,980 |
全長 | 実測 250mm/472mm(ストック伸長時) |
重量 | 実測 410g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | ストライカー式プルコッキング |
使用弾 | 7mmつづみ弾 |
装弾数 | 10発 |
平均初速 | 18.46m/s |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
■関連リンク
ビンテージ エアガン レビュー TOP
トイガン史 1963 ~ 1993 - あるガンマニアの追憶 -
モデルガン&エアガンとトイガン業界の歴史
考察 ブローバック・ガスガン