ヨネザワ AMT380 バックアップ
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
以前、ヨネザワのコルト25ポケットを紹介したが、あのときはパッケージがなかったため、肝心な部分をお見せすることが出来なかった。
しかし、今回紹介するAMT380 バックアップにはちゃんとパッケージがある。通常、このコーナーでは上から順番に写真をご覧いただくことになっているが、今回ばかりはスクロールしていきなり一番下の写真を見てもらっても構わない。
いかがだろうか。衝撃的な「飛距り20m」の文字が目に飛び込んできたはずだ。飛距離ではなく飛距り、と表記されているのはひとまず置いておくとして、本当にこんな小さなエアガンで20mもBB弾を飛ばすことが出来るのか?という疑問が真っ先に浮かぶだろう。だが答えは当然、「Yes」なのである。
もちろんこれにはワケがあり、コルト25ポケットと同じく、「約35度の仰角を付けて上向きに撃てば」というオチがつく。
そんなの詐欺じゃないか、などと怒るなかれ。当時はまだホップアップなどなかった時代で、BB弾の飛距離を伸ばすためにはパワーを上げるしかなかった。大きなシリンダーを持つライフルならともかく、ハンドガン、しかも手のひらサイズのポケットピストルにとって、それはムリな相談だ。
AMT380 バックアップという機種制定は、今考えてもなかなか斬新だった。当時としては最新のキャリーガンであり、現在に至るまでトイガンとしては唯一の製品となっている。
発射方式はバレル後退式のスライド固定ガスガンで、プラスチック製のガスタンクを採用するなど、コストダウンを重視したデザインだ。当時はエアガンブームの最盛期だったため、こうした入門機種も飛ぶように売れたようだ。
「飛距り20m」というのは、今の感覚からしたらクレームもののキャッチコピーかもしれない。しかし、ガンファンに夢を売るのがエアガンなのだとすれば、あながち誇大広告とも言い切れないのである。
ポケットオートとしては独特の全体的に四角いデザインがうまく再現されている。ブランドはヨネザワだが、製造は啓平社が行っていた。機種選定や設計にはKTWの和智香社長が深く関わっており、本文中にある飛距離20mのカラクリも和智さんが考えたものだと思われる。
ごく小さいフロントサイトだが、エッジがよく立っている。インナーバレルはプラスチック製で、クラウンの仕上がキレイだ。
リアサイトは単なるヘコみ。スライドは一体成形で、上から見たディティールはなかなかのものだ。
グリップセフティはダミー。なぜかグリップとマガジンボトムが透明なプラスチックで成形されている。
フレームは左右二分割のモナカ構造だが、合わせ目がピシっと合っており、あまりチャチな感じがしないのはさすが。
ガスタンクはプラスチック製。この個体はガスが注入できないほど漏れてしまうため、残念ながら実射テストはできなかった。
細くて小さなワリバシマガジン。プラの弾性を利用したリップがあるものの、ほとんど機能しない。BB弾はフォロアーをロックしてから装填し、本体に挿入後、解除する仕組み。
パッケージ。本体以外にフロンガスボンベ20g入り1本、BB弾50発、ターゲットペーパー3枚が付属と記載がある。
これが問題のパッケージ。「飛距り20m」というキャッチコピーが誇らしげだ。ホップアップがなかった当時、ガンファンの購買意欲をそそるにはじゅうぶん過ぎるインパクトがあった。
DATA
発売年 | 1988年冬 |
発売時価格 | ¥1,980 (スタンダード) ¥2,500 (カスタム シルバー) |
全長 | 実測 128mm |
重量 | 実測 113g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | 固定スライドガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 6発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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